森のかけら | 大五木材


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何か面白い木って無いですか?」若い設計士さんからそんな問い合わせがよくあります。そんな時に、「それではこんな木がありますがいかがでしょうか。その木は1826年にバンクーバー島の西海岸で、イギリスの王立園芸協会会員の植物学者ダグラス博士によって再発見されました。その木は、鎖国中の江戸時代に浦賀にやって来た黒船にも積まれていて、かのペリー提督が幕府に献上した数々の品の中にも含まれていました。そんな歴史的な背景のある木ですがどうですか?」

「それは面白い!何という木?」大抵の場合は食いついてこられます。それから更に丁寧に説明します。「今やその木は北米大陸を代表するような木になりました。中でも200年を超えるような高齢の原木を『オールドグロス(Old Growth)』、植林した2次林の事を『セカンドグロス(Second Growth)』と呼んでいます。正式な名前は『ダグラスファー』、正確な和名は『アメリカトガサワラ』です。いかがですか?」「ダグラスファー?聞いたことも無い名前だけどサンプルってありますか?」

待ってましたと、ここでようやくサンプルをお見せします。先方の反応は大抵「・・・これって米松じゃないですか?」「ええそうですよ。英名ダグラスファー、和名アメリカトガサワラ、商業名米松です。」「米松かよ~(ガッカリ)!」ペリーの黒船や200歳以上のオールドグロスの話にはあれほど食いついていたのに。あまりに身近にあり過ぎると、逆にその本来の価値が見えなくなる事があります。ベイマツと聞くだけで途端にそれが安っぽく見えてしまうのはその典型でしょう。

とはいえ最近は、スギ並に目の粗いベイマツも出回っているので、ベイマツ自体の評価が低くなるのも致し方ありません。もはや『ピーラー』も死語に近い。なので若い設計士さんにとってベイマツは、人工乾燥機ですっかり油っ気の抜けてしまったパサパサの目の粗い木という印象しかないのかもしれません。先日、そんな印象を一変させるような迫力あるベイマツ、いやダグラスファーに出会いました。デンマークのスカンジナビアンリビング社の幅広・長尺の一枚板のダグラスファーのフローリング

弊社が取り扱ったわけではなく、現場に収められたモノを拝見したのですが、長さ3m、幅300㎜、厚み28㎜の一枚板の豪快な商品。ほとんど木裏使いで、裏面に浅めのバックシールが3本入っていましたが、反り止めというよりはほぼ気休め程度。しかしこれぐらいの商品になると、節がどうのこうの言ったり、多少の反りやねじれなんて野暮な話。それらも本物の木の魅力のひとつじゃないかと言われれば納得してしまうほどの圧倒的な存在感!もしも黒船にもこういう木が積まれていたならば徳川幕府の心もさぞかし揺れたのでは?!




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