森のかけら | 大五木材


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20150105  1 遭難こそしなかったものの翌日は凍傷ならぬ筋肉痛に・・・。『八甲田山』は1977年度の日本映画の興行成績で日本一に輝いたものの、豪華出演者、長期ロケといった撮影規模の割には、製作費が三億円という低予算で、現場では『ひとでなし逸話』も数多く残されています。中でも、鬼カメラマンの異名を取る撮影監督木村大作にまつわるエピソードは凄まじく、あまりの寒さに動きの鈍った俳優たちを鼓舞するために、極寒の十和田湖に自ら飛び込んだ!という自殺まがいの無謀な行動。

 

20150105  2その狂気は、スタッフたちにも伝染していき、俳優たちは連日撮影前に衣装に水をかけられ、凍った軍服を着せられた上に、更に雪をかけてリアルな寒さを演出したとか・・・。以前このブログで、突き抜けた狂気の監督と役者という事で、ヴェルナー・ヘルツォークとクラウス・キンスキーの事を書きましたが、あちらは、熱帯のジャングルの灼熱の熱さの中で身も心も狂ってしまいましたが、『八甲田山』は正反対に極寒の寒さの中で思考回路が凍りついてしまったのでしょう。

 

20150105  3現場の狂気を、映画というフィルターを通して観る事に観客にしてみれば、その狂気が凄まじければ凄まじいほどに興奮し熱狂するのです。フィルムに記録され編集された時点ですべて虚構のドラマを盛り上げるための演出でしかないのです。だから本来私としては、NGシーンをサービスのように付けるのは興醒めでナンセンスだと考えています。さて、この映画で極限状況に憑りつかれてしまった人々は、懲りることなく何度も同様の危険で狂おしい現場へと導かれていきます。

 

20150105  4その後監督の森谷司郎は、大正時代に木曾の駒ヶ岳で実際に起きた学生と生徒の遭難事故を描いた『聖職の碑』を撮ります。こちらも小説化したのは新田次郎ですが、この本は昔保母をしていた母親に薦められて読んだ記憶があり、しばらくは、先生は職業を超越した聖職なんだと信じてやみませんでした。その後も森谷監督は、漁夫が絶海の孤島に流される『漂流』(原作は吉村昭、その主役もこれまた狂気が伝染した北大路欣也!)、健さんと組んで青函トンネル工事を描いた『海峡』・・・

 

20150105  5などなど追いつめられた環境での骨太の人間ドラマを描かせれば右に出るものはいない『極限状態映画の巨匠』の地位を確立したのです。なにせその前には『日本沈没』を撮り、最後は『宇宙からの帰還』(立花隆の原作(ノンフィクション)は、私を宇宙浪漫に開眼させ、〔神=創造主〕の存在を信じるようになったバイブル!)の映画化を準備中にお亡くなりになった方ですから。そのため映画『宇宙からの帰還』は、原作の面白さがまったく反映されないただのドキュメントフィルムになっていたのは返す返すも残念。もし森谷司郎が生きていれば、きっと原作を大幅にリライトして、『ゼロ・グラビティ』や『アポロ13』のような息づまる壮大なドラマに仕上げた事でしょう。究極の極限映画を撮りあげてほしかったものです。当然その時は、実際に宇宙ロケが行われ、宇宙ステーションでのドラマを、宇宙空間に飛び出した木村大作がカメラに収めていたはず・・・収拾つかず更に明日へ。




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