森のかけら | 大五木材


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★今日のかけら・♯038【イチョウ/銀杏】イチョウ科イチョウ属・針葉樹・宮崎産

 

今年の秋は天候が不順で、おかげで紅葉が長く楽しめました。画像は3,4日前の近所のイチョウの鮮やかな黄葉です。一般的には、葉っぱが赤く色づくのを『紅葉』、黄色く色づくのを『黄葉』と使い分けているようですが、別にどちらを使っても問題ないと思います。厳密にはそのメカニズムに違いがあるようです。しかし、『素敵な紅葉です』と書いて、葉っぱが紅いとやっぱり雰囲気が出ませんので、それなりに使い分けた方がいいのかもしれませんが、山全体を差す場合は、赤や黄が混ざっているので・・・。それはそうと、二股に分かれた愛嬌のあるイチョウの葉は、東京都大阪府神奈川県などの木に指定されていますが、実はこういう形をしていても、植物学的な分類上は『針葉樹』になるのです。葉の形はどう見ても『広葉樹』ですが、植物的な分類は葉の形ではなく被子植物か裸子植物かの違いなので、イチョウはソテツと同じように球果の出来ない裸子植物で、違和感があるものの『針葉樹』になるのです。

これは、イチョウが『イチョウ科イチョウ』ただ1種しかない特別な木であることに関係しています。太古の昔、恐竜が生きていたジュラ紀には多くの仲間が繁栄していたのですが、氷河期を迎え恐竜と共にほとんどの仲間が滅びてしまったのです。その中で唯一、中国大陸の江南地方にわずか1種のみが奇跡的に生き延びた物が、現在のイチョウの祖先だといわれています。この発見は宋の時代で、日本には平安か鎌倉の時代に伝来したといわれています。今では町中の到る所で目にするイチョウですが、実はこういう浪漫あふれるエピソードがあったのです。


少し前まで、市内の平和通のイチョウ並木にも『ギンナン』を拾う方の姿が多く見られました。イチョウは、オスとメスが別々の木である『雌雄異株』であることはよく知られています。なので当然オスの木にはギンナンはつきません。メスは実がついたり、実が落ちたりして樹形が乱れやすく、枝が垂れ下がったり、横に広がったりして姿形が崩れて美しくない、一方オスは実がつかない分、枝が天に向かって伸び樹形が美しい、といわれているようですが、実際には樹形だけでオスメスを見分けるのは至難の業だと思います。材になった場合でも、メスの板はギンナンの臭いがします。オスの方はほぼ無臭です。たまたまかどうか、弊社の在庫もほとんどがメスです。メスの方が成長が良く大きくなるので、材として多く流通しているからでしょうか?ちなみにイチョウの花言葉は【愛の復活】ですが、こういう背景を考えると、何だか深い意味を感じます。何気なく使う花言葉にも、いろいろと含蓄があります。

イチョウといえば、その用途として『まな板』が有名です。まな板の材としては【イチョウ、ホオ、ヤナギ】の3種が挙げられ、中でもイチョウは最適だといわれます。それは、材に適度な粘りと弾力があり、包丁の刃を傷めず、耐水性もあり、材の木屑が出ないことがその理由なのですが、もう1つ食べ物に匂いが移らないというのも大切な要件です。ですから、イチョウをまな板に使うときには、食べ物に匂い移りのしないオスのイチョウを使ってください。その特性から考えれば、テーブルや座卓など家具には不適に思われがちですが、柔らかく傷つきやすいから家具には駄目という考え方はどんなものでしょう。氷河期を生き抜いた木に、それ如きの理由で排除するのは心が狭い話だと思うのです。ちなみにイチョウは【銀杏】の漢字の他にも【公孫樹】とも書きますが、これはとても長寿なので、祖父がこの木を植えても、そも実を食べる事の出来るのは孫の代になってからだというエピソードに由来しています。

 




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