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静寂に包まれた『久万美術館』を貸切状態の中、健太郎君から詳しく紹介を受けていた『久万のとっておきの隠し玉』陣内有理・学芸員㊨に初対面。まずは作品鑑賞という事で、我々のためだけに展示作品の解説をしていただきます。とっても贅沢なことなのですが、雪の影響で後の予定が詰まってしまったため、陣内さんには駆け足・早口で作品の解説をお願いしてしまい申し訳なかったです。次々と口から溢れ出る言葉の端々に、自分がいかにこの作品が好きであるか、どれほど美術が素晴らしいものであるかを伝えたいというピュアな気持ちが伝わってきます。もっとこの作品の素晴らしさを語らせて~という陣内さん。ああ、この人はこんなにも、どうしようもないほど美術が好きなんだろうなあと・・・ああ、根っこは我々と同族なんだろうなあと・・・分かります、分かります、よく分かります!間違いなく同族です。そちら側の人間です。久万恐るべし、白銀の中にまだこういう新芽が息吹いていましたか!
時間が許せばもっともっと聴いていたいほど感性豊かな解説をご披露いただき、美術を観る楽しさに触れることが出来ました。さすがに隠し玉!これは使えますぞ~!作品を解説する陣内さんの颯爽として姿もお届けしたかったのですが、展示室内撮影禁止でしたので解説をお聞きになりたい方は是非直接久万美術館にお越しください。しかし、このまま陣内さんのお話だけを聞いていたのでは一方的に押仕切られしまうと(そんな事では健太郎君の面子をつぶす!)、松山からネタを仕込んできました。この「ならばま負けてなるものか」の意地の張り合い!が良いんです。どうせ周囲もそれを望んでいるんですから。『雪に佇むブタマジロ』もしっかり撮影して、早速『Loopto』にもアップさせていただきました。実は久万の観光に来たわけではなく、『久万郷』として久万の地域資源をどう活かすかその視察兼『実際に味わう』ために来たのです。
やはり実際にその地に立って地元の人の声を聞かねば、机の上から生まれてくるものには心を打つものが注入できません。陣内さんは『妄想ノート』なる物を持っていて、溢れ出すアイディアを書き綴っていて、それを一緒に実現させちゃいましょうというノリです。いろいろ楽しいネタがありそうです。楽しいものは楽しい気分で作らねば!この後本当は、『雪の竹森ガーデン』に行って、白銀のどんぐり広場を見るはずだったのですが、雪の深さが半端ではなく泣く泣く断念!お楽しみは少しは残しておいたほうがいいからね、トム。場所を健太郎君の自宅に移して、『久万郷』の商品について意見交換。
とりあえず今回はトムと真野さんに『冬の久万』の恐ろしさ、いや素晴らしさを知ってもらうという事で、これからじっくりと作戦を練っていきます。この大雪の中確実に新芽も出てきています。いつかやるではなく、今やらねば芽を育てることは出来ません。タイトルに掲げた『スノードロップ』というのは、ヒガンバナ科の花の名前で、別名を『待雪草』といいます。花言葉は『希望・慰め』。久万に咲いているかどうかも知らないのですが、以前に読んだスノードロップの伝説が大好きなで、この雪景色と我々の行く末を暗示しているようなので使わせていただきました。
その伝説とは・・・昔々神様が世界を創ったとき、雪には何の色もついてなく無色透明でした。花や木々には色がついていて、自分だけ色のない雪は、神様の所へ行って自分にも色をつけて欲しいと頼んだのです。すると神様は、花達に色を分けてもらうようにと言いました。雪は神様の言うとおりに花達に色を分けてもらうように頼みました。しかし花達は、冬に自分たちを冷たくさせる雪に自分達の色を分けてくれませんでした。悲しみにくれる雪に、スノードロップだけが唯一自分の白い色を分けてくれたのです。それ以来雪はその恩返しとして、スノードロップの生えているところの周りには降り積もらなくなったのです・・・。 私、柄にもなくこういうエピソードが大好きなんです。出来るものなら『花言葉書』も作りたいぐらい!大雪の久万高原町に積もる雪に色を与えたスノードロップになるのは誰でしょうか。来年また大雪が降るとき、厳しい寒さの中でにっこり笑える企業になれるでしょうか。なれるはずです、この雪の中これほど魅力的な種がたくさん埋まっているのですから。暖かくなってどんなものがこの雪の下から現れるかお楽しみに!
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