森のかけら | 大五木材


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今日のかけら・番外篇022 【バオバブ】Baobab  パンヤ科・広葉樹

20141028 1先日テレビを観ていたら、あるクイズ番組の問題に『バオバブの木』が出ていました。南アフリカのにある国立公園にバオバブの木があるのですが、そのバオバブの木が最近次々に枯れるという被害が発生しているのだが、その理由は何か?というクイズでした。ご覧になられた方もいらっしゃると思いますが、材木屋の性としてテレビなどで『木』とか出てくるとついつい見入ってしまいます。まあ、見てなくても子どもたちから「お父さん~、木の事やってるよ〜」と声がかかるのですが。

 

20141028 2その答えというのが、昔に比べてその一帯の気象環境が変わってきていて、昔はかなり雨が降っていたのに最近は雨量が激減しており、慢性的な水不足にあるという事。それで、喉を枯らした象が、鋭い牙を使ってバオバブの木の幹を傷つけ削り取り、材中に蓄えてあった水分を吸っているためバオバブの木が枯れるという事態になっているのだという事でした。象が幹をバキバキに削る衝撃的な場面が映し出されていましたが、バオバブは水分を多く含み軟らかいとは聞いていたもののこれほどとは・・・!

 

20141028 3繊維質が多いのだと思いますが、現地では樹皮がロープや布、織物としても利用されているそうです。またその実は食料や薬にもなり、樹齢が500年を越えるような大木の中に開いた大きな空洞は天然の貯蔵庫としても利用されるほど現地の人々の暮らしに密接な関わりがある木なのです。ただし水分が多く軟らかすぎる事から、用材としてはほとんど適性が無いと聞いた事があります。有史以前からひとの暮らしを支えたこの木の「今そこにある危機」は悲痛ですが、自然界の掟は冷徹でもあります。

 

20141028 4動物たちも生きねばなりません。『レモネードツリー』(酸味がある特徴的な味が名前の由来)の別名を持つ水分豊かなバオバブの木に動物たちが群がってくるのも至極当然の事で、それが食物連鎖という事でしょう。普通に生えていた木を根ごと引き抜いて逆さまに植えたと表現されるそのユニークな姿から、どうしてもバオバブの木が被害者で、象が憎き犯人のような構図で考えてしまいがちですが、彼らの仲間を大地から伐り離し、引き裂き加工している我が身を省みれば自然の摂理に口出しなど出来ようはずもなく・・・

 




20141027 1本日は、西アフリカ熱帯雨林の海岸付近に分布するアオギリ科の高木の広葉樹『マンソニア』を加工しました。ブラック・ウォールナットにもよく似た風合いの色調で、その代用品として使われることの多い木ですが、ずっと探し求めていたもののなかなかご縁がなくて、今年になってようやく巡り合う事が出来ました。【森のかけら】を作っている時に加えたかった木でしたが、その時にはいろいろなところに手を尽くしても入手できませんでしたが、巡り合わせとは本当に不思議なものだと思います。

 

20141027 2マンソニアは、西アフリカの海岸部、すなわちコートジボワールからナイジェリアにかけての沿岸100キロに及ぶ森林地帯に出現する大木ですが、直径は大きいものでもせいぜい800㎜程度。ときに翼上の板根(ばんこん)を広げる事もあるようです。ブラック・ウォールナットの代用品として、『アフリカンブラック・ウォールナット』の俗名もあることは知っていましたが、どれぐらい雰囲気が似ているものか実際に削ってみました。加工性は問題なく、ほどよい硬さがあります。

 

Exif_JPEG_PICTURE気乾比重は0.60〜0.70(ちなみにブラック・ウォールナットは0.62)で、弾性もあって衝撃にも強く、比較的乾燥も容易で変形も少ないという事ですが、材の端が裂けやすい傾向があるらしく、入手したものも側面に大きな亀裂が入っています。大きそうな材に見えますが、結構奥まで裂け目が入っていますので、『森のりんご』か『森のたまご』、『モザイクボード』などに木取りするつもりです。たまたま削ったものが柾目部分でしたので、上品で美しいリボン杢も現われてくれました。

 

Exif_JPEG_PICTUREオイルで塗装すると更にブラック・ウォールナットのような雰囲気になって、確かにこれだと代用されるのも納得。しかし残念ながら大気に晒されるとかなり色落ちがあって柄がとぼけるという事で、果たしてこの色合いがどれぐらいの期間保持できるものか実験してみたいと思います。画像で褐色に映っているのは、材が反っていて削れきれなかった部分ですが、ここまで色落ちが進行するものかどうか。そうなったらなったで、それも木の個性ですから特性を受け止めて用途を考えればいいだけの事。

 

Exif_JPEG_PICTUREコートジボワールでは『ベテ』、ナイジェリアでは『オフン』、ガーナでは『アプロノ』と呼ばれるこの木ですが、日本への輸入量はかなり減少。海外ではフローリングなどの内装や家具、化粧合板、精密木工、唐木細工、銃床、ピアノなどの楽器等に利用されています。また腐食にも強く海中建造物にも使われます。一方で、乾燥した材の鋸屑や微粉は皮膚や粘膜を刺激してアレルギーを起こすこともあるので注意が必要という事も知られていますが、私は鈍感なのか実際に削ってみてもあまり粉塵は気になりませんでした。

 




★今日のかけら・♯218【ポンデロッサパイン】Ponderosa Pine パイン科・針葉樹・北米産

 

よく売れる木が偉くて、名前も知らない木に価値など無い、という考え方は大間違いで『木に貴賤なし!』というのが、【森のかけら】を作り始めた私のコンセプトです。ですが、あらゆる木すべてと同等の時間をかけて接する事が出来るわけではありませんので、貴賤は無くともそれぞれの木に対する思いの深さには大小の差はあります。普段から接する事の少ない木や、基本的に取扱量の少ない木に対しては印象も薄くなるのですが、そんな木の1つが『ポンデロッサパイン』です。

北アメリカ西部の11洲およびカナダ、メキシコ北部など広範囲に分布しており、アメリカ国内ではかなり大量に流通している木材です。建築やパレット、梱包材などに利用されていますが、私の中でのポンデロッサパインはもっぱらカントリー風家具の材料としての認識です。というのも、今までの経験上、カントリー家具材以外の用途でポンデロッサパインを実際にほとんど見たことがないからです。しかもカントリー風家具に使われるのは、大きな節のある部分ばかり。

もともと弊社ではパイン系の利用は少なくて、材料として在庫してあるのも北欧産のフローリングやパネリングが少しある程度で馴染みが薄いので、接する機会も少ないのですが、周辺にもマツを主材料として家具を作られている所もありません。市場などでときどき見かけたりする程度なのですが、その多くが家具材と注文材ということなので、見ている状態のものに偏りがあるのだと思います。当然無節のボンデロッサもあるものの、私の印象では『大節のある柔らかなマツ』の木。

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先日たまたま取引先の商社のトラックがポンデロッサパインの板材の梱包を積んでいたので久しぶりに見ました。ウエスタンイエローパインカリフォルニアホワイトパインなどの別名が示す通り黄白色の明るい色合いで、加工しやすそうな安定感のある木で、大節がある割には素性も良さそうだとは思ったのですが、偏屈さが売りの材木屋で扱うにはむしろ癖がなさすぎるかなと。ポンデロッサパインには何一つ罪も咎(とが)ないのですが、材木屋にも得手不得手、相性などがありまして・・・。

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ニッケイについてはどうしてもその葉や樹皮にばかり注目が集まり、材そのものについては顧みられることが少ないように感じます。用途としては、器具材や家具材、造作材、彫刻材、薪炭材などに利用されているそうですが、葉や樹皮に対していまひとつ特徴的な出口が定まっていないようです。今回伐採したニッケイの木肌は淡いクリーム色でしたが、これから乾燥工程を経てかなり色調が変わっていくのだと思います。在庫のニッケイは、ミズメザクラのような淡い紅褐色です。

ニッケイの材そのものの在庫をわずかしか持っていないので、実際に使用実績も少なく、どういう用途が適しているのかもよく分からないのですが、気乾比重が0.70ということなので、そこそこの重量感もありますし、触感も滑らかです。それでも材が市場に出回らないのは、樹皮や葉の採集を目的として植えられていることもあり、なかなか伐採しないからでしょうか。初めてニッケイ材を手に入れて以後まったくご縁がないので、在庫の板は『非売』扱いにしようかな・・・

そんな事を考えだしたらもはや商売人としては失格なのですが、こういう事がきっかけになってまたご縁が巡ってくることを期待しつつ。ところでそのニッケイ、材としては今一つ認知度が無くとも、樹皮や根などから作られるものは昔から大人気。地域によってニッキと言ったり、ニッケと言ったりするようですが、私たちは子どもの頃からニッキと言っていました。関西ではニッキ、関東ではニッケと呼ぶことも多いようですが、いずれもニッケイから転じたものだと思われます。

ニッキを使ったものとしては、前述した八つ橋をはじめ、ニッキ水やらニッキ飴、ニッキ茶、ニッキ酒などがあります。お隣の高知でニッケイの栽培が行われているようで、ニッキを使った商品が数多く作られていますが、前に木材を仕入れに岐阜に行った時にも、売店などでニッキ飴が売られていましたので、岐阜でもニッケイの栽培が盛んなのでしょうか。無邪気にニッキの根を齧っていたのはもう40年近く前のこと。今ではニッキの根を齧る子供はいないのかもいれません。




私が小学生の頃は、ニッケイの根っこをよく噛んでいたものです。私たちのところでは、『ニッケ』と呼んでいましたが、何とも言えない清涼感のある味が好きでした。でも自分でニッケイの根っこを採った記憶はありませんので、いつも誰かにもらっていたのだと思うのですがよく思い出せません。当時は、木の事などに一切興味もありませんでしたが、専門的な知識などなくとも、あれがトリモチの採れる木、これがニッケの採れる木、などと妙に詳しい友達がいたものです。

料理にスパイスに用いられるシナモンは、ニッケイはニッケイでも外国産の『セイロンニッケイ』という同じクスノキ科の別類のもので、日本のニッケイにはそこまでの香ばしさはありません。セイロンニッケイの樹皮を剥がして、内側のコルク層の部分を薄く削って乾燥させると、皮が丸まりスティック状になるそうです。また、京都の八つ橋などに含まれるニッキ油も、『シナニッケイ』という別種の根から作られるそうで、用途によって細かく樹の使い分けがされているようです。

しかしそれも最近では、シシャモと呼ばれて流通しているもののほとんどが、カラフトシシャモこと「カペリン」であって、その味にも舌がすっかり馴れてしまい、本家の味の混乱が生じているようにニッケイの世界でも混乱があるようです。本来はセイロンニッケイにしか含まれていないオイゲノールという成分があるため、よりマイルドな香りが得られるセイロンニッケイがシナモンの原料であったはずなのに、最近日本で販売されているものにはシナニッケイで作られたものもあるとか。

安さや供給の安定ばかりを望んでいると、自分たちがそうだと思って使っているものが実は全然違うものであったということは少なくないと思います。もともと供給が細いものが、ある日突然廉価で市場に大量に出回るようになったら、その正体を怪しまねばなりません。特に自然素材の場合は。徐々に慣らされてしまえば、五感の記憶もあやふやになってしまうもの。食べ物の分野については『本物』に出会えることがこれからドンドン難しくなってくるよう感じて不安です。




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