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イタヤカエデの話の続き。国産のカエデをどう使っているのかは、今はまだ明かせませんが、実際に自分のところで最終商品を作るようになって改めて、木材って捨てるところなんてほとんど無いって実感します。造作材などを製材所に注文する場合、以前はほとんどがメートル単位でしか受けてもらえませんでしたので、実際には2.1mしかいらない時でも3mで注文して、現場で2.1mにカットしていました。そのカットした残りは、結局廃棄されたりして、モッタイナイなあと・・・。
今では端数で対応していただく製材所も増えましたし、たとえカットロスが出たとしても出口は無数に用意してあるので、きっちり骨の髄までしゃぶり尽くさせていただきます。むしろそちらが足りなくなってきているぐらいなのですが。まあ、そういうことで今回のイタヤカエデもキッチリ最後の最後まで利用致します(なんとそのおが屑までも!)。ところでカエデの特徴については、メープルの項でも何度か紹介していたので、内容が重複するかもしれませんが改めてご紹介。
カエデ科の木は、北半球の温帯におよそ150種も分布している大家族で、園芸品種まで加えるとその数は200種にも及びます。大きなものになると直径1m、高さ20mに達するものもあるそうですが、私は一枚板のテーブルにんまるようなサイズのカエデにはお目にかかったことはありません。どちらかというと、床の間の落とし掛けとか、表面の凹凸や縮み杢を利用して装飾的に使うケースがほとんどなので、割と小さなサイズのものしか扱ったことがありません。
見た目以上に重たいこともあるので油断大敵です。さて、イタヤカエデという名前ですが、「葉がよく茂って、まるで板屋根のように雨露を凌いでくれる」のが名前の由来とされています。つまり板屋楓(イタヤカエデ)。これがほぼ定説のようになっていますが、一方でその由来をイタヤカエデから採られる甘い糖分を含んだ樹液を母なる乳とみなした命名だと主張する説もあるようです。楓糖を採取するカエデとしては、サトウカエデが有名ですが、イタヤカエデからも楓糖は採れるそうです。
そこから、イタヤというのはイタヤニの略語で、イタはイチ、つまりチチ(乳)。母なる乳房から出る甘味と連想して、「甘いヤニ(樹液)」が採れる木という意味で、イタヤカエデと命名されたというもの。またその他にも、大木になることから、大きな板材として利用されることがあったので、単純に「板の木」という意味でイタヤカエデという名前がつけられたのではという説もあります。いずれもイタヤカエデの前半のイタヤ部分についての命名の由来でしたが、明日は後半のカエデについて。
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