森のかけら | 大五木材


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早く駿府城跡を抜け出して大会会場へと向かわなければならないのですが、「」の名前に触れておいて、その材の事をスルーするのはあんまりだと思い、もう一日だけ栃のお話。本日は材としてのトチノキについてです。葉も実も大きな栃ですが、木としても25~30mにも達し、直径も1mを越えるものもあるなど、国産材の中でもその巨漢ぶりはつとに有名です。街路樹や公園木としてよく見かける栃は、それほど高くありませんが、そもそも水分の多い肥沃な土地を好むので、乾燥した街の中では大木を見かけることはないのでしょう。弊社の敷地に、自分の社長就任の記念樹として植えた栃もすっかり根付いて大きくなりました。春先になると清々しい緑が目を楽しませてくれますが、年々大きな葉をつけるようになりました。どうやら巨木になる素養はないようですが、これからずっと付き合っていくつもりです。

そんな巨木にも成長する栃の活躍の場は、テーブルや座卓でしょう。以前は「」の材料としても人気がありましたが、この辺りでは臼そのものを使う場面がすっかりなくなりました。こうして少しずつ適材適所たる森の出口が閉じられていくのは残念な事です。さて、国産材の1枚板で大きなテーブルを作りたいというオーダーに応えられる樹種には限りがあります。その中で材質も安定していて、幅の広い材が取れる木となると、その筆頭に上がるのがこの「栃」ではないでしょうか。

こちらが弊社にある最大の超巨大栃!わが娘が幼稚園の頃にモデルをさせましたので、その巨大さが窺えるでしょう。ただし、これだけの巨躯ですから全身にかなりの人(樹)生の歴史を刻まれていらっしゃいます。それも当然の事とありがたく受け止めていただく心の寛大な方との邂逅を待つばかり。さすがにこれだけ巨大な栃はそうそう出てくるものではありませんが、幅900㎜クラスであれば決して入手が難しいという樹種ではありません。ただし節も無い無傷となるとそれなりに高額になります!大きく成長する過程で現われてくる枝の足跡・節もその巨躯同様大きなものになります。私は、栃の節はそれなりに絵になると思っているのであまり気にせずダイナミックに取り込ませて使わせていただいています。いつもは管理が大変なので、倉庫の奥深くで眠っていますが、一度だけ光が当たった事があります。

それは、愛媛木材青年協議会で『どうぞのいす』を施設にプレゼントさせていただいている事がご縁で、6年前に(平成17年)東京の『劇団・』さんをお招きして、弊社の倉庫でお芝居を上演していただいた事があったのですが、その時の大きなテーブルに利用しました。まだ小学校に上がる前の息子が大の字に寝そべっているので、その巨大さが分かると思いますが、二股に変形した巨大な栃です。そのサイズや2200~3900×1800~2100×75㎜。もはやベッドです!

巨(おお)きなるものは、巨(おお)きなるがゆえに尊い。」図面の上で幅1mのテーブルを書き込む事はたやすい事ですが、いくら栃が大きく成長する木で、今でもキングサイズが出材されやすいとはいえ、いつでもどこにでもそのサイズが在庫されているわけではありません。巨きなる木にはそれなりの価値を見出し、なるべく育ったスケールに合わせた活用の仕方が肝要だと思うのです。上記の画像ほどではありませんが、こちらもかなり巨大な変形の栃。このサイズになると、さすがにそう簡単に出口があるわけではありませんが既に鎮座ましましておいでです。

ここは伊予市のレストラン『イル・デ・パン』さんの二階席。そのスケールでいつもお客様を楽しませてくれているようです。同じサイズのもう1枚は、ごく普通の(?)一般のお家でテーブルとしてお使いいただいています。こういうサイズのものって、相性の合う「奇特な(?!)持ち主」とうまく結びつかせてあげないと、こちらとしても胸が痛みます。残る巨大な栃たちもよい縁(えにし)があればと願っています。まあ、これだけのサイズになると、現場に納品出来るのかという物理的な事の方が重要になるわけですが・・・。

 




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