森のかけら | 大五木材


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美しき「棘」ホンジュラスローズ②

ホンジュラスローズの話の続きです。ローズウッド、その名前から優美で麗しく高貴な貴婦人のようなイメージを抱かれるかもしれませんが、製材したり加工するときには、身に着けた香水のあまりのけばさに辟易するほど。素材がいいんだからそんなにどぎつい香水をふりかけなくとも十分でしょうと忠告したくなるほど強烈な匂いで、思わずよろめきそうになることもあります。何も気にならないという人もいらっしゃるので、多分個人的な相性の問題だと思うのですがちょっと苦手


そういう時には、「美しいものには棘がある」の言葉を噛み締めながら、加工後に現れてくるであろう優美で麗しきお姿を妄想するのです。さて、ローズウッドは非常に仲間の多い木で、私も全然把握できていません。建築や家具の分野においてはほとんど馴染みの無い木ですから(ローズを使うような高級家具の世界は弊社とは別物)、実際に使用した例も少なく、当社の場合は【森のかけらプレミア36】や小さなクラフトの分野に限られています。

その用途の有名なものとしては楽器があります。同じローズウッドでも、ブラジル・アマゾン河支流ハカランダ河流域に生息することからハカランダ』の別名もあるブラジルの至宝『ブラジリアン・ローズウッド』は、その中でも最高級材として知られ、ギターマニアにとって垂涎の的。楽器と家具、用途は違っても同じ木材なんだからよく知ってるだろうと思われるかもしれませんが、楽器に使う木材というのは通常の材木屋とはまったく別の特別なルートがあり私どもは門外漢。


それより実際にそれで音色を奏でる演奏者の方の方がはるかに詳しく、樹種の違いによる音色の違いなど、製材機の近くで作業していてだんだん難聴の傾向にある材木屋にとっては分かろうはずもありません。なので迂闊にこの分野の事を語ろうものなら、そちらの分野の方から厳しいご指摘が舞い込むのは必至!これから少しずつ学んでいきたいと思いますが、弊社にあるローズウッドはいずれも楽器に使えるような大トロではないので、今後も小さな「かけら」の世界の中で展開していきます

わずか35㎜の「かけら」の中においてさえもローズウッドは存在感を示します。特に小口面の手触りの滑らかさは特筆もので、いつまでもいつまでも触っていたくなるほど。また木目が複雑に交錯した時に現れる複雑緻密な杢は優雅で、それは小さな端材からでも十分に伝わってきます小さな端材においては、辺材の白身もいいコントラストになってローズの赤を引き立ててくれます。ただし、耳の部分はそげらが立ちやすく、刺さると痛さは半端ないので注意!美しいものには棘がある・・・




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