森のかけら | 大五木材


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このクロガキを加工する際の問題は無数に開いた虫穴。当然もう虫はとっくにいないくなっているのですが、大小さまざまな穴をどう処理するかという事。これがクロガキでなくて、ここまで虫穴の数が無ければ、色目を考えて木粉などで処理するのですが、虫穴が漆黒の黒味の中に点在しているので、これをうまく処理しないと折角の墨流しの図柄が生きてきません。またキッチンで使うという事で耐水性にも注意しなければならなりません。それで今回選んだのが、デンマーク製のリペアスティック

長さ30㎜、直径12㎜の円柱状になっていて、専用の伝熱ガンに差し込んで押し出しながら熱を加えるとそれが溶解して、節や割れ、虫穴などに注入出来ます。直後にクリーニングアイロンや鉄などを押し当て冷却させると一瞬で硬化します。硬化したらカッターなどで余剰部分を切り落とします。最後はサンダーで表面を滑らかに整えたら完成です。いつもはストックしてあるいろいろな木粉の中から色を選んで、瞬間接着剤でかためて節や虫穴を補修していくのですが、接着剤が浸透していくので面がゾロになるまで何度も同じ作業を繰り返さなければなりません。

それで固まっても経年変化で補修部分が痩せていくこともあったりして後で手直ししたりする必要もあったりしたのですが、解説文によれば、リペアスティックは硬化後の収縮がなく、木材に追従して変形することもありません。更に硬化後にその上からオイル塗装やサンダー掛けも可能だし、耐水性もあり、紫外線による変質もなし。VOCや毒性もゼロで、安全性も高く作業効率の高い補修材という事。パンフレットを見て以前から関心はあったものの使った事はありませんでした。

やはり慣れた方法の方が間違いが無いという臆病さから手を出していなかったのですが、今回は虫穴の数が圧倒的に多くて耐水性や作業効率も求められるという状況でしたので、思い切って使ってみることにしました。確かに溶解して注入して鉄を当てると一瞬で硬化して固まります。強力な瞬間接着剤が指先に付着して皮膚が剥けるようなこともありませんが、馴れるには少し経験が必要。虫穴が多かったお陰で作業が終わるころにはすっかり慣れて、随分早く出来るようになりました。そして完成した姿がこちら!更に明日に続く・・・




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