森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。
 
少し前に弊社の南隣の会社の事務所兼倉庫が解体されることになって工事が始まったという話をアップしましたが、その後工事は順調に進み工事は完全に終わりました。大きな重機の爪が勢いよく鉄骨をもぎ取って、地面のアスファルトを砕くこと数日、自宅に居た子どもがすわ地震かと慌てて家から飛び出したほどの振動に、うちの会社でも低周波振動のように揺れがずっと続いていました。大きな解体音と揺れで、否が応にも「建物が取り壊されている」という事実を実感せずにはいられません。

事務所の勝手口を開けた目の前2、3m先が解体現場で、自宅は会社のすぐ裏にあるので、自然と解体現場を毎日眺めることになります。なので、工事の進捗状況が手に取るように分かるのですが、私がここに移り住んだおよそ30年前から在った建物が解体されていく様子は、なんだか複雑なものがあり、毎日昼に食事をとるために自宅に戻った時に2階の窓から、その記録を収めておこうという気分になって、それから数日は同じ構図で、隣の会社の最後の姿をカメラに収めるのが私の習慣になりました。

それと、今まで決してその角度からは見ることのなかった風景が突如見えるようになるというのが妙に新鮮で、小さな男の子が電車の窓からいつまでも飽きずにずっと無心で外を眺めているように、およそ30年目にして初めて見る風景に見入っていました。その会社と弊社を区切っていたブロック塀も完全に取り壊されると、いよいよその全貌が見えて、お隣さんってこんなに広かったんだと軽い驚きもあり。工事もいよいよ最終工程に移ると、現場から1台また1台と重機も撤収されていきます。

もっと日数もかかると思っていたのに建物が崩されてからは、最終的に整地されるまであっという間でした。日頃は、モノを造る仕事をしているので、モノが壊されていく仕事を目にすると、それが別に自分と関わりないものであっても切ない。解体は、その後にまた新たなモノを生み出す『再生のための儀式』ではありますが、直接的な意味での作る仕事と壊す仕事のモチベーションってどんなんだろう、なんてことを解体現場で働く作業員の方たちの背中を見ながら考えたりしたのでした・・・。




オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2024年5月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
Scroll Up