森のかけら | 大五木材


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20121230 1昨日の続きで、瀬村製材所と南洋材の話ですが、先日入荷していたのは『アピトン』の原木。アピトンにしては、決して大きなモノではありませんが、今はこれでも充分立派なサイズ。大きな木にはそれなりの敬意を払い大切に使わせていただかねばなりません。瀬村要二郎兄貴には【森のかけら】についても絶大な理解と協力を得ていて、珍しい南洋材が入荷した際には必ず声をかけていただいているのですが、南用材の入荷量は年々減少の一途を辿っています。

 

20121230 2そんな中においてありがたいのは、兄貴の所に南用材の樹種を問わない注文が入る事。梱包材や、愛媛で盛んな(今治地区の)造船の仮止め材などとして、重量感のある材『イエローハートウッド』や『バーケラ』、『ヘリチエラ』など、ある意味探そうとしたってそう簡単には手に入らない材が揃う事は【森のかけら】にとっても非常にありがたい事です!水に沈む『シンカー』系の材が多く揃う事も魅力。特徴ある材が身近にあった環境は、私を『世界の木』へ開眼させてくれました。

 

20121230 3国産針葉樹ではありえない大きさの原木を見ていると、OO産でなければならないとか、OO地域の木でなければならないという「こだわり」が小さな事に思えてしまいます。この星の『地球産材』として、どこの国のものであれ、その端材のひとかけらまでもが愛おしく思えてきて、大切に使わせていただかねば申し訳ないという気持ちになり、思わず背筋が伸びます。隣に並べた軽四トラックと比べてこの大きさですから、おのずと材に刻まれた風格もにじみ出てくるというもの。

 

20121230 4アピトン』については、優れた耐久性や強度を活かした用途に用いられています。トラックの荷台床材やフローリング、ピーリングなど。伺った時も大型トラックの渡り板が挽いてありました。スギヒノキでは重機の重量を支える事は出来ません。材にはそれぞれに特徴があります。近くで入手出来る材を有意義に使うことは大切ですが、特性に合致した材を使ってこそ木である事の意味も出てきます。例えばアピトンが入手出来る環境があったからこそ、アピトンという需要が生まれました。

 

20121230 5その環境が無ければそれなりに代用材が定着していた事でしょう。中には外材の輸入によって国産材の出番が失われたと言う方もいますが、そんな甘いものではないと思います。それはあまりにも材の特徴も個性も無視した暴論。その用途にその材の特徴が合致したからこそ、その材の出番が定着したのであって、そこにはそれに関わる人々の不断の努力あってこそ。ただ木であれば何でもいいというわけではなくて、その木でなければならない必然を語ってこその「材木屋と木の仕事」。




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