森のかけら | 大五木材


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DSCF0577私自ら創造するはアートには無縁の人間ですが、作品を鑑賞するのは好きです。いろいろなアートと呼ばれるものを見て思うことは、ただ作品がそこに『在る』だけでなく、それを誰かが『語る』ことで作品は、世に存在する意味を持つのではないかという事です。作者も関係者も死に絶え、数百年後に発見されるというパターンもありますが、それはちと寂しい・・・。作品の価値というのは、作った人ではなく観る側、受け取る側が決める物ですから、誰に観てもらうか、誰に知ってもらうかという事は非常に重要な事です。神山のアート作品は、まずは地元の方に観てもらおうという気持ちで作られたものが多いように感じます。

DSCF0529かといって単純明快という訳ではなく、哲学的なメッセージを『神山語』で表現したようなもので、とても志の高い物ばかりに感じました。弊社に木のご相談に来られる方で、「木の素人なので何も知らないので・・・」と心配される方もいらっしゃいますが、専門家が散々難しい事を言っても最終的にそれを使われるのはご自分ですから、自分の感覚に素直に従えば自ずと結論も出るのではないでしょうかとお話します。あまり理屈で難しく考えずに、自然体で受け入れたのでいいと思います。人の心を打つのは難解な哲学ではなく、シンプルなメッセージだと思います。

DSCF0544それにしても神山という土地柄らしく、木・紙・土など天然素材を原料にしたアート作品が多いです。私は個人的には「木のアート」ばかりが気になります。こんなに楽しい使い方があったのかと驚くことばかり!これは早速真似させていただきます。なかでも、黒蕨壮さんが作られた『未来への箱舟』と名付けられたこの作品は私のハートをわしづかみ!杉の芯持ちの丸太を削りだして作られてます。超かっちょいい~!完成直後の映像も観させていただきましたが、テーマに即せば10年の時を経て木肌が乾いた今の方がシュールに感じます。今が身頃かも!

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天に向かい凛と突き上がったボディーラインの美しさは尋常ではありません!これは箱舟なので、ゴミ問題や飽食への痛烈な皮肉として、船内には使い古された靴や齧りかけのリンゴ、つぶれた空き缶などの木彫りの小物と子供達のタイムカプセルが同乗しています。堂々とした風格からは、クラックすらも作品の表情の一片に見えます。何とこの完成時には、実際に水に浮かべて子供が乗ったというではありませんか!なんと粋な神山の皆さん、それこそがこの作品に対する最上級の敬意であり、ベストな観賞方でしょう!

DSCF0555アートに縁遠い私などが作品を語るなど恐れ多い事とは思いながらも、アートを身近に感じて欲しいという神山の皆様の思いを尊重して生意気な事を述べさせていただきました。木などの素材をただ並べたりつなげたりしただけのように見える作品は、素材の質感にどれだけ手を入れるかというギリギリのバランスの上で緊張感を作り上げています。ただ素材さえ揃えば出来るというものではなく、どう表現するかという明確な意思がなければそこに世界観など生まれようはずがありません。押し付けないテーマ性と静謐な廃校舎の空気感そのものが既に1つの作品のように思えました。




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