森のかけら | 大五木材


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20101016 『物語屋』という生き方①先日、愛媛県庁で県の経済労働部の方々愛媛木青協のメンバーで『森林ビジネス専門部会員等へのヒアリング』が行われ、私も参加させていただきました。新たな森林ビジネスのモデルを探ろうというものですが、今回に限らず川上から川下までの体系的なモデルを描いた時に真っ先に排除されるのが、私達『木材卸・小売業』という立場です。今回のモデルでも、森林所有者から製材工場→プレカット工場→施主、という図の中に我々のポジションはありません。そこを通さない事がコスト削減につながるという理屈だからです。

20101016 『物語屋』という生き方②卸問屋や小売店を通さない流通は、食料品や衣料品の分野ではとっくの昔から浸透していて、木材業界は保管のための広い敷地と商品を身軽に持ち運べないという特殊性から、今までこのシステムが安泰だったといえるかも知れません。ただこういう中間業者排除の動きは民間レベルでは結構以前から行われていて、分離発注方式とかスケルトン方式という方法で実施されていますが、この方法においては施主も王様ではいられません。それなりの努力が求められますので、それが障壁になっているのかも知れません。

20101016 『物語屋』という生き方③今後は行政も『新しいビジネスモデル』=『中間業者排除モデル』を推進していくでしょうから、もう少しこの手法が浸透するかも知れません。このモデルに文句を言うつもりもありませんし、少しでも安価な物を提供するという命題は時代の必然だとは思います。それはそれでいいのですが、卸・問屋という職業が単なるマージン搾取システムだと考えられているとしたら寂しいものがあります。住宅という産業の裾野は広く、実に多くの職種の人が関わりあっています。山で伐った原木が勝手に町の現場に飛んでくるわけではありません。誰かが集め管理し、乾燥させ加工し、運んでいるのです。しかし、山で伐られた木は驚くほど安いのに、末端の施主さんの木に対する感覚は今でも高価で手が出ない物、と大きな意識の乖離があります。それは中間に入る業者が介入しているから、だったらそこを排除しようという流れでしょうが、市場に求められない仕事であるのならば、消え往くのも仕方のない運命でしょう。

 

20101016 『物語屋』という生き方④その仕事が必要かどうかは市場が決める物ですから、今の立場の小売屋が生き残っていけないのならば、市場に求められる業態に変換していかなければなりません。こういう大きなモデルには登場もしないけれど、本物の木を求める方には必ず必要とされ、知る人ぞ知る会社になるという道があります。小さな小さな会社でも換わりのいない存在になる、そういう立場を目指さなければ未来はないと思います。物を動かすだけが商売ではありません。物と思いを届けるという『物語屋』という業態は、行政の皆さんには理解しがたい存在かもしれません。

20101016 『物語屋』という生き方⑤なにしろこれは数値に置き換わりませんから。合理化の中にあっては目障りな存在かもしれませんが、我々も生きてゆかねばなりません。排除される運命に抗って進化していかなければならないのです。ですからあえてこういう会議にも積極的に参加させていただき思いを語らせていただいているのです。行政の求められる意見と180度違うのは重々承知。それでも尚熱く語るのは、『いろんな子、いっぱいおってかまん、かまん』だから。森もいろんな木がないと元気が出ない、ましてや人間社会なおの事!言わずにおれるかっ!




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