森のかけら | 大五木材


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昔、この仕事を始めた時に年配の大工さんから、「いっぱい木を担げよ、担いだほど、触ったほど木が高く売れるからな」と言われたことがあります。その当時は意味も分かりませんでしたが、何度も担いだり触ったりすることで、パッと見には分からなかった傷や小割れ、節などが見えてきます。また逆に、木目の表情、木の素性など良さにも気づかされます。そして、担ぐだけで木の重さや雰囲気、質感などから良し悪しまで判断できるようになるということです。私は木に触る時は、なるべく素手で触るようにしています。これには異論があるかもしれませんが、手袋をはめて寿司を握る職人はいないとう考え方です。考え方が少し古いのかもしれませんが、これは自分の信条なので何を言われても構いません。

それそれでいいのですが、素手で触っていると痛い目に会う事も少なくありません。帯鋸で挽いた材の表面はザラザラしていますが、乾燥することによって毛羽立った『そげら』が更に硬くなり、掌に突き刺さることがあります。〔と、ここまで書いて『そげら』が伊予の方言であったことにショックを受けてしまいました!〕刺さるといっても実にいろいろなパターンがあります。ザックリいくパターンの代表格には、【ベイマツ】を挙げたいと思います。私の経験上、【ピーラー】のような目込みの物よりは、俗に『パラ目』と呼ばれる目荒材の方が痛いです。材に対して斜めに浅いクラックが入っている時が危険です。サクッとした感じで弾けて、ザクッと刺さりますが、厄介なのは刺さった根元で簡単にポキンと折れることです。抜こうと思ってピンセットでつまんでも、すぐにまた折れてしまいます!深いときは、かなりえぐって取り出さねばなりません・・・痛っ!

細くて鋭利に痛い代表格はいろいろあるでしょうが、ここは地味ながらあえて【ラワン】を挙げさせてください。えっ、いつ刺さったの?というぐらい細くて地味に刺さるのですが、指の爪と皮膚の間とか、強烈の痛い部分に刺さります!線が細いだけに結構深くまで刺さることもあります。抜く時は一気に引っ張ると抜きやすいのですが、深く刺さっている時の痛みは半端ではありません・・・痛っ!

それと、荒材ではありませんが意外ながら【杉】のそげらも強烈です。よく乾燥した杉をプレーナー加工した後、サンダー加工をしているとよく木裏の木目が竹の子状に剥がれる事があります。これは、痛いです、底抜けに痛いです!あと、アフリカ材はワイルドに痛いです!例えばモアビとかオバンコールとかゼブラウウッドあたりは、そげらにも強度があります。職種などによって、痛い木はさまざまでしょうが、それぞれに【思い出の痛い木ベストワン】はあると思います。環境や加工の種類などいろいろな条件があるでしょうが、【痛い木ベストワン】を調べてみるのも面白いかも?

20090627-e5ae87e5ae99e688a6e4ba89深く刺さって皮膚の中で折れて取り出せなくなったと時は、ひたすらにある映画の事を思い浮かべます。その1本はS・スピルバーグ監督のSF映画『宇宙戦争』です。攻撃性の強い宇宙人がある日、地球に侵略戦争を仕掛けてきます。その凄まじい破壊力に、人間は手も足も出ません。このままでは地球は侵略される・・・えっ!時間もそろそろなのにどうやってクライマックスまとめるの?すると意外な結末で地球は救われるのですが、ネタばれすると悪いのでぼやかしますと、それは冒頭部分で主役家族の娘の言葉にヒントが隠されています。人間の体は侵入した異物を対外に押し出そうとする力が働くのです。事実、奥まで刺さり抜けなくなったそげらが、ある日突然ピュっと皮膚から押し出された事もあります。この瞬間はなかなか爽快です!

是非、あなたの痛い木ベストワン】を教えてください!面白痛いエピソード付きで!




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