森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

荻原神社には気になる木がもう1本ありました。それがこちらのニレ科の広葉樹『ムクノキ(椋木』。この後、話がややこしくなりそうなので先に説明しておきますが、樹種としてのムクノキとは別に木材業界でよく使われる『ムク』という言葉があります。漢字で表すと、『無垢』。直訳すれば文字通り手垢が無い、混じりの無い純粋なものという意味です。これが木材業界では何を意味しているかというと、ベニヤや突板などのいわゆる『貼り物』ではない純粋な木材(立木を伐採して製材して板や角材に挽いたもの)の事

つまり「無垢のテーブル」というと、べニアや突板などを一切使用していないすべて本物の木材だけで出来たものということになります。ちょっとややこしいのは、カウンターなどに使われる『積層フリーボード』。小さくカットした材をフィンガージョイントで接合して、500㎜幅や600㎜幅などに成形したものですが、この解釈についてはいろいろ意見が分かれていて、そこにはベニヤや合板が含まれていないのだから当然それも無垢材だと言う方と、元は無垢だったけど積層加工した時点で無垢材とは呼べないという意見

弊社としては、積層フリーボードを純粋な意味での『無垢材』と呼ぶには少しだけ抵抗があります。耳付きの一枚板の魅力を伝える際によく「無垢の一枚板」という表現を使うので、私の気持ちの中では「無垢」という言葉には「ベニヤや合板では無い純粋な木材」というスペックを表す記号的な意味以上の響きがあるのです。そこには材木屋こそが扱う材としての矜持であったり、ベニヤや貼り物は扱わないという信念が込められたりしていて、そう軽々しく使っていい言葉ではないような思いがあったりと、面倒な材木屋でございます

では、そこまで小さな集合体でなく、例えば長さ2m、幅200㎜の板を4~5枚幅剥ぎして作られたテーブル板のような場合はどうなのか?「無垢の幅剥ぎ」とか呼び方はいろいろですが、このあたりが無垢材と呼ぶかどうかのボーダーラインだと思います。このように「無垢材の概念」も人それぞれ、材木屋それぞれだと思います。さて前置きが長くなりましたが、そういう意味の『ムク(無垢)』とは別の樹種としての『ムクノキ(椋木』の話をさせていただきます。地域によっては『ムク』(あるいはムクエノキ、クイムクなど)と呼ばれる場合もありますが、【森のかけら】では『椋木(ムクノキ)』と表示していますので、ここでは『ムクノキ』として話を進めさせていただきます。では明日からは、ムクノキ(椋木)の話。

 ※内容に一部誤りがありましたので、訂正・加筆させていただきました。



オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  
Scroll Up