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昨日に続いて『間伐材』の話です。主材ですら利益を出すのが容易ではないわけですから、ヒョロヒョロで曲がりくねったような未成熟の木は、間伐されても山から市場に出しても赤字になるだけ。伐採した材を原木市場まで運んでいく手間を考えれば、伐ったままそこに放置して土に還らせた方がいいとなるわけです。それが昨今の『切捨て間伐』です。一般の方のイメージする『間伐材』は、その『未利用材』の事だと思います。それを利用すれば無駄がないという考え方には一理あります。
林業家にとっても、それがお金になるなら言う事はありません。お互いにメリットがあります。ただし、『間伐材』利用者側のロジックの多くには、『通常利用できない材なんだから当然普通の材より安いはず』という前提があります。しかし前述したように、立派に育った主材ですら利益が確保できにくい状況で、曲がった未成熟材が原木市場で叩かれるのは当然。結果、赤字になるのが分かっているのであれば手間隙掛けてわざわざ山から出さないのはものの道理。
網で一網打尽にする魚の漁であれば、とりあえず網は揚げなくてはならないわけですから、揚げた魚のうち種類によっては安くても売れればお金になります。しかし、小さくとも山から出すにはそれなりの重機を使い、大型車で数十キロも離れた市場に送り、そこから更に製材所で製材し、小分けして加工されるまで何人もの人の手を介さなければ商品にならない木材にとって、身近に見える裏山の木ですらも、『材』として考えれば実は相当な距離感のある存在なのです。
ですから『間伐材』が安価だというのは、実は現状の木材流通システムにおいては誤った認識なのです。間伐材を使ってやろうという考えはありがたいものの、主材ですら価格が低迷して安いのですから、むしろ主材を適正価格で買って利用していただく方が嬉しいというのが本音です。各種イベント・グッズやノベルティ商品では、錦の御旗のように『間伐材』の言葉が踊りますが、堂々と『必要があって山から木を伐り、適正価格で仕入れてこの商品を作り販売し、森に貢献しています』というフレーズがあってもいいと思うのです。
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