森のかけら | 大五木材


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20130223 1話は戻って、やっぱり木になるのは豆の成長力。具体的なモチーフは定かではなくとも、マメ科の成長スピードが由来していることには間違いありません。どうしても子どもの頃に読んだ絵本の挿絵のイメージと、自分達が食しているインゲンマメとかエンドウマメの印象が強すぎて、ヒョロヒョロの蔓をつたっ登って大丈夫だろうか?という心配していたものですが、ひと口にマメ科の植物と言っても、蔦性の弱弱しいものから紫檀ゼブラウッドをはじめ重硬で堅牢な逞しい木まで幅広く存在します。

 

20130223 2その中には、『オーストラリアンビーンズ』というマメ科の種類もあり、こちらも別名で『ジャックと豆の木』とも呼ばれているそうで、私も以前知り合いからもらって育てたことがありますが、雲まで届く前に枯らしてしまいました。子どもの拳サイズの豆(?)が割れてそこから芽が出て成長するのですが、その様子が面白く、小人視点で見ればまさしく小さな『ジャックと豆の木』!今はホームセンターなどでも普通に販売されていて、観賞用に改良されているらしいのですが、本来は樹高が40mにも及ぶという高木で、オーストラリアやパプアニューギニアなど亜熱帯地方に自生しているそうです。この植物、他にもオーストラリアンチェスナッツ、、マジックシェード、グリーンボール、アマゾンエッグ、ジャイアントビーンズ、ラッキービーンなど多彩な名前を持っているようで、想像力を膨らませてくれるマメ科の仲間です。

 

20130223 3世界は広い、自分の常識だけで計っていてはとんでもない目に遭います。タイには、巨大ツルの1mを超える莢の豆をつける『モダマ』という巨大なモノが森の中をのた打ち回っているそうで、カメラもビデオも無い時代、遠く東南アジアの山奥でこのモダマに出会った話に尾ヒレ背ヒレがついて、『天まで届く巨大豆の木』に成長したのかも?!学者や研究者は論理的な説明を求めたがりますが、目に見えるものばかりが存在するのではなく、人の心の中にも怪物や巨大生物は生きているのです。

 

20130223 4先日、博物学者&小説家&収集家&神秘学者&妖怪評論家にして知識の巨人・荒俣宏氏が、テレビでこんな事を語っておられました。『名前がついているものは、我々人間にとって「いる(存在する)」という事でいいんじゃないだろうか。人間にとっているかいないかということと、客観的物理的に存在するかどうかという事は別だと思う。』この考え方には激しく共感しました。龍や妖怪がそうであるように、人が語りつないでいくものには、命が宿り「存在」していくのだと思うのです。

 

20130223 5なので、当然『ジャックと豆の木』の巨大豆だって、物語が語り継がれていく間はまぎれもなくこの地球上に存在する植物なのです。昨今の子供達は、グリム童話やアンデルセン童話はおろか日本の童話すら読んでいない子が多く、木の授業をさせていただく時に呆然とする思いになります。巨大豆の木は水や肥料で成長するのではなく、人が人の口で語り継ぐ中の、驚きや笑い声を糧に成長するのです。巨大豆の木を枯らすようなモッタイナイ事をしてはいけない。さあ、肥料をあげましょう!




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