森のかけら | 大五木材


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20120321 1愛媛県産木材の新たなブランド名とシンボルマークが発表されました。現在、愛媛県は「ヒノキの生産量日本一」を誇っているのですが、その事を意識している県民は驚くほど少ないのが現状です。それは、製材工場で生産された木製品の多くが東京、大阪、東海などの大消費地に送られているため、「木製品が日常的に目に見えない」からだと思います。また、そのほとんどが「家づくりの材料」となるため、食べ物のようにダイレクトに消費者の元に届けられるわけでもありません。加工され柱や土台などの構造材となり家を支えますが、最終的には壁の中に、床の下の黒子の役割を負う事が多く、実感が伴いにくいという事もあるでしょう。それは、家の土台や柱などの構造材を主流とする愛媛の木材産業の宿命であり、良い悪いの問題ではありませんが、どうしても地味な印象になってしまいます。まあそこが奥ゆかしい「愛媛らしさ」であるのかもしれませんが・・・。

 

20120321 2それは愛媛の森林行政を預かる県の農林水産部でも頭を悩ます課題で、その品質の良さは木材市場ではよく認知されているものの、一般的な浸透度の低さを解消したいという事から今回の新ブランド&シンボルマークの作成となったようです。しかし認知度の低さは、行政の問題というよりも、それを生業とする我々材木人の努力不足である事は明白。新ブランドやロゴマークさえ作ればすべてがある日突然劇的に変わるというものではありませんが、動機付けにはなります。

 

20120321 3今年の年初の挨拶で中村時広知事も、「我々は、総合物作りメーカー、株式会社愛媛のセールスマンたる、 その気概をもって、向き合うことが重要である」と述べられていましたが、こういう厳しく切迫した地球環境、経済環境の中で「リサイクル可能な生きた資源・木」には大きな追い風が吹いています。誰かが旗を揚げれば、それに異を唱えたり足を引っ張りあう人間が現れるのも世の常ですが、今こそ木材人が自ら立たずにいつ立つか?批判する事は簡単ですがそこからは何も生まれません。

 

20120321 4聞くところによると、県は今後この新ブランドやロゴを、建築用木材だけではなく、愛媛の木を使ったいろいろな商品にも応用していくつもりだとか。多くの木にまつわる産業が、その商品名に冠したり利用する事で水平展開が出来ればその知名度も増してくるのではないかと思います。大きな木を育てるには、深いところに種を撒く必要があると思います。短期的な「収穫」を「成果」とはせずに、木材同様に数十年という長いスパンで育てていかなければ決して「ブランド」は根付かないと思います。

 

20120321 5今まで大型量産工場に向いていたと言わざるを得ない「愛媛の森の出口」が、弊社のような零細の流通業にとっても「通行しやすい」方向に転換しつつある事は非常にありがたいことでもある反面、今後の木材産業の行く末を考えると、王道のロジックが通用しなくなりつつある証拠でもあり、難しい局面を迎えているのも事実です。小さな会社は小さいなりに身の丈にあったやり方で、『媛すぎ』、『媛ひのき』の出口を探していこうと思います。それこそが草の根木育活動。隙あらば木の話をしよう!




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