森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

サイカチの分布の謎について調べてみると面白い事が分かりました。いくつかの文献、書物に書かれていた話を要約しますと・・・平安時代の末期から鎌倉、室町、戦国時代とおよそ400年の長きにわたり宮城県の北部から岩手県の南部一帯を葛西一族が統治してきました。それが1591年に豊臣秀吉奥州仕置によって、伊達正宗の手により滅ぼされてしまいます。悔しさに涙する家臣は、葛西家復興を祈願して、屋敷の門口にサイカチの木を植えたというのです

サイカチ、つまり『葛西勝(カサイカチ)』という語呂合わせなのだそうです。家臣たちの痛切な心の叫びとしてサイカチがメッセージツリーの役を担ったのでしょう。サイカチは成長力旺盛で、その子孫たちが東北に広がったのだろうと推論されています。またサイカチには鋭い棘がありますが、それゆえに築城時には入口周辺にサイカチを植え、その鋭い棘で天然の防御壁を築いたとも言われています。公園などに植えられ、大きくなるとその鋭利な棘に困惑してしまう事も。

そういうサイカチですが、【森のかけら】では小さな端材から作っていたので、大きな材のサイカチを見たことがなかったのですが、先の岐阜の銘木市で大きなサイカチを幾つか購入。多少割れも入っていていずれは【森のかけら】用にと思える小さなものから、キングベッドサイズはあろうかという変形の1枚板まで数種類のサイズを仕入れてみました。販売予定があるのかなんて無粋な事を訊いてはなりません。欲しいものに出会えば買う!』これが正しい材木屋のスタンス

現在乾燥中ですので、実際に使えるのはまだまだ先の事になりますが、想像していた以上に大きな材もあるようでちょっと驚きました。乾燥が進む前の表情も見ておこうと、端をカットして表面を軽くサンディング。まだ小さな材は表面が淡い桃色、辺材はニガキのような黄色色でした。無塗装の状態ですが、【森のかけら】に使っているサイカチのイメージはこれに近いと思います。オイル塗装しても淡い桃色の名残があるような色合いで、木目はやや不明瞭といったところ。

それがこちらの大きく成長した1枚板になると印象も随分変わります。色合いも少し濃くなって褐色がかり、幾つか大き目の節が絡んでいる事もあって杢目も複雑で重厚。特に二股の変形ですので、圧のかかり方も半端なく、腹に一物持っていそうな風格あるサイカチです。さすがに独りでは持てないほどの重さがあり、天然乾燥して使えるのに4、5年はかかるるとみています。それまでたっぷりと葛西家復興を望まれたサイカチの魅力を味あわせていただくつもりです。




オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2024年3月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
Scroll Up