森のかけら | 大五木材


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昨日の続きで、永らくの間アンタッチャブルだった倉庫の奥(妄想の禁猟区)から、埃をかぶって出てきたもの第二弾。これって一応、ロングセールとも連動させているつもりなので、少しでも興味を抱いてくださった方がいらしたら是非、会社の方に実物をご覧になりに来られて下さい。実は今から25年ぐらい前(それからおよそ10年間ぐらい)、大五木材の売上の大きな幹のひとつは『集成材』でした。私は「集成材繁栄期」と勝手に呼んでいますが、集成材メーカーと組んで、オーダーメイドの造作材を作っていました。

地元の有力なハウスメーカーからの注文で、オリジナル仕様の集成の造作材を手掛けたことがきっかけとなりました。まだまだ地方にはバブルの余韻も残っていて、住宅着工も旺盛だったので、注文して作っていたので間に合わなくなってきたので、仕様形状を決めてリスト化して、1本ごとにナンバーを印字して箱に入れてある程度のボリュームで弊社が在庫するようになったのです。当時この辺りに流通していた集成材の単板の厚みは、0.3~0.5㎜程度でしたが、そのオリジナルは1.0㎜厚の高価な特注仕様品でした。

基本的に使っていた柱が4寸(およそ120㎜)だったので、すべてそれに合わせて4寸仕様の特注品でした。後々、そのことが「つぶしが効かない」という悲劇を迎える事になるのですが、当時は毎週トラック1車分が入荷するほどに注文が旺盛で、永遠にこの流れが続くような気持になっていました。そのハウスメーカーでは、二間続きの和室がほぼ100%近く設計されていたので、欄間鴨居・敷居をはじめ、3枚引違の建具仕様の鴨居・敷居など特別なサイズで、値段も相応に高いモノがリストにズラリと並んでいました。

50坪を越えるような大きな家も珍しくなくて、そういう家だと集成材だけで100万円を越える事も珍しくありませんでした。そのためそれなりに在庫も必要だったのですが、かつて地上の王であった恐竜が簡単に滅んだように、そんな栄華も永久のものではなかったのです。そのハウスメーカーが倒産!あれほど利益を生み出してくれたオリジナル仕様の高級集成材は主を失くして無用の長物となってしまったのです。4寸の特殊サイズというのが仇となり汎用性が低く、他には売れずにそれから永い永い眠りについたのです。

あれからもう10数年が経ってようやく落ち着いて当時の事を振り返られるようになりました。愛媛ではその頃に地元の中堅住宅会社の倒産が相次いで起こり、一時期誰に売ればいいのか、どこが安全なのかという不安感が漂っていました。私自身、入社以来最大の貸し倒れを経験し本当に青ざめました。まだ当時は親父も元気で、社員の協力もあってどうにか耐える事が出来たものの、人間不信にも陥りました。そんな哀しい記憶の集成材など処分してしまえとも言われたものの、彼らに罪はない。どうにか生かせる場所を探してやりたい・・・。




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