森のかけら | 大五木材

20101001 幻の「棗のかけら」①先日耳付の1枚板のダイニングテーブルを納品させていただきました。天板は『棗(ナツメ』です。ナツメといっても国産の物ではありません。ナツメはクロウメモドキ科の落葉中木で、出葉が遅く夏に芽を出す事から夏芽=ナツメの名前がついたといわれています。もともとは中国北部が原産で、中・東部の農家では果実の採取を目的に栽培されているところも多いといわれています。果実は滋養強壮の薬用や生薬、牛馬の貧血症などにも効くとされています。この天板も中国産で、中国語でも「棗木」と現されるようです。

20101001 幻の「棗のかけら」②この耳付板は結構以前に仕入れしていて、材はあったので【森のかけら】にも加えるつもりだったのですが、このナツメだけでという訳ではなく中国原産の物はその素性が正確に分からない事が多いのです。【森のかけら240】の解説書を作る際に、どうしても調べきれない部分(名称や科や性質)があって、泣く泣くリストから外した経緯があります。そういう意味で、端材はあるけどリストに入っていない木って案外多いのです。なんでOOの木が入ってないの?と尋ねられる事もあるのですが、材が揃わなかったか、材はあれどデータが揃わなかったかのいずれかなのです。「OOの木ならウチにあるよ」、と知り合いの同業者から温かくお声を掛けていただく事も多いのですが、情報不在の事がしばしば・・・。材がなければ諦めも付くのですが、材はあるのにデータがないというのは何とも辛いです。

 

20101001 幻の「棗のかけら」③国産のナツメも探しましたが、そもそもが薬用植物園で栽培している程度で、天然のある程度の大きな木も見つける事が出来ず(正確に言うと、あるにはあったのですが、銘木であまりの高価に手が出ませんでした!)、国産の『ナツメのかけら』も諦めました。茶器の棗は、その形がナツメの果実の形に似ている事から命名されました。その果実は、そのままでも食せますが、乾燥させて干しナツメにした方が美味しいそうです。また、お菓子の原料としてもよく使われてます。

 

20101001 幻の「棗のかけら」④原産地の中国の伝統医学では、ナツメの実は「気」の活力源とされ、肉体を強くしたり、体重増加を促したり、スタミナや持久力を向上させる働きがあるとされています。病後で体が弱っている時や慢性疲労にも有効で、免疫機能を高める働きがあるという事も科学的に証明されているなど、実に薬効のある木なのです。木を建築材や家具材などの有用性という偏った判断基準だけで見てはいけませんね。ああ、それだけに『ナツメのかけら』が欲しかった~。

 

20101001 幻の「棗のかけら」⑤さて、材の方に目を向けると、その木肌が非常に緻密で磨耗にも強いです。中国では「梨とナツメ(棗)とキササゲ(梓」は彫刻の材に最適とされてきました。この中国産ナツメもよく目が詰まっていて触感がとても滑らかです。そこから似た物同志の志の強い結びつき、友情を『譲棗推梨』と表現されます。このブログでもしばしば登場する『居酒屋・代官町なが坂』の長坂オーナーが経営する店舗に『』というお店があるのですが、もしかしたらそういう意味合いで命名されたのでしょうか?今度聴いてみます。脚材は、天板との色合いのバランスを考えて、フレンチ・チェリーを使わせていただきました。このナツメは、これぐらいの天板サイズしか持ち合わせていないので、別の木と組み合わせないといけないのですが、うまくバランスが取れました。ああ、語れば語るほどに『ナツメのかけら』が悔やまれる~!

 

20101001 幻の「棗のかけら」⑥このサイズのナツメは一時期数十枚在庫していたのですが、そのほとんがテーブルに生まれ変わり、在庫もあと5,6枚になってしまいました。1枚板のテーブルとしては充分なサイズです。両端に少しクラック(割れ)がありますが、左の画像のように『契り』加工まで施しています。耳の形も極端な凹凸がなくナチュラルです。白太はオイルを塗ると浸透して少し青く染まりますが、白太部分が少ないのでバランスは良いと思います。むしろ形が整いすぎて、弊社を訪ねて来られるお客さんには物足りないと感じる方もいるほどです。しかし、仕上がったこの姿を見ると多くの方が納得されます。是非、ダイニングテーブルをご検討の方は『ナツメ』という木も候補のひとつに加えてみて下さい。




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