森のかけら | 大五木材


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20111206 1NKKにていよいよ『坂の上の雲』の第三部が始まりました。話はいよいよ日露戦争も佳境に入り、二百三高地の激しい戦線が舞台となっています。時代の荒波が主人公の秋山兄弟をはじめ多くの軍人・政治家・市井の人々を飲み込んでいきます。登場人物も膨大な数になってきて、人物相関図を頭に入れておかないと混乱してきそうです。西田敏行扮する高橋是清高橋英樹扮する児玉源太郎江守徹扮する山県有朋など脇を名優が固める中、柄本明扮する乃木希典は凄みがあります!

 

20111206 2少し前に雑誌で乃木希典の人となりを追ったルポがあって、興味深く読んでいたのですが、明治天皇の大葬が行われた日に妻とともに自刃し、その葬儀には数十万の国民が参列し「自主的に民衆が集った国民葬」と形容されたというエピソードは記憶に残っています。軍人に限らず、明治の日本人は誇りと矜持を持ち、凛としていたんだと思いますが、柄本明の演じる乃木将軍からもその雰囲気が漂っているかのようでした。展開はいよいよ、ロシアのバルチック艦隊出動!結果が分かっていてもドキドキします。

 

20111206 3そのままNHKを観ていたら、『坂の上の雲』の次の番組がNHKプロジェクト「証言記録 日本人の戦争」でした。何の予備情報も無しに何気にそのまま観ていたのですが・・・。あまりの内容に驚愕!実際に最前線で戦争を体験した方の証言を集めたドキュメンタリーなのですが、「未来に語り継ぐNHK戦争証言アーカイブス」と銘打っているだけに、その切り口も通常の戦記モノとは一線を画していました。 かの戦から66年。当時の記憶を語る体験者の高齢化が進み、番組に登場する方々も80~90歳。

 

20111206 4取材後数ヵ月後にお亡くなりになりましたというナレーションも何度かありました。まさにこの番組が戦争の遺言となった方もいらしたのでしょう。今まで報道がタブー視とされてきた戦場での人肉を食べたという証言や、ニューギニアで投降して捕虜になった方が、戦後帰国してからも「生きて虜囚の辱めを受けた」という責年思いから悔恨の人生を送ったという話や、国からの命令で指揮したにも関わらず良心の呵責に耐え切れず、戦後一切の交流を断ったという話など戦争の傷跡はいまだに癒えてはいません。

 

20111206 5ここで喋っておかないと、黙して棺桶にまでいかないという思いがあったのでしょうか、「家族にも話した事が無い。今初めて話す」と言って覚悟を決めて語り始める80歳を越えた元軍人の姿はあまりに痛々しい・・・。国の命令で本意でも無い戦場に駆り出され、戦後66年経った今でも苦しめられる戦場体験。それはあまりに悲惨で辛く取り返しのつかない疵。誤った「教育と思想」の恐ろしさに戦慄を覚えました合わせ鏡として『坂の上の雲』と一緒に観る意義は大きいと思います。未来に語継ぐモノには口に苦いモノもあります・・・。




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