森のかけら | 大五木材


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奈義町は菩提寺の大銀杏、1日で語り終わるにはあまりにもったいないので後編。近づいてよく観察してみればさすがに900歳のご老体、至る所に寄る年波の衰えが伺えます。老木のイチョウになると、俗に『イチョウの乳』と言われる、幹や枝からの気根のような垂れ下がりが見られますが、この大銀杏にも沢山の『』がありました。そのお乳を束ねた大きな枝(幹並みの!)は、自重に耐え切らず、鉄の補強が施してありました。老木にはつきものの補強ですが、それがかえって痛々しくもあります。

このお乳のお陰で、イチョウにには子育てやお産に関する伝説や言い伝も全国各地に沢山残っていて、洞に子安地蔵などを奉っていたりしますが、この大銀杏の根元に開いた洞にもお社が奉ってありました。イチョウそのものは長寿の木で、条件次第では1000年ぐらいまで生きるともされているようですが、その生い立ちも神秘的で、この大銀杏は法然上人が刺した杖が芽吹いたとされていますが、同じような話は多く、東京の善福寺の逆さ銀杏は、親鸞聖人が刺した杖が育ったものだとか

長寿の木は、長く生きているというそれだけでもう尊いものなのです。大銀杏の足元には数枚の葉が落ちていました。俗説に寄れば、この形であれば雌のという事ですが、実際にはの大銀杏は雄でギンナンも出来ないとか。一方で、お乳は木質で澱粉を含んだ栄養分の貯蔵場所のようなものらしいくのですが、それは雌雄の別なく出来るとも、雄株だけに出来る特有のものとも意見が分かれています。どちらが正しいのか?あるいはイチョウも巨木になると性も超越してジェンダーフリーになってしまうのか?

さてこの巨木、これまでの画像ではいまひとつ凄みが伝わりづらいと思い、ベタではありますが大銀杏の前で子供たちに手をつながせてみました。解説によると、目通り12メートル、高さ45メートルという事ですから、小さな子供だと10人ぐらい手をつながないと囲めない大きさという事です。枝の張り具合といい、垂れ下がったお乳といい、やっぱり妖怪のような趣きが漂います。秋になるとさぞかし鮮やかな錦秋の黄葉を見せてくれるのでしょう。その落ち葉の量も半端ではなさそうで、掃除してもしても追いつかない事でしょう。更にもしこれが雌株でギンナンがたわわに実ったりすれば、その匂いたるや相当のものだと思われます。それでもギンナン拾いの人が殺到しそうですが・・・ありがたいものを拝ませていただきました。旅の僥倖です。

 




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