森のかけら | 大五木材


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名作『』は、ダフニ・デュ・モーリエの原作を元にアルフレッド・ヒッチコックがメガホンを撮った動物パニック映画ですが、もしこれからこの映画を観るという人は、どこかで観たことがあると思うようなシーンやシチュエーションがいくつも登場すると思います。それらはすべてこの作品が元ネタとなっているのです。何の理由もなくある日突然、鳥たちが一斉に人間を襲い始めたり、ジャングルジムに無数にたかるカラスの黒い群れといった構図など、もはや紋切り型と呼ばれるほどに使いまわされていますがすべてここが原点なのです。

私がめてこの映画を観たのは小学生の頃でしたが、その時の衝撃は今でも忘れられません。ちょうどこの作品のヒットで、動物パニック映画が雨後の筍のようにバンバン製作された時期で、A級B級含めテレビでもよくその手の作品が放送されてよく観ていましたが、蜂やら蟻やらワニ、蛇、トカゲ、サメ、熊などなど。秘密実験で巨大化、狂暴化したり、アマゾンの奥地であったり、軍の秘密基地の近くであったりと、シチエーションが特別だったのですが、『鳥』はどこでも誰にでも起こりそうな話だったので、明日でもわが身に降りかかりそうな恐怖感が半端ではありませんでした。

ストーリーはいたってシンプルで、突然鳥が人を襲うというものですが、結局その理由は分からないというところが不気味なのです。普通ならば、製作サイドから理由が無くては観客が納得しないとNGが出されるところでしょうが、サスペンスの神様と呼ばれたヒッチコックは、切れ味抜群の演出で最後までひと時も飽きさせることはありません。テレビの放送時には『ヒッチコックの鳥』とその名前が冠せられるほどに、ヒッチコックといえば信頼のブランドだったのです。そんなヒッチコックが大好きな熱狂的なマニアの事を『ヒッチコキアン』と呼んでいました。

今では古典的名作で、その演出方法は映画の教科書にもなるほどで、映画関係者の中にもヒッチコキアンはいて、ブライアン・デ・パルマ監督や大林宣彦監督などはヒッチコキアンであることを自称しています。私はそこまで傾倒していないものの『裏窓』や『サイコ』、『北北西に進路を取れ』、『ダイヤルMを廻せ!』、『間違えられた男』、『ハリーの災難』などタイトルを聞くだけで印象深い場面が浮かんできます。映画に限らず小説や歌謡曲でも昔の作品を知らない(観ていない、読んでいない、聴いていない)若い人が増えていて、木の物語を語る際に引用するのにもひと苦労です。こちらが最新流行に疎いというのも問題だとは思うのですが、さまざまな分野の古典も知っておくと世界観がぐっと広がると思うのです。CGの無い時代にどうやって工夫したか、ひとの想像力は無限。

 




以前に、木材置き場の中で鶺鴒(セキレイ)が巣作りをしている話をしましたが、8月に入るとその姿があまり見えなくなりました。鳥の生態には興味もありませんが、今後の対策を講じるためにも一応調べてみると、産卵期は3~7月ということなので、どうやら今年の巣作りは終了したみたいです。木材の隙間に卵を産むので、うかつにリフトで移動させて卵を潰したりしては可愛そうと、リフトで木を動かすときには卵が無いかを確認するのが習慣化していました。まあこれで気兼ねなくリフトを使えると思って木を移動させていると・・・!

なんとそクスノキの板のわずかな隙間にセキレイの巣があるではないですか!しかもその中には4個のたまごが!これは下手に触ってしまうと親鳥が卵を育てなくなるパターンではと思い、巣の下になっているクスノキを動かすのは諦めて元の場所に戻すことにしました。卵は産んだものの途中で放棄したのかもしれませんが、縁あってうちの倉庫に産み落とされたのですから無事に巣立っていってほしいのですがどうなることやら。それでというわけではありませんが、9月の端材コーナーは、たまたま鳥に絡んだ『バーズアイメープル』の特集です。

バーズアイメープル(Birds eye maple)』とは言わずもがな、小鳥の眼玉のような杢が特徴的なレアなメープルの事ですが、背景は勿論名作『』から拝借。自分の中ではこの木の特集にはこれと前々から決めていた定番の組み合わせだったのですが、意外や意外、この映画の事を知らない人が多くてビックリ!今更紹介するのも憚られるような名作なのですが、1963年の製作ですから思えば半世紀以上も前の作品ですから観る機会がないのも仕方ないのかも。なので少しご紹介します。

サスペンスの神様と言われたアルフレッド・ヒッチコック監督が撮った動物パニック映画の原点にして頂点。このヒットを受けて、1970年代にはさまざまな生物のパニック映画が量産されましたが、この作品が原点であり契機となりました。映画が製作されたのは私が生まれる少し前なので、観たのはそれから随分後のテレビ放送ですが、昔はこういう名作もよく放送していました。最近は新作をいかに早くテレビで放送できるかを競い合うばかりで、古い映画は自分で借りて観るような流れなので、古い映画の共有体験が無くなっていて、こうして取り上げてもなかなか分かってもらえないのは寂しい話です。明日に続く・・・

 




以前に、弊社の倉庫にセキレイ(鶺鴒)という小鳥が巣作りをしているという話を書きました。その時に生まれた雛は驚くほどのスピードで巣立っていったのですが、その間心優しき材木屋のスタッフは巣が作られた木を動かすことを断念し(本当は動かす必要はあったのですが)巣立ちを見守ったのです。どうもその行為がセキレイ夫婦に誤解を与えてしまったようで、どうやらわたしたちは偶然にもセキレイが何をしても罪に問われることもなく何をしても自由で安全な聖地に辿り着いてしまった・・・とでも思わせたようです。

雛が巣立ってセキレイの賑やかな鳴き声が聴けなくなって寂しいなあなんて感傷にひたる時間は数日でした。そのセキレイ夫婦が、あれほどお前たちだけは特別なんだぞ!本当だったら俺は鳥の巣だろうがなんだろうが商売のためなら蹴散らしてしまうことぐらい何とも思ってなんかないんだぞ!今回だけたまたま気分がよかったから見逃してやるんだぞ!と強く伝えたはずだったのですが、日本語がうまく伝わらなかったのか、聖地発見の手柄を自慢したいという誘惑に仲間たちに聖地の場所をリークしてしまったのか、数羽のセキレイが降臨。

野生の獣すらも子供のころから飼ってやれば人の気持ちが伝わって大きくなっても覚えているという話もあるぐらいですから、もしかして「あの時には大変お世話になりました。これは心ばかりのお気持ちですがどうぞ。」と、金貨ぐらい加えて来たのかななんて思った私が浅はか。数日後には倉庫の中に新たな巣が!しかも数か所も!聖地に舞い降りるセキレイの数も日々増えていきます。セキレイネットワーク恐るべし!当初はあれほど警戒していたセキレイも数メートルさきまで平気で寄って来るようになりました。完全になめられている・・・。

敵もさるもの、「ここならしばらく動かすことないよね」っていう木の隙間を選んで巣作りをするとこがまた憎らしい!最初に隙間を見せてしまったこちらの脇の甘さもあるので、まあ仕方ないかと心の大きさを見せつけてやろうかと思っていたら、次第にセキレイも調子に乗ってきて、今までは互いの間で飛行禁止の紳士協定が結ばれていたはずの倉庫内や展示室内に領空侵犯!ある日、二階で鳥の鳴き声がすると思って上がってみると、恐らく迷い込んでしまった展示室の中で、出口を求めて激しく飛び交い展示物が散乱。私の大切な鉄腕アトムのオブジェに糞の跡を見つけたときに、私の中で何かがブチ切れる音が聞こえたのです。いいか、セキレイよ。今年だけは見逃してやるが、今年だけだからな!来年は巣作りしようと思ったって全部売り切ってしまうからな!在庫すっかり減らすんだからなあ~!

 




うちの土場の奥で子育てを始めたセキレイですが、しばらくするとそのあたりからピイピイという複数の可愛い鳴き声が聞こえてくるようになりました。どうやら卵が孵ったようで、そっと巣を覗いてみると巣の中に産毛に包まれた小さな雛の姿が5,6羽見えました。私の気配に気づいて身をすくめる雛たち。あまり怖がらせても可哀想なので、詳しく確認は出来ませんでしたが雛たちは元気そう。私がその場から離れると、すぐに親鳥がかいがいしく餌を運び入れます。口数が多いので親鳥も大変、その奮闘ぶりが身につまされます。


歳時記の七十二候では、3月21~4月4日は春分でますます春らしく暖かくなり、スズメが巣作りを始める『雀始巣(すずめはじめてすくう)』ですが、大五木材においては『鶺鴒始巣(せきれいはじめてすくう』ですが、これってうちだけのことではなく、主役がスズメからセキレイに代わっているところ多いと思います。それから数日は社員も代わる代わる雛たちの様子を見にっていました。その間も親鳥たちはかわるがわる昆虫などを咥えてきてはいそいそと巣に餌を運び続けます。さて、巣立ちはいつ頃になるのだろうかとその時を楽しみにしていました。

そしたら昨日、いつものように親鳥が口に餌を咥えて屋根に家にいるのですが、様子が少し変。辺りをキョロキョロ見回して巣の周辺をグルグル回っています。雛に何かあったのかしらと巣の様子を見に行くと、昨日まであれほど押し合いへし合い5,6羽がすし詰めになっていたはずの巣が空っぽ。もしや巣から落下したのかと下の方を探しましたが見当たらず。ヘビか野良猫にでも襲われたにしては巣がまったくの無傷。しかし雛たちの姿はどこにも見当たらず。親鳥も明らかに慌てているようで周辺を飛び回っています。

倉庫の中にヘビや野良猫が紛れ込んでいることはあるのですが、ヘビが動き出すにはまだ少し早いように思われるし、何者かも襲撃を受けたにしては巣が無傷。セキレイの雛失踪事件の手がかりもなく、突如5,6羽もの我が子たちを失ってしまった親セキレイの悲痛な鳴き声(そう聞こえた)に同情しながらも仕事に戻りました。親たちの捜索は夕方まだ続いて、子を持つ親としては不法占有ではありながら、守ってやれなかったことに対して少しだけ後ろめたさも感じていました。そしたら仕事終わろうかとしていた4時過ぎ頃にスタッフが土場の片隅をヨチヨチ歩く1羽の雛鳥を発見!

なんと、数日前にはまだ産毛が生えたばかりのように見えていた雛がすっかり逞しくなって巣立ちしていたのです。それで巣が綺麗なままだったのか。無事でなにより、それにしても他の雛は?と積み上げられた木材の奥の方をよく見てみたら、小さな動く影がいくつか。どうやら巣立ちはしたものの倉庫の奥の隙間とかに迷い込んだみたいで、親も見つけられなかったようです。それから続々と雛が現れ、親とも無事再会。そのうち徐々に飛び上がるようになり、しばらくすると親と共にどこかに飛んでいきました。少し頬の緩んだ今年の『鶺鴒始巣』でした。

 




毎年、この季節になると弊社の土場のあちこちで鳥たちの巣作りが始まるのですが、今年も類に漏れず、朝から土場では鳥の鳴き声が喧(かまびす)しい。以前はハトやらスズメやらが来ていたのですが、この数年多いのはやたらと甲高い声でピイピイ啼いて、チョコチョコと走り回り、飛び方が独特な鳥、セキレイ。セキレイにもいろいろ種類があるらしいのですが、とにかくせわしない鳥で、その姿をカメラに収めようとしても動き回るのでアップの画像を撮ることが出来ず、ハッキリ分からないのですが恐らく『セグロセキレイ』ではないかと思います。

ハトの場合は、とにかく木材の上に糞をするので極力木材の上部での巣作りにはご遠慮願っているのですが(可哀想だけど巣が完成する前に撤去させてもらう)、小さな鳥だとどこに巣を作っているのか気づかない事もあります。巣を見つけたとしても卵が産まれていたら、巣立ちまでは不法滞在を認めることにしています。今年は少し奥のクスノキの板の間に巣を作っていて、見つけた時には既に既成事実が出来ていたので、見事セキレイが占有権を獲得。しばらくの間はクスノキの板は動かせない事になりました。

セキレイは尾をフリフリさせるので特にその姿が目に付くということもあるのかもしれませんが、最近この辺りでスズメの姿を見かけなくなりました。それで気になったので調べてみると、なんと衝撃の事実が!ある調査によると、スズメの生育数が全国的に激減しているらしい。この20年で最大80%減、50年前と比べると90%も減っているそうです。その理由のひとつに、住宅産業界が関係していると知って重ねて衝撃。昨今の住宅は洋風化が進み、軒の出が無いスッキリしたサイディングの壁面が多くなり、スズメが巣を作る隙間スペースが無くなってしまっているのです。

その他にも田畑の減少や、雛の餌となる昆虫が生育できる場所が減った、逆に急増しているカラスに雛が襲われるなども原因とされているそうですが、巣作り出来る和風の木造家屋の減少はこういうところにも影響を与えていたのかと思うと複雑な心境です。そうして少なくなったスズメにかわって生育範囲を広げてきたのが、環境への適応能力が高いセキレイだということ。うちに巣作りしているセキレイはすっかりこの場所を自分のテリトリーとしたらしく、堂々と土場の中を飛び回っています。明日に続く・・・

 




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