森のかけら | 大五木材

王子が岳』から車を走らせ、倉敷の美観地区へ移動。何度も来ているのですが、子供たちはまだ幼かったのであまり記憶にないようでした。混雑を避けるために朝早くに自宅を出たものの、明確な目的を持った小旅行ではなかったので、あちこち寄り道している間に昼近くになってしまい、結構な数の観光客が溢れていました。材木屋だから美観地区の古建築かと思われるかもしれませんが、実は誤解を恐れずに言うと、個人的には特別に古建築に興味・関心が強いというわけではないのです

今回もここに立ち寄ったのは家内のリクエストです。仕事がらまったく興味、関心が無いというわけではないですが、古建築をわざわざ訪ねて歩くようなマニアでもありません。その辺りは自分でも不思議なくらいなのですが、同様に古材に対してもそんなスタンスです。なぜかというと、人が何十年も住んだ家にはその人の思いというか御霊(みたま)のようなものも宿ると思っているので、解体した部材にもそれらは宿っていて、おいそれと商品として扱うには重た過ぎると感じてしまっているためです

だからといって古材を取り扱うことを否定しているわけではなくて、例えば自分の先祖の家など身元がはっきりしている分にはどうこう思わないのですが、他県でまったく縁もゆかりも無い所にあった築百数年の家などの場合、びびりの私としては気が引けるというか、進んで関わりたくはないのです。幽霊的なものとかの事を言っているのではなく、強い思いのこもったものってちょっと近寄りがたいというか、軽々しく関われないなあと感じてしまうのです。これはあくまで個人の感覚なので気にならない人は沢山いると思います。

そういう方は大切に古材を活用してあげてほしいと思っています。古建築には今では手に入らないような立派な部材を使われているケースも多いので、活かせるものであれば活かしてあげていただきたい。時々、弊社にも「古材は扱っていないのか?」という問い合わせがあったりするのですが、私はこういう感覚なので古材は扱うつもりはありません。それゆえ古建築に対しても興味、関心が薄いのだと思います。材木屋としての資質が問われる問題発言かもしれませんが、偏屈ゆえ木に対する畏怖が屈折しています。

古材ではありませんが、自然素材という意味ではも同様だと思っています。日本でお墓といえば御影石がほとんどですが、海外では大理石で墓石を作られるケースが多いようです。大理石は軟らかく加工が容易で、微細な彫刻に適していて、炭酸カルシウムが主成分なので酸性雨にも強いためとも言われますが、一方では人間の骨を構成するリン酸カルシウムと同じカルシウムなので、人の念が寄りやすいからだという説もあります。別に怖い意味ではなく、自然素材ってそいうものだと思うのです。

双子の子どもたちも高校生になって部活も忙しくなり、なかなか家族五人で揃ってどこかに行くことが難しくなりました。子供たちが幼い頃は泊りがけでよく出掛けたものですが、なかなかみんなの都合が合いません。それが今年のお盆は珍しく数日間家族全員のスケジュールが合って、久し振りに日帰りで近くに遊びに行こうということに。お盆休みは弊社としては珍しく長期でしたが、仕事がかなり残っておりましたので休日出勤で仕事を片付けて、混雑を避けるために14日の早朝から車を走らせて岡山に向かいました。


私は知らなかったのですが、家内が岡山の児島に瀬戸内海が一望できる景色のいい場所があるというので、そこに向かうことに。岡山の南部の児島半島にあり、瀬戸内海国立公園にも指定されている『王子が岳』。朝早く到着したのでほとんど人もいない中、駐車場から数分歩くと噂通り瀬戸内海が一望できる場所に出ました。天気が良かったのと、朝早かったこともあってまだ涼しい中で、彼方に瀬戸大橋が眺められる絶景を堪能!ところで気になっていたのが、『王子が岳』という、いかにもいわくのありそうなこの地名。

説明の看板を読み下すと、昔この地に百済の王女が生んだ8人の王子が住んでいたという伝承に由来するという事です。なぜ百済の王女が・・・?歴史好きな私ですが、この時代の歴史って昔から苦手です。朝鮮半島で満州に高句麗、百済、新羅の三国が鼎立した時代、4世紀から7世紀あたりの朝鮮半島との歴史って(当然のことながら)やたら漢字が多いうえに、登場人物も地味で不思議と興味が湧きません。ということで歴史書を覗いてみると、神功皇后が朝鮮半島へ出兵し、新羅、百済及び高句麗を降伏させた。


その結果、百済の王族は倭によってその婚姻が決められており、基本的に百済王の后は倭人の中から選ばれ、その王子が王位に付くまでは人質として倭国に来ていたそうなので、王子が岳のあるこの地にも王子がやって来ていたのかも。八人の王子とは、柴坂の王子,坂手の王子,筈割の王子,峰の王子,日の王子,錫投げ王子,谷の王子,瓶割王子の八人。次第にディテールが分かってくると少しずつ興味が湧いてきましたぞ~。ただ家内や子供たちは興味も関心もないようで、王子の謎に足を踏み入れることなく次の地へ移動・・・

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