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ひと口に『端材(はざい)』といっても、その形状はさまざまです。端材というのは、家具や造作材を木取りした残りの材料の事で、決して『廃材』ではありません。取材を受けたりすると、よく端材と廃材を混同して使われることがあります。「廃材を使われるんですよね~」・・・『廃材』とは、辞書によると「使えないもの、役に立たないもの、不用なものとして廃棄された材木、材料の事とあります。「役に立たずに破棄されたモノからものづくりをさえるなんて凄いですね~」・・・・複雑な心境ですが、そういう現実。
一度何かに作られたのだけれど、寿命がきたり不用になったり使い物にならなくなって棄てられた廃材を再利用している・・・という方が物語が膨らむのかもしれませんが、実際はそうではありません。廃棄され処分場に棄てられるものを拾ってきたものづくりをしていると思われるのは心外です・・・まあ、そう思われても仕方ありませんが。あくまで、長さや幅をカットした時に発生した『端材』が主原料なのですが、廃材も端材も同じようにしか見えない方にはいくら説明しても真意は伝わりません。
もともと万人に分かってもらおうと思ってなどいませんので、そんなわずかな違いどうでもいいじゃないかと思われる方にはどうでもいい話です。ただ、人が何にこだわり執着するかという根源が分かっていないと、その人の作るモノの意図が届かない事もあるのではないでしょうか。ところで話は冒頭に戻って、その端材の形状ですが、一見バラバラで統一感の無い端材も、『かけら流』に幾つかのカテゴリーに分類できます。それほど大きな商品は作りませんので、まず長さは無視して基準は厚み。
60㎜ぐらい厚みのあるモノは、『森のたまご』と『森のしるし』(意外でしょうが、まず棒状に削ってから薄くカットしていくので)、『円き箱』に。もう少し薄くて50㎜前後は『森のこだま』。45㎜前後は『森のかけら』に加工します。45㎜厚みでも幅の幅の広いものは『丸膳、角膳』。厚み30㎜ぐらいになると、再割して『円い森』。もっと薄いものは『木言葉書』という具合に、微妙な厚みの違いでそれぞれに『出口』が用意されています。商品アイテムが増えた分、一層効率的に端材が使えるようになりました。短くて細い棒状のモノは『モザイクボード』という出口が出来ましたので、骨の髄までしっかりとしゃぶり尽くして味わう事が出来るようになりました。それにしても数年前までは、ゴミ同然だったものがえらい変わりようです。そこに使えない端材はない。使えないアイデアがあるだけだ!
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