森のかけら | 大五木材


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今日はご注文をいただいていた1枚板のダイニングテーブルの納品です。エルムの大きな両耳付の1枚板で迫力があります。お施主さんが無垢の1枚板にこだわっていただきました。木の好きなお施主さん大好きです。

エルム(Elm)はニレ科の仲間です。以前にもブログで書きましたが、木目のくっきりした木です。エルムの木には、軽軟なソフトエルムと呼ばれるものと、より重硬なハードエルムの2つに大別されます。更に細かく分類されるそうですが、大まかには硬いか柔らかいかと考えたのでいいのではないでしょうか。このテーブルは、重硬なハードエルムに含まれます。大人一人で持つには骨の折れる重さです。1600x860x50㎜の立派な物です。赤身と白太との差が顕著です。下の画像は、塗装する前の生地の状態です。

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塗装は当然、植物性油+蜜蝋ワックス拭きです。これはミャンマー産ですが、白太がよく塗料を吸い込み乾燥に結構時間がかかりました。塗装するとメリハリがはっきりします。木目がよりくっきりとしてきて表情が際立ってきます。どう~してもナデナデとさすりたくなってしまいますね。滑らかで気持ちいいです。この仕上がった最初の手触りを味わえるのは至上の楽しみですね!

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幅860㎜というと、大人が手を広げて一抱えにするぐらいの大きさです。そう考えると結構な大きさです。一般的なダイニングテーブルのサイズは、大体コンパネ1枚分ぐらい(900X1800)なので、それがひとつの目安になるので、「900㎜幅ぐらいの1枚板を」と言われる方も多いのですが、900㎜の直径のある立木を想像してください。これはかなりの巨木です。まず100年ぐらいは森に鎮座ましましていたに違いないのです。

パソコンでマウスをちょこちょこっと動かして幅が広がるなんて物ではないのです。直径が10㎜大きくなるのにも何年も費やしているのです。そう考えれば、虫穴や傷があるのは当たり前です。むしろ無傷なほうが不思議なくらいで、果たして森における役割ではどちらが値打ちがあったのかを考えれば、虫穴や傷の尊さも分かろうという物です。このエルムにも端に小さな『勲章』がありますが、少しも気にされませんでした。理解のあるお施主さんに出会えて嬉しいです。木の好きな方に好まれて買われる木の家具は幸福です。合板でも何でもいいけど、割合木も安いから木にした・・・なんて言われてしまうと悲しくなります。まあ、そんな方は私のような偏屈者の所には来られませんが。

いずれこのテーブルにも傷や染みや汚れがついていきます。お施主さんにはそれを恐れずあまり神経質にはならないで下さいといつもお話しします。生活の証としての傷や汚れがついていくほどに、このテーブルもご自宅に馴染んでいきますよ。過保護にしない程度の大切さで扱っていただければ嬉しいです。家具の傷や汚れに一喜一憂する暮らしでは疲れます。いくら高価な家具を手に入れようとも、家具のための人間になってしまっては意味がありません。心が捕らわれる暮らしは決して平穏ではありません。

頑丈に作った家具もいずれは壊れます。それは物の宿命です。新築の家に真新しい家具がやってきて何十年も過ぎて気がつけば、古傷にまみれた馴染みの家具がそこにあり、多少汚れも目だってきたものの愛着があってとても捨てる気にはなれない。もうちょっと辛抱して使ってみようか・・・仲間と一緒にそんな家具が作れたら嬉しいです。




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