森のかけら | 大五木材


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20101015 どうぞのいす2010①弊社の倉庫の一角に高く積み上げられた【桧】の耳付の板があります。1枚1枚丁寧に桟を入れて乾かし始めたのは、今年の6月末です。それから2ヶ月と少し、酷暑の夏のお陰ですっかり乾燥出来ました。長さは2m、幅は200~300㎜程度、厚みが45㎜程度のサイズです。愛媛木青協のメンバーである久万高原町の大野孝泰大孝木材)の所で挽いてもらいました。その数ざっと200数枚。桧の丸太を太鼓挽きに製材しているので、両方に耳が付いています。愛媛県は桧の生産量日本一なのですが、良質な桧の出材地でもある久万高原町でも製材工場の数は減少しているのが現状です。久万広域森林組合のような大量生産工場では、1本1本丸太の良し悪しを見極め、桧の化粧材を挽くのは難しく、本来小さな規模の工場の得意とするところなのです。

   

 

20101015 どうぞのいす2010②しかし、需要の絶対量が減ると、桧の化粧材の最大の見せ場である和室の出番も減り、その仕事も激減しています。節のない綺麗な部材が取れる丸太も、出番がなくては宝の持ち腐れです。ただ指を加えて住宅着工数の復活を願ってみても、その可能性は限りなく低いのも現実です。ならば節のないような材の有効な需要を創出していかなければならないと思うのです。大量製材工場では思いも付かない新たな「森の出口」を考えなければ、桧の無節も並み材の中に埋没してしまいかねません。さて、冒頭の桧の板ですが、これは俗に言う並材の少し上のグレードの丸太なのですが、素材そのものが良いのと、大野君の製材の木取りが巧みなので、結構節の少ない材が取れたりします。化粧材を挽く場合は、1本1本丸太の素性や癖を見抜き、どう挽けば節が出ないかを考えながらの仕事となります。大量生産の無人化した大型製材工場では決して出来ない職人技です。

 

20101015 どうぞのいす2010③その材をしっかり乾かして何に使うかというと、これが『どうぞのいす』の原材料になるのです。『どうぞのいす』とは、言わずと知れた子供向け絵本の大ベストセラーです。その出版元のひさかチャイルド社さんは今年創立30周年という事で、30周年記念フェアを開催中です。そのフェアの目玉が、絵本に出てくる『どうぞのいす』の実物を100名様にプレゼントです!実は、私の所属する愛媛木青協では平成16年から、絵本に出てくる『どうぞのいす』の実物を無垢の木で作り、県内外の幼稚園や保育園、小学校などの施設に無料でプレゼントしています。遂にその数も300を越えました。なお、この『どうぞのいす』活動は、個人の方を対象にはしていません。また一切の販売もしておりません。あくまでも、子供達の集う施設などを配布対象としております。

 

 

20101015 どうぞのいす2010④原作者の山 美子,柿本 幸造両先生とさかたチャイルド社さんのご了解を頂き、販売目的ではなくこの絵本を通じて子供たちに木の啓蒙と、譲り合いといたわりの気持ちを育んで欲しいという願いから、実物の『どうぞのいす』に、絵本、どうして私達がこの活動を行い、どうやってこの椅子が出来ているかを綴ったDVD、我々のメッセージなどを添えて子供達に届けています。愛媛木青協では長らく私が関わらせていただきましたが、世代交代もあり今年の担当は若手の石井和典君(鶴居商店)です。例年30~40脚の『どうぞのいす』を配らせていただいておりますが、今年は来月あたりから配布が始まるのではないかと思います。配布時期は詳細が決まれば、愛媛木青協のHPにアップ致します

 

20101015 どうぞのいす2010⑤毎年の配布とは別に、ひさかたチャイルドさんの『どうぞのいす』の実物を100名様にプレゼントの『どうぞのいす』も弊会に声をかけていただき、少しずつ作らせていただいています。材料は冒頭の久万高原町の桧を使い、下伊台町の障害者支援施設『いだい清風園』さんで加工・組み立てしていただいています。今年の春先から作っては、送らせていただいていますが、絵本の出版社さんとの不思議なご縁に感謝しています。その縁が元で、東京の演劇集団さんが弊社の倉庫で『どうぞのいす』の舞台公演まで実現できました。

この話長くなるので、今年の愛媛木青協の配布時期が決まった頃に改めてアップさせていただきます。




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