森のかけら | 大五木材


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091203_1926~000212月に入って途端に、お酒の席が多くこの先が危ぶまれます。今日こそは控えめにしようという誓いも、最初の1,2杯であっという間に崩壊してしまいます。まあ私の周囲はどうしてこうも酒好きばかりなのか呆れます。これが明日の活力と嘯(うそぶ)きながらも、ほどほどにしておこうと思っています。しかしお陰で、店のオーナーとも仲良くなり、ご縁が出来て今までにも多くのテーブル、カウンターなどの仕事をさせていただきました。飲食店のオーナーと我々が知り合う機会というのは、設計士さんが紹介していただける〈昼の部〉ぐらいで、〈夜の部〉は自ら開拓していくしかないのです。そのために飲みに行っている・・・という訳では当然ありませんが、仕事に繋がる繋がらないに関わらず、お店のオーナーと木について話をするというのは楽しいものです。むしろ、仕事に繋がらない方が、心置きなく好き勝手な事が言えるので楽しいのですが。お酒も入っているので、ついつい調子に乗って大口を叩いて後で後悔することも多々ありますが・・・。

20090721 ビールと飲みに行く場合でも、なるべく『ご縁』の合った店に行くようにしています。テーブルや座卓などを作らせていただいた処には、納品後に客として伺ってそのカウンターやテーブル席に座らせていただきます。使用頻度の高い店舗の場合、いろいろ問題が発生する場合もありますが、実際に自分が座ってみて分かることもあります。はやっている店ほどお客さんが多いわけですから、テーブルやカウンターもフル回転で活躍することになり、傷や汚れ、煙草の跡や輪染みなど『経年変化』などという言葉では片付けられない状況になる事も少なくありません。しかし致命的な重症以外、使い馴染んだテーブルを作り換える方はほとんどいません。それはただ金額の問題だけではなく、店全体の雰囲気に合うかどうかという事もあるし、やはり使い馴染んだ愛着というのもあるでしょう。傷や汚れにも店の歴史が刻まれていくわけですから。

 

いろいろな考えの方がいらっしゃいますので、こういう意見は無責任だとか感情的だと思われる方もいると思います。家具を取り扱っているのなら、そういう問題の発生しない物を作れという声もあると思います。それも正論だと思います。そういう方からすれば、『無垢材だから』というのは1種の言い訳で逃げ道にしか聞こえないと思います。確かに、乾燥が甘く収縮が起きたり、幅剥ぎの剥ぎが切れたりするのは、製造工程でも目論見の甘さだと思います。一方、冷暖房が四六時中直接テーブルに吹きかかるとか、店全体に湿度が足りてなく過乾燥になっているとか、オイル仕上げなのにたっぷり水を含んだ布巾で水拭きしたとか、使い方の無知もあると思います。事前の説明などはしていても、実際に使ってみないと分からないことはたくさんあります。

091203_2249~0001大変な状況に遭遇してしまった時は、物凄く動揺して無垢材を勧めた事を後悔することもありますが、それも過ぎ去り無事解決して再び、客として店を訪れ、他のお客さんがそのカウンターやテーブルで美味しそうに食事をされている姿を見ると、やっぱり嬉しくなります。一生続くトラブルはないと思います。ボタンの掛け違いなどがあったにしろ、お互いの目的はひとつな訳ですから、いずれわだかまりも融解し理解し合えると思うのです。木という素材の醍醐味とリスクは背中合わせなところがあります。いくら乾かしていても割れたりねじれてしまったり、人の英知の及ばない表情を見せたり光沢が出たり、だからこそ木は人を惹きつけやまないのではないかと思います。最近は、木に対して深い愛情と造詣をお持ちのオーナーも増えてこられて、納品させていただいたテーブルやカウンターを大切に使っていただいているので本当にありがたいです!

 

12月はお酒のお店に行くことが多くなるので、なるべくご縁の合ったお店で飲ませていただこうと思っています。久し振りに木と再会した時は、倉庫の中で埃にまみれて眠っていた時の状態に比べ、晴れの舞台に立たせていただきよそ行きの服を着せてもらったようで、照れくさくも懐かしい気持ちになります。どうかこれからも頑張れよという気持ちで、ついついまた一杯盃を重ねてしまうのです。




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