森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

以前から行きたかった愛媛県美術館で開催している『畦地梅太郎展』に行ってきました。畦地さんは、愛媛県二名村(現宇和島市三間町)出身の版画家です。地元・愛媛では有名なのですが、珍しい苗字で「あぜち」と読みます。私も詳しくは知らなかったのですが、山男の愛嬌のある絵が好きで、今回畦地さんの没後10年ということで、展示会があると聞き行ってみようと思っていましたが、やっと行けました。

20090222-e795a6e59cb0e6a285e5a4aae9838e1ca0j905y初期の鉛版画から始まり晩年の作品まで、さすが地元の作家ということもありかなりの作品が展示されていました。私は難しいことは一切分かりませんが、畦地さんの素朴で飾り気のない実直な絵が好きです。南予の出身というだけあって、八幡浜や宇和島、大野ヶ原など南予んの自然を題材にした作品も多く親しみが湧きました。年代順に見ていると昭和40年代後半頃から、ガラッと画風が変わってきます。私は個人的にはその頃、特に昭和50年代に入った頃の『山男』の絵柄が大好きです。むしろ、畦地さんといえばこういうタッチの絵をかかれる人だと思っていたので、初期の頃の作品は意外でした。人間長く生きていると作風も考え方もいろいろ変わってくるのでしょう、感じるところがあります。 

鳥を抱いた豊かな髭を蓄えた『山男』のユーモラスな表情は、心が緩むような安心感とぬくもりがあります。ああ、きっと畦地さんは、山やそこに暮らす山男達が好きで好きでたまらないんだろうなという思いが伝わってきます。厳しい山の暮らしがあるはずなのに、険しい表情の山男の画は一枚も見当たりませんでした。それは想像の畦地さんが作ったユーモラスな想像上の山男ではなく、実際に筆を向けた畦地さんに山男が見せた本当の表情だったのではないでしょうか。きっと畦地さんの人柄がそうさせたのではないでしょうか。畦地さんご本人には面識もありませんが、こんな楽しそうな山男は想像では書けないのではないでしょうか。本当の事は知りませんが、この画を見ているとそう感じずにはいられません。

軽妙な畦地さんの画のタッチに、屈強な山男が思わずフフッと愛嬌のある笑顔を見せたその瞬時の表情が、増幅されて版木に刻まれたのではないでしょうか。そう思ったほうが楽しいじゃありませんか。こんな山奥まで来て、こんな画を書いて、変なおっさんだな、なんて思ったんじゃないかな。山男は無口でぶっきらぼうで誰にでも心は許しません。でも山に来る人には頼りになります。そして心許した友には、屈託のない底抜けの笑顔を見せてくれます。きっと山の好きな畦地さんは山男に受け入れられたんだと思います。

勝手な思い込みで、畦地さんの意図とは全然違うかもしれませんが、1枚の画を見て何を感じるかは自由だと思います。短い時間でしたが楽しめました。結局、版画集やハガキもしっかり買って帰りました!佐野さんや大内さんたち、デザイナーの方たちと関わらせていただくようになって美術や芸術への関心がかなり高まりました。月に1,2回は美術館にも行きたくなりました。今回の畦地さんの画の中で、私が一番好きなのはこれ。この画が中に入っていたので絵ハガキを買いました。山のいのちと山の豊かさ、山の喜びがジワッと伝わってきて大好きです。

caxq3r10




オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  
Scroll Up