森のかけら | 大五木材


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20121215 1以前にもこのブログで触れましたが久万高原町の大孝木材さんに保管してもらっている『媛県産広葉樹』をいよいよ製材する事になり、打ち合わせに久万高原町へ向かいました。三坂のトンネルが開通してから久万高原町に行くのもかなりスピードアップ。とはいえ、この時期は積雪の心配があります。数日前も雪便りが届いていましたので、凍結の恐れのない午後からに。数日前の積雪はすっかり溶けていましたが、三坂を登っていくとやはりじわじわと冷気が車を包み込んでいきます。

 

20121215 2久万に来たのは、広葉樹の製材の打ち合わせと他にも目的があったのですあが、そちらについてはまた後日触れます。まずは、大孝木材さんで大野孝泰君と打ち合わせ。トレーサビリティのしっかりした愛媛県産広葉樹の丸太が土場に並べてあります。通常、原木の仕入れはしていないのですが、地元の広葉樹の場合(ケヤキなど一部の樹種を除いて)、ほとんど製品としては流通していませんので、原木を仕入れして自分の使いやすいように製材しなければなりません。

 

20121215 3原木市場に出てくる事も稀なので(用途が不明確なものは、足が遅いので皆敬遠されて売れ残るか安価で叩かれるため、始めからチップなどに回されるため)、伐採業者から少しずつ希望する樹種を買い溜めしていくしかありません。これらの丸太は、以前に成川木材成川尚司より仕入れたもの。成川君はいつもいい情報を寄せてくれます。「地元の広葉樹の出口」を探るためには、まずその入口を知らねばなりません。通りやすい道があるならもっと広葉樹の流れが出来ているはず。

 

20121215 4入口を覗いてみれば、道が途中で狭くなってほとんど閉じている状況が見えます。売る方にも買う方にも『安定』という約束事が欲しいのですが、そこはそれ自然が相手だけにままなりません。毎月こえぐらいのサイズの広葉樹何10m3、などと言い出すとこれはまた別次元の話。今のタイミングで手に入るものを手に入るだけ、それらを使えるように工夫して、広葉樹の特性を引き出して、誰かに喜んでもらえるものを作る。そういう考えか方があってもいいと思うのです。

 

20121215 5そもそも森はさまざまな生き物を孕む大宇宙。落ち葉を分解する微生物から、腐敗した動物の死体をむさぼる大型肉食獣まで森は寛容に受け入れ、それぞれが森と結んだ紳士協定を履行する事で森は健全な姿を保っています。近年その契約が履行されなくなってきているのは、森を不自然に変えてしまった人間の責任です。日本全国であまりにも偏ったスギ・ヒノキの建築用造林の植林がいびつな森を作ってしまいました。しかし、先人達には敗戦国の復興という大志があり、今とは違う立場・価値観の「森の在り方」があったはずです。それが結果として今の山林の疲弊感を生み出したのは、多様な出口を探らなかった我々の怠慢にあるのでは。木に現状の経済価値以上の価値、本来の『生命価値』が「復権」されたら、森は昔のようにもっと健全で豊饒な姿を取り戻すのではないでしょうか。だってその方が森も人も楽しいもの




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