森のかけら | 大五木材


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Exif_JPEG_PICTURE昨日紹介した『W3-C』で開催された『音と森との交流会』。井部健太郎君とは数年前から一緒に木材の新しい出口を探してきました。【森のかけら】などを通じて、従来の建築材・家具材以外の新しい森の出口を作って行こうと試行錯誤していた私と、従来の林業経営に疑問を抱き、自分らしい、久万の山らしい持続可能な林業が出来ないものかと模索していた井部君の方向性が重なり、幾度となく話をしてお互いの出口を確認したりアドバイスし合ったりしてきました。長い時間をかけて構築されたのが『黄金の森プロジェクト』。

 

Exif_JPEG_PICTUREそれは単に林業とか自分の所有する山の事を考えるのではなく、山を取りまく自然環境全体、ひいては町やひとなどコミニュティ全体の事を考えて、自分がする事が全体のプラスになる方向に向かう事。数十年という長い時間をかけて行われる林業は、カイワレ大根のような即席栽培とは違い、数十年の間に激変するであろう経済事情やライフスタイルにすら耐えていかねばならない宿命にあります。しかしそれは翻れば流行に流されない絶対的な普遍価値を持ち、万人に受け入れられる素晴らしい資源でもあるという事です。

 

20150328 4その森が成長する長い年月、それを見守るひとはどう成長してきたのか?戦後植林された木は70年という歳月を経て、立派な大木に成長して今まさに実りの収穫を迎えようとしています。しかし現状は、植林した先人達の願いとは少し違う状況にあります。立派な大木を育てれば付加価値がついて高価な値段で取引されるという暗黙のルールは、人口減少による住宅着工数の激減、CLT(Cross Laminated Timber)などの技術開発により必ずしも大型物件に大木が必要とされなくなりつつ中で、大木至上主義は崩壊しつつあります。

 

Exif_JPEG_PICTURE大きな木は小さく加工できるが、小さな木は大きくできない』というのが大木至上主義の根幹をなすものでしたが、それはあくまでも大木が必要とされ、そこに価値が見出されていることが前提でした。そこには供給と需要のバランスがあり、希少な広葉樹においては今でも広葉樹では大木至上主義は生きています。大木だけでなく、かつて永遠に継続されると思っていた住宅分野における木の価値観(特に構造部材)は大きく変わりつつあります。その中で材木屋が木に対する価値をどういう風に作っていくかという事が大切になります。

 

Exif_JPEG_PICTURE私は木の価値には2つあると考えています。上述したのが『経済価値』と考えるならば、時代や経済状況いかにが変化しようとも決してぶれるこのとないのが生命に対するピュアな『生命価値』。数十年も生きた生命に対する敬愛の念であり、大きなる物に対する畏怖の念、それは貨幣価値ではなく地道に時間を重ねた日々の中で生まれてくる感情。それは時代が変わろうとも決して変わる事のないひとの生き方、付き合い方、繋がり方とも共有するものです。その物差しで森を考える事は生き方そのものを考える事に繋がっていきます。更に明日へ・・・




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