森のかけら | 大五木材


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あれ以来、猿の惑星は私にとって特別な映画でした。なので新作の猿の惑星を観るたびに一抹の不安がよぎるのです。オリジナルの名を汚すような真似だけはやめてほしいと。リブートシリーズにはいずれもオリジナルへの敬意が感じられ、どれもとても好きですが、中でも本作は、息子が殺され仲間たちと復讐の旅に出るという、まるで西部劇のような設定になっていて、サルがいよいよ人間的な感情を抱くようになる一方で、言葉を失った人間はヒトへと退化していくというシニカルな設定で考えさせられました。

これと同じような設定の映画を観たことがあると思っていたら、そうあのレオナルド・ディカプリオが西部開拓時代の実在の罠猟師ヒュー・グラスに扮して、殺された愛息の復讐を果たす『レヴェナント: 蘇えりし者』とよく似ている。そう考えると、サルVS人間との争いも、白人VS先住民インディアンとの争いの構図にも透けて見える。先の戦争で日本軍に捕虜にされた経験を持つピエール・ブール(オリジナル版の原作者)が、日本軍をサルのモチーフにしたと言っていますが、時を経て立場が逆転。

オリジナルの前日譚ということなので、ややこしいですがオリジナルでは人間を虐げ奴隷化させていたサルたちをC・ヘストン視点で被害者として描写していたものが、リブートシリーズでは人間に立ち向かい、サルの王国を守るべく戦う視点へと移行しています。サルは本当は誰と戦い、サルたちとは誰のことなのか?!白人至上主義で最後にはカタストロフィを得ていたハリウッド映画にも随分幅が出てきたと感じます。一方で能天気なアメコミが人気なのもアメリカ映画の振り幅。

猿の惑星創世記は、まだ小学生だった息子と一緒に映画館で観ましたが、かなりの衝撃だったらしく、息子にとってベスト1の映画になったようです。その後、『新世紀』も一緒に観て続編も楽しみにしていたのですが、『聖戦記』は部活が忙しくて一緒に観に行けませんでした。結果的には一緒に観なくてよかったです。それまで常に冷静に行動していたシーザーが、愛する息子を殺されたことで、感情を抑えられず復讐の旅に向かうのでうが、これはさすがに親子で観るには辛すぎる。

もはやサルはただのサルではなく、ヒトもただのヒトではないという哲学的な思想の中に足を踏み入れていて、テーマ自体がかなり深刻になりつつあります。気が付けばシーザー達サルたちを応援している自分がいて、冷静に見れば複雑な気分。前2作では、サルと人間が何とか共存できないかと奮闘する人間がいましたが、今回はそういう立場の人間が不在でひたすら両者が争います。それまで独りの人間にそんな力あるのかと猜疑心に満ちた目で見ていたものの、正義のリーダーの存在はやはり不可欠!




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