森のかけら | 大五木材


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20160823 1人間、馴れとはえらいもので日々の小さなことの積み重ねが考えられないような能力を身につくることもあります。ちょうど先日、マーリンズのイチロー選手が、大リーグ通算3000本安打の大記録を達成したばかりですが、私が言っているのはそんな偉大な業績のことではありません。決してメディアで華々しく取り上げられることもなく、何の役に立つのかも分からないような地味で、市井の名も無き職人が黙々とこなす作業のルーティンの中からも人知を超えたような能力が生まれるもの。

 

20160823 2ひたすら毎日金属を同じ微妙な形に研磨・成型したり、フリーハンドで精密な円を書き入れたり、㎜単位以下の微調整を掌の感覚だけで見極めたり、日本のものづくりの現場を支えるのは小さな町工場の熟練された技術力に他ならない。ハイテク商品の小さな部品のひとつが実は町工場の職人技に裏打ちされたものであることも多い。日々繰り返される作業は頭ではなく体に染み込まれて、通常では考えられないような卓越した感覚が生まれる。そういう技術を職人技と呼ぶのだと思う。

 

20160823 3そんな高度な職人技と比べようもないものの、ひとつの事をやり続けることで身につく感覚ということでは、少なからず私にも心当たりが・・・それがこの『森のしるし』のスタンプ押し。丸い台木に家紋などをスタンプしていく作業なのですが、相手が紙ではなくて木であるということもあって、それなりに力がないとインクが乗らないため、こういう単純力作業は私の担当。当初は円のセンターを見極めるのが出来ずに、家紋が中心からずれたりインクにムラがでたりと失敗ばかり。

 

20160823 4成功品とほぼ同数の失敗品が生まれてしまうほどてこずりました。簡単な事じゃないかと思われるかもしれませんが、枠や囲みのないデザインなら難しくもないのですが、家紋の場合その多くに丸枠がついていて、丸い台木に丸枠のスタンプを押すと微妙なズレでもすごく目立つのです。なので丸柄が続くとかなりプレッシャーになり、微妙な指先のバランスを崩して今までにどれほどの数の失敗作が生まれてしまったことか。それでセンターが出せる木枠の治具を作ってみました。続く・・・




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