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先日、あるご縁から香川県小豆島産のオリーブの端材を分けていただきました。四国では小豆島といえばオリーブの島といってもいいぐらい特産品として定着していますが、他の地域の方にとっては『二十四の瞳』の島というイメージが強いかもしれません。戦争が終わって7年後に女流作家・壺井栄が発表した小説『二十四の瞳』は、瀬戸内海べりの一寒村を舞台に、戦前から戦後まで時代のうねりに翻弄された12人の生徒と赴任してきた女教師の心の触れ合いを描いた名作。
その後、何度も映画やテレビドラマになって多くの人の涙を誘いました。1954年に巨匠・木下恵介監督が高峰秀子主演で1回目の映画化をしましたが、私はそれをまだ10代の頃に観ました。モノクロでしたが、戦前の平和な時代に、小豆島の美しい自然の中で子供たちと触れ合う姿が繰り広げられ、正直つまらない映画だと思って観ていたら、戦争が始まり小さな島にも軍靴が迫り、成長した少年たちは戦場へと駆り出されその多くが戦死し、大石先生の夫も亡くなります。
前半の緩やかで牧歌的な雰囲気からドラマは一変。戦争が終わり大石先生は再び学校に戻ることになる。そして、かつての教え子たちが開いた同窓会に招かれる。その席には戦争で失明した、子供のころお調子者だった磯吉の姿もある。磯吉は思いで深い学生時代の写真を指差すが、その位置はずれて皆が涙を流す・・・もうこの場面で涙を禁じえませんでした。激しい戦争場面はなくとも戦争の悲惨さを激しく訴える名場面で、私の心にも深く刻まれることになったのです。
2度目に映画化されたのは、私が大学時代で、監督は朝間義隆、主演は田中裕子でしたが、木下恵介版ほどの感動はありませんでした。小説ではそもそも「瀬戸内海べりの一漁村」という設定で、島の名前は特定していなかったそうですが、作者の壺井栄が小豆島出身だったことから、二十四の瞳といえば小豆島と認識されるようになったそうですが、今では映画のロケで使われた廃校舎が岬の分教場として観光地化されるなどして、多くの二十四の瞳ファンが訪れています。
私も若い頃に家内と何度か尋ねたことがあります。島なのでフェリーに乗る必要があるのですが、高松市からおよそ1時間ぐらいかかったと思います。それからずっとご無沙汰していたので今は交通アクセスなどどうなっているのか分かりませんが、今回のご縁でまた行きたくなりました。ところでその小豆島町にはオリーブ課があって、オリーブを活用した地域振興及び産業連携、情報の発信などを行われています。小豆島がなぜオリーブの産地となったかという話は明日・・・
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