森のかけら | 大五木材


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お隣さんがすっかり更地になってしまったので、日々新鮮な風景を見ているのですが、お陰で国道から自宅も丸見えになってしまって、我が家では普段から変な格好はできないねとちょっと自意識過剰な子どもたち。もともと我が家を建てた頃は、家の西側一帯はただただ田んぼが広がるだけで人家も無い殺風景なところだったのですが、今では新興住宅地となって、バイパスが通って、スーパーは出来るわ、ホームセンターは出来るわ、次々にお店は出来るはわですっかり周辺環境も様変わり。

以前はその古びた看板しか見えなかった事務所も、今では遠くからでもよく見えるようになって何だか気恥ずかしいくらい。やや斜めに角度がある国道に並んで建っているため、端の方が少し鋭角になっているのですが、実際はこの写真で見るほど三角な建物ではありません(この写真は煽り気味に撮っているので)。こちらもお隣さんがなくなったので、風がまともに当たるようになって、ここってこんなに風が強かったのかと今更認識するほどのプチ環境変化?!に驚いたり楽しんだりしているところ。

そうやって風とかがまともに当たるようになって、庭の木の葉の揺れ具合も以前よりだいぶ強くなったように思います。わずかに枝に残っていたクヌギの葉っぱも吹き飛んでしまいました。しかし、そんな中でもいまだに枝にしっかりとしがみついているイガグリがひとつ。食べるためだけに植えているわけではないのですが(勿論、食べもしますが)、数年前から実がつくようになって秋も過ぎると勝手に落ちてしまうのですが、この1つだけはしぶとく枝にしがみついたまま歳を越えました

オー・ヘンリーの『最後の一葉』ではありませんが、さすがにここまで残っていると、頑張れと応援したくもなってきます。イガの中身がどうなっているかも興味のあるところですが、もうこのままずっと次の世代と共存して欲しいと思ったりも。そういうことってあるのか分かりませんが、普段の仕事は伐ってしまって板になった中身ばかり相手にしているので、その母体たる「樹」については知らないことばかりで、特に実や花についてはほぼ知識も無く、こんなことひとつでも驚いたりしてしまいます。

毎朝、出社(といっても勝手口から1分もないのですが)する時に薄暗い中で、この栗が今日も無事残っているかどうかの確認をするのが日課になって、無事な姿をみると、よしよしと安堵したりして、気分はすっかり『樅の木は残った』の原田甲斐のような気分に。余談ながら山本周五郎先生のこの名作も、今の子供たちの多くは読んでいないどころか名前すらも知らなくて、出張木育などの際に『モミ』の説明をする時に、環境汚染などに弱く高地を好むモミの特徴を伝えるのに最適な教材なのにガッカリすること多し。作品の中で、遠く江戸から仙台は伊達藩の安泰を守り抜いた忠臣・原田甲斐の姿を、残った樅の木になぞらえて、「凛と力強く、昏れかかる光の中に独り、静かにしと立っていた。」と描かれています。このイガグリ、何を思ふ・・・




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