森のかけら | 大五木材


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20120426  1クロモジの名前の由来は、樹皮上の黒色の斑点を文字になぞらえたものだという説が有力。またクロモジの古名である「黒木」(見た目通り)が転化してクロモジになったとも言われていますが、いずれにしても万葉集にもその名が登場するぐらいですから、古くから日本人には馴染みのあった木という事です。その実用例の最たるものは、皮付きの高級爪楊枝でしょう。手間隙のかかる作業でしょうが、その芳香を愉しむ先人たちの粋な心意気が垣間見える素敵な『出口』だと思います。

6お茶屋さんなどで和菓子にクロモジの楊枝が添えられたりしているとちょっと得した気分になったりします。北海道以外の全域でその分布が見られ、各地で爪楊枝などに利用されていますが、あまり直径が大きくなると芳香が弱くなるとかで、萌芽後3年目ぐらいのモノが適材だとか愛媛県のある地域では、嫁取りのスミ籠をクロモジで作った天秤棒で担ぐと縁起がよいとされていて、実際に利用されていて記録もあるそうです。この中村屋さんではクロモジを7年間も干して乾燥させられていました。

20120426  3そのままでは何の匂いもしませんが、それを木槌で砕くと途端に芳ばしい香りが鼻腔を刺激します。それを色とりどりの可愛い巾着に入れて販売されていましたが、素材のままのものもありました。手が伸びかけたのですが、爪楊枝や箸の他にも、小枝や葉を水蒸気蒸留して香油を採取し、香水や化粧品、石鹸の香料となるなど末端まで『出口』は完璧で、新しい出口がひらめかなかったので、今回は(勇気を出して)思いとどまりました・・・。

 

20120426 4日本人との付き合いも長く、その用途も生活に密着しているクロモジはエピソードも多く『語れる木』のひとつなのですが、それゆえに用途も徹底的に開発されているようです。クロモジに限らず強い芳香を持つクスノキ科の木は、材そのものよりも香りをうまく利用してきた歴史があります。東京・日本橋には創業300年を誇る日本で唯一の楊枝専門店もあるようです『株式会社さるや』さん。小さな小さな爪楊枝ですがその歴史は長く、奥深いものがありそうです。小枝とはいえ材料の確保も大変でしょう。

 

20120426 5どの用途にでも思うのですが、最初にその用途に気がついた人は素晴らしいと思います。たまたま偶然という事もあるのでしょyが、きっと多くは日頃の観察の積み重ねではなかったのではないでしょうか。注意深く観察することで新しい出口も見えてくるのだと。自分で蒸留とかまで出来れば、本当の端材の端材まで無駄なく活用できて、更なる『モッタイナイ道』が開拓出来ると思うのですが、さすがに自分でそこまでは・・・嗚呼、香りの『出口の入口』とうまくつながらないものかしら・・。




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