森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

弊社の事務員さん、仕事とは別に個人の趣味として糸鋸木工の教室に通われていて、毎月その月に合った作品を作って、会社の受付カウンターに飾ってくれています。もう何年も通われていて、すっかり腕も上達されてかなり複雑な作品も作れるようになってレベルもどんどん上がってきています。3月には『キャラクターの雛飾り』を製作して持ってきてもらいました。丁寧にペイントも施して見事な出来栄え!毎月、その作品を楽しみにされているお客さんもいるほどに月々弊社のカウンターに彩りを添えてもらっています。

素材は主に『アユース』。軽軟で狂いが少なく加工性のよいことで知られるアユースですが、建築材としてはその軟らかさから釘、ビスが効きにくいとして避けられることが多く、いまひとつこの辺りでは利用頻度が高くはありません。塗装などペンキのノリは最高なのですが、木目がほとんど出ないことから弊社の取引先の工務店さんの間ではあまり歓迎されなていません。それでも時々、300㎜を越えるような幅広で、節が少なく素性がよくてリーズナブルな木材という難注文の際には活躍してくれる木材でもあります

そういう時に仕入れたアユースが結構残っているのですが、建築現場からはなかなか声が掛からないのでどうしようかしたと思っていたら、糸鋸で活路を見出しました。最近糸鋸木工など自宅DIYも盛んであちこちから声は掛かるようになったものの、個人の趣味程度なので出口自体もまだまだ小さく、どうやって広げていくかが今後の課題です。軟らかすぎて他の樹種とのバランスの問題で『モザイクボード』などにも使いにくいので、アユースなどの軽軟な木たち向けの出口の開拓を考えているところです。

そう考えるとやはりアユース製のモールディングって材の適性を見事に突いた出口だと思うのです。癖も少ないので、割り返しても反りにくいし、ほとんど節もないのでソツも少ないという扱いやすい木であるにも関わらず、偏屈材木屋にしてみると「素直」すぎる木とか、メジャーすぎる木ってあまり心惹かれません。誰にでも扱いやすい木なんだったり、誰もが知っている木なんだったら私の出る幕がない、なんて考えてしまうひねくれ者ですから。だからといって暴れたり反ったり割れやすい木を歓迎しているわけではないのですが。




マツの話ついでに本日はトドマツではなくアカマツの話。先月大量に入荷したアカマツとヤニの話をアップしましたが、そのアカマツについて。とりあえず小口をカットして乾燥の促進と、整理番号を付けて桟積みも終わり、これからはしばらくの間、倉庫でお眠りいただくことになるわけです。昔であればその工程で発生する端材と鋸屑は焼却炉に消えていく運命であったわけですが、今は『商品生産』の場面でもあります。今回は生(未乾燥材)のアカマツでしたので、当然鋸屑も生です。

アカマツの板に丸鋸の刃を入れるとジュルジュルというぐらい勢いよく黄色い鋸屑が飛び出します。同時にそのあたり一帯にマツ独特の香ばしい匂いが立ち込めます。偶然その作業中に会社に来られた一般の方が、「あらいい匂い!」と仰っていましたが、日本人なら落ち着く香ばしい匂いかもしれません。板の数も半端なく多かったので、出てくる鋸屑の量も半端ではありません。生材の鋸屑なので、匂いも激しいものの水っぽいので、瓶詰しておくとカビの心配もあるので、『森の砂』に加えるかは検討中。

たっぷりと集材できたのですが、途中あたりからは綺麗にカットできるかどうかというより、うまく鋸屑を取れるかどうかということに注意が向いてしまい、あわや本末転倒。しかしこれ、『森の砂』の出口がなければいくら匂いがよくても、いかに目に鮮やかでもただのゴミ。苦労して集めたからという事もあるのですが、『森の砂』のライナンップに加えられなかったとしても、こうなったら決して捨てたりはしません。ならば更に「生の鋸屑」のための別の出口を用意しなければならないのか?!

一般の方が「いい匂い」と言われたて思い出したのですが、そういえば以前にも木のおもちゃを買いに来られた年配の女性の方が、倉庫を通られた時に「うわ~、木のいい匂いがする~!こんなところで暮らしたい~!」と本心の歓喜の声をあげられていたことを思い出しました。長年毎日木に囲まれて過ごしていると、それが当たり前になって特別な感情を抱かなくなってしまっていますが、よくよく考えれば街の中でかなり贅沢でエコロジカルな職場なのだと再認識。




ある研究によると、およそ全ての色について女性は男性よりも色を識別する能力に優れており、より細かな色の違いを見分けることが出来るそうなのですが、高校生の娘たちと話しているとそれはよく分かります。男が識別能力に欠けるという事もあるかもしれませんが、それよりも細かく識別する事自体に興味がないということもあると思います。娘たちが話している服の色の微妙な差にどれほどの意味があるのか、それが分からない・・・。これは男性が、というよりも私個人的な見解です。

視力とかいう話ではなくて感受性の問題なのかもしれませんが、服とかだけでなくて仕事である木の色についても言えることで、そもそも持っている語彙が少ないという事もありますが、木の色合いの微妙な違いを言葉で表現するのがとっても苦手。木の場合、伐採直後こそ水分が多くて瑞々しいものの、しっかり乾燥してしまえば全般的に色が淡くなるので、その違いも本当に微妙になるため、違いを伝えること自体容易ではありません。このブログを書いていても的確な表現が出来ず臍を噛むことしきり。

分かりづらい色の区別の中でも特に黄色が苦手なのですが、『カーキ色』なんて未だにどれがそれ何だかよく識別出来ません。薄くて淡い黄色ぐらいの表現で別に困ることのありませんが、先日加工した木材の利用用途に「カーキ色」の名前が!その木とは、中南米産のクワ科の広葉樹『タタジュバ(Tatayuba)』。国によっては『モラル(Moral』とも呼ばれる木で、高いものでは40m近くにまで成長する大木ですが、私も出会ったのは数年前の事で、未だにその明快な用途は定まっていません。

とりあえあず仕入れてみたので、これから探り探り適性を見つけていこうと考えているところです。気乾比重0.77で、非常に重硬でシロアリにも強く耐久性も高いため、海外では船材としても有力だそうです。他にも橋や桟橋など水に浸かる重構造物やボート、水槽にも利用されるのですが、材質以上にこの木を有名にさせているのはその色合い。仕入れた時は、表面がすっかり日焼けしていて濃い赤茶に退色していて本来の色合いが分からなかったのですが、削ると鮮やかなオレンジ色が現れました。




弊社のオンラインショップに先日アップしてみたのが、ロマンスグレーの渋い『エイジングパネル』。恰好よさげな名前をつけていますが、要は日焼けして灰褐色になった杉板をカットして裏に桟を付けただけのもの。ひと昔前であれば、日焼けして灰褐色になった時点で商品価値は無くなり、焼却炉行きになっていましたが、今やこの質感が求められる時代。そういった材がありませんか?という問い合わせもあるぐらい。狙ってそうしているわけではないものの、材木屋にはどこにも少しはそういう材があります。

弊社でもかつては、『さっさと売らないから売り物にならなくなってしまった材』という残念と失望の材でありましたが、時代は変わりました。もともと商業店舗などでは、昔の古材を装飾的に使うことはあったものの、最近では個人の住宅などでも使いたいという要望が急増。そういうわけで、弊社でも意図せずそうなってしまった材の出口として商品化してみることにしました。それがこちらの『エイジングパネル』。まだ試作段階なので、今後仕様も根本的に変えるのかもしれませんがとりあえず。

試作サイズは430X430X24㎜、エイジング杉板が12㎜で裏の桟厚が12㎜。接着剤で止めているだけですが、反応を見てビスなり金物で接合するかもしれません。実は試しに作っている途中から、それを見て面白がって、本格生産するなら使いたいという人が数人いらして、エイジング材の人気を肌で感じています。試作と言わずにもっと作ってみたらとも言われたのですが、生憎というか幸いというか、そういう風な状態になったエイジング材が少ししかなかったため、パネルサイズで8枚のみの試作。

もしこれで評判がよかったからといっても、すぐにロマンシンググレーが作れるわけではなくて、そこは時間がかかります。ということで、調子に乗って早速エイジング材の製造に入ることに。つまり日焼けさせるわけですが、そこは『モッタイナイイズム』が背骨である弊社のこと、まっさらの新品をそんな事にはしません。ちょうど秋の台風で大雨に晒されて使い物にならなくなってしまった材があったので、それを裏の土場に並べて計画的生産を開始。これから数か月、何もしない仕事があります。




以前にこのブログでも紹介した『樹齢200年のホルトノキ』ですが、製材所で板に挽いてもらって弊社に戻ってきました。それがなかなか結構なボリュームでして、これはまた「ホルト祭り」開催の予感!?木材市場に並ぶことのないような木を扱ったりすると、同業者からよく「こんな木どう使うの?」なんて質問を受けますが、そんな質問をすること自体私には理解不能。明確な目的があるから仕入れたり、受け入れてるわけではなくて、いろいろな木を見てみたい、触れてみたいという一途な気持ちのみ

 


木との出会いも一期一会だと考えているので、とりあえず受け入れてから使い道を考えればいいと思っています。とはいえ、まったく出口も見えない中で勝負に出ているわけでは無くて、小さなところでは【森のかけら】や『モザイクボード』という小さな出口も持っていますし、別口に現在取り組んでいるノベルティなどにも使います。それこそ究極は『森の砂』という新たな出口も出来ました。大きなモノは、大きいなりにテーブルや座卓などの家具からカウンターなどにも利用します。

 

規格の建築材の枠の中で考えると、利用が難しい材もありますが、エンドユーザーに近いところで、建築以外の用途でも考えれば『使えない木』などありません。前例が無いからやらなかったり、造っても売れないからやらないというだけで、道を切り開けば新たな市場も生まれます。「どう使ったらいい?」なんて聞かれることもありますが、そんなの私とて試行錯誤中で、明確な答えなど持っていませんし、持っていないからこそやってみたいのです。逆に決まっていたらオモシロクナイ!

 

眠れる魅力を見つける楽しみこそが多種多様な木を扱う醍醐味であり特権だと思っています。そういう意味ではこの200歳のホルトノキなどは、板になって帰って来た姿を見るだけで胸が躍ります。さあ、どう使おうか!どう木取りしようか!どういう形で活かそうか!そんな一番美味しい部分を他人に委ねたりするなんてあまりにもモッタイナイ!失敗を繰り返しながら時間をかけて木と向き合って自分なりの答えを探していく・・・それは私にとって誰にも邪魔されたくない至福のひとときなのです




オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2018年7月
« 6月    
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  
Scroll Up