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★今日のかけら・#044 【ホワイトオーク】 White oak ブナ科・広葉樹・北米産
ミスター会の研修旅行の続きですが、私は何を見ても重箱の隅をつつくように『木』との関わりを探す人間なので(そうでなければ『森の5かけら』のネタなど浮かんできません!)、見るもの訪ねるもの何にでも興味津々です。周囲からはそざ奇異の目で見られそうですが、もう既にそういう人なんだと思われているので全然平気で我が道を行きます!そんな私に2つの意味でとてもありがたい場所がコースに取り入れられていました。宮崎県高千穂の『くろうま神楽酒造・トンネルの駅』です。ここは元々JR(旧国鉄)が実際に路線として使うつもりで作ったトンネルだったのですが、計画変更で結局使われることのなかった廃トンネルを神楽酒造さんが焼酎を醸造させる貯蔵庫として再利用されています。トンネルの長さは1,115mにも及び、中に入ると奥に行くほどに空気がヒヤリと冷たく感じられます。棚一面には樽が整然と並べられています。
トンネル内は1年を通じて湿度が70%、温度が17度という環境で、焼酎の保存庫としては最適ということです。この樽ひとつで、麦焼酎45度の原酒が440リットルも入っているという事です。ウィスキーといえばホワイトオークの樽は必須ですが、焼酎もホワイトオークの樽を使うのは知りませんでした。全部で約5,000樽ほどあるという事です。見学できるのはトンネルの入り口から10数メートルまでですが、トンネルの奥に向かって延々と続いています。どの種類の焼酎でも好いという訳ではなく、クセの少ない麦焼酎がこの貯蔵法に適しているようです。
店内で試飲させていただけるのですが、長期貯蔵されたためでしょうかウイスキーのようなまろやかさと香りがありました。ついつい、これもあれもとたっぷり試飲させていただきました!試飲だけでは申し訳ないので礼儀としてちゃんと1本購入させていただきました。ホワイトオークにはチロースという成分が含まれていて、他のオーク類と比べても非透水性が高く、樽材としての特性を備えています。長期蒸留している間に、ホワイトオークの抽出成分が溶け出し、あの琥珀の色合いと独特の香りを生み出すといわれています。焼酎にも同様の事がいえるのでしょう。大変まろやかな焼酎でございました。
ホワイトオークと相性の良い真鍮の金具で留められしっかりした造りです。樽の小口には製造日などが書いてあり、その上に左のようなプレートが貼ってありました。人間がホワイトオークを一生懸命に曲げているキッチュなデザインと『ARIAKE YODAL』の文字が。『ヨーダル』?北アメリカ産のホワイトオークのイメージから、樽も現地からの輸入品かと思っていましたが、『洋樽』=『ヨーダル』でした。つまり『有明洋樽』という会社のローマ字表記でした。いかにもアメリカ人が描きそうなデザインでしたが洒落ています。
このトンネルの記事がたくさんネットにもアップされていましたが、『オーク樽=樫(かし)樽』と誤って表記されている方も多く見かけました。オークが始めて日本に輸入されたときに、樫と誤訳された事が未だに尾を引きずっているからです。今でも多くの辞書で、『オーク=樫』となったままの物も多いですから。一般的には楢でも樫でも変わりがないように思われるのでしょう。特に白樫の場合だと、通常扱いのないプロの材木屋では、端材を見て見分けるのは難しいかもしれません。持ってみれば比重の違いで、重たい方が樫だと分かります。ちなみに白樫は、南九州に多く分布する『柞木(イスノキ)』と1,2を競う国内最重量級の木です。とはいえ、やはり日常触れてないものを見分けるのは難しいかも知れません。特に加工とか塗装されてしまうと尚更です。この樽でも予備知識がないと焼酎=ホワイトオークとは発想しにくいですから。
お店を出る間際に見たことのある物を発見。おおっ、これは以前にパルスデザインの大内さんが東京で出会った『面白そうなモノ』の中にあった『焼酎こんぺいとう』ではないですか!ここで作っておられたんですね・・・こういう事が人やモノをつなげていきます。デザインも愛らしく値段もお手頃です。そこまで思いながらも、焼酎飴は苦手だったので結局購入せず!やはり焼酎は嘗めるよりも飲むほうが・・・。


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