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毎年恒例の消防団の夜警に参加。辺りが暗闇に包まれる中、車庫の奥に鎮座まします赤いメタリックボディーを見ると、いつも思い出す1本の映画があります。それが、モダンホラー小説の巨匠、スティーブン・キングの作品の中でもひときわ異彩を放つ、車が意思を持って人を襲うという『クリスティーン』。のちに、これまたホラー映画の鬼才、ジョン・カーペンターが映画化して、両巨頭のマニアの圧倒的な支持を受けてカルト化した作品で、私も何度も何度も繰り返し観ている大好きな作品です。
スティーブン・キングとの最初の出会いは、子どもの頃、深夜にテレビで放送していた映画『キャリー』です。一切何の予備知識もないままに、独り夜更かししてリビングで観ていたのですが、冴えない主人公のキャリーが、華奢で挙動もおどおどしていて、常におびえた表情をしていて(いじめられっ子という設定なので)、これはちょっとやばいぞ~という雰囲気を醸し出していました。私は決してホラー好きではなくむしろ苦手だったので、途中で何度もスイッチを切ろうか悩みながら・・・
後半、キャリーが豚の血を頭から大量に浴びるという場面も何とか乗り越え、最後まで観終えたぞ・・・と思ったラストに!!ビクッとなって本当に床から飛び上るほどの恐怖を感じるシーンがあって、しばらくはそれがトラウマになって、他の映画を観ても最後まで安心する事が出来ませんでした。ちょっと話が脱線しましたが、学生の頃の一時期、ホラー小説は苦手ではあるものの、日本のホラー小説のようにドロドロした因習のある暗さと違った乾いたキングのホラー小説にはまりよく読んだものです。
主人公が超能力とか未知の能力などを持っているという、ちょっと現実感の少ない設定もあって、横溝正史や江戸川乱歩などの湿った感じの生活感溢れまくりの日本の小説よりも安心して読むことが出来ました。ところで、話をクリスティーンに戻しますと、映画に出て来る車は廃車寸前の58年型のプリマス。車に疎い私にはそれがどういう価値を持つものなのかさっぱり分かりませんが、主人公のアーニー(こちらもいにめられっ子という設定)は、えらくこのプリマスに惹かれます。これが赤い悪魔だとも知らずに・・・明日に続く。
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