森のかけら | 大五木材


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★今日のかけら #063【神代朴/ジンダイホオ】 モクレン科モクレン属・広葉樹・宮崎産

土中に数百年もの間埋まっていて、道路工事などで偶然掘り出された木、土埋木(どまいぼく)。「埋もれ木」とも呼んだりしますが、あまりにも長く地中にいたため、地下水や土中の成分、圧などによって元の木とはまったく異質なものに変成し、色合いも風合いもすっかり元の木とは違うモノに化けてしまうものもあります。愛媛でも稀に出土するものの、訊こうが温暖なこともあってか、コンディションのよい状態で出てくることはほとんどありません。

弊社にある土埋木もそのほとんどが東日本で掘り出されたものです。経年変化によって独特の風合いを醸し出していて、ものすごく雰囲気があるのですが、中に炭化しかかっているようなものもあり、本来の木の性質は既に損なわれてしまっています。なので乾燥に伴いどういう風に変化していくかが分からないので、精度が求められる用途には使いにくく用途も絞られます。若い頃にその面白さに惹かれて土埋木で建具を作って痛い目に遭いました。

何事も経験です。ところでそんな土埋木の中でも、とりわけ保存状態がよくて、木目や色合いなど総合的に判断して銘木的な価値のあるものについては、特別に「神の代(みよ)から土中に眠り続けられた木」として、『神代(ジンダイ』という冠が授けられるという話は以前にも書いた通りです。銘木の世界では神代と呼ぶには、最低でも500年~1000年ぐらいは土の中でお眠りいただいていないと、ふさわしくないとも言われていたりします。

そういう意味では弊社はあまりに気軽に神代を使いすぎていて大変不遜ではあるのですが、500~1000年ものの歴史的価値のあるような高級銘木とは縁の無い零細材木屋ゆえ、どうかご容赦いただきたい。そんな弊社にある神代木といえば、秋田富士とも呼ばれる名峰・鳥海山から出土した『神代杉』や『神代欅』。旭川から出土した『神代楢』や『神代楡』、『神代タモ』。珍しいところでは『神代胡桃』なんてものもありますが、銘木屋からは笑われるレベル。明日に続く・・・




これで最後、これで最後と言いながら、無くなったら倉庫の奥の方からまた一枚、また一枚と出て来ていたアフリカ産のマメ科の大木『ブビンガ』ですが、長さ3m超えでカウンターに使えるサイズのモノは本当にこれで最後です。うちの『長期間乾燥させたカウンターサイズのブビンガ』が最後というだけで、世の中からブビンガが消え失せたというわけではありません。まだまだ「あるところにはある」わけですが、2017年の1月からブビンガもワシントン条約の付属書IIに指定され、輸出入に規制がかかっています

同時にローズウッド全般(ツルサイカチ属 / Dalbergia)にも規制がかかりましたが、付属書IIへの掲載なので、一切輸出入禁止というわけではなく、産地証明や輸出許可の証明書等を揃えれば、商材としても輸入することは可能ですが、その手続きがかなり煩雑で、実際どれぐらいの量がその高いハードルを乗り越えて日本に入って来るのかはなはだ疑問ですが・・・。地方の零細材木屋にとって、例えば東京の新木場にOOという木がある、といってもそれはあまり意味が無い話で、手の届くところになければ夢の話。

という事で、弊社の最後のカウンターサイズのブビンガですが、2枚とも同じ現場で使っていただくこととなりました。売れて嬉しいのは当然ながら、在庫が無くなるという事に一抹の不安もあり。かつて高度経済成長期に使いまくった東南アジア産の『ラワン類』が、極端な大量消費によって市場から姿を消しましたが、『ラワンが消えた日』はかなり先輩の材木屋から聞いた思い出話で、私が業界に入った頃には既にほぼラワンは無くなっていました。ラワンと同じ運命を辿る『ブビンガの消える日』には立ち合う事になりそうです。

さて、こちらのブビンガの仕上がりについては日を改めてご紹介させていただきます。かつてはたっぷりブビンガを在庫していたので、少し赤みの強い色のある板は無いかという時の最終兵器として随分助けてもらいました。そのお陰で、取引先の工務店散には、赤みの木=ブビンガという構図が出来ていたのですが、さすがにこれからは違う木にその役目を譲らねばなりません。それですぐに赤身の木という事で思い浮かぶのが、『カリン』と『アパ』。実はここ数年取り扱いがほとんど無かったのですが、久しぶりに扱わせていただいたこの2つの木について明日後日写真が揃い次第ご紹介させていただきます。




先日のブログで、6.4mの長いパドックの板を使ったいただいた話をアップしたところ、そんな長い板があったら使いたかったのに~というお声が数件あがりました。過去の現場を引き合いに出しての「もしも話」がどれだけ意味のないモノかは嫌というほど味わっているので、そこにわずかな悔いも無念もありません。それよりも、やはりこういうモノも持ってますというPRは言葉だけでなく、実物をいつでも見えやすい場所に展示しておいて、頭の片隅にでも置いてもらう必要があると感じましたので、あの時一緒に奥から引っ張り出した一枚を製材する事に。

まだ6.4mのビシビシの一枚板は数枚残っているので、根元に大きなコブがあってそのままでは使いにくい一枚を、コブのところでカットして、更に厚みを半分に割って、使いやすいサイズにして倉庫の見やすいところに置いておくことにしました。ということで2枚に割ったコブのところがこちら。長さは1.5m足らずですが、幅は広いところで1100㎜にもならんとする大きさでかなりの迫力!板のままでは経年変化で表面がすっかり色褪せてしまって、何の木なのかすらも分からない状態ですが、厚みを割ると眩しいほどのオレンジ色が出現!

こういう風に耳の変化が極端だと、使いにくいと仰る方もいらっしゃいますが、弊社にご来店されるような方は、まず「普通の木」なんて求められていません。先の店舗でも、オーナーが「本当はもっとパンチのある木が欲しかった!」と仰られていたぐらいで、多くの方が使いやすいとか利便性よりも、エッジの利いた存在感とか、とんでもない豪快さ、呆れるような個性、非常識なサイズ、マニアックなこだわりなどを求められます。あまりそういう事ばかり言っていると、普通の方がドンドン来店しにくくなってしまいそうですが、もはや後戻りは出来ません。

われ、この道を突き進むのみ!の心境で普通ではない独自路線を極めることでしか、零細弱小材木屋の生きる道はないと思っています。それはともかく、ご来店された方は是非このパドックも見ていただきたいです。商業店舗のテーブルだけを狙っているわけではありません。いや~面白いから自宅に使ってみようか!なんて方もお待ちしています。黒い筋が入っていますが、これは木の柄ではなく鋸刃の跡なので、削ればこの筋はなくなります。これから仕上げてオイルを塗れば、浸透してもっとオレンジ色が鮮やかに映えます。厚みは現状で60㎜と75㎜

加工して仕上げれば現状から-5㎜程度で収まると思います。出来る事ならこの形のまま使っていただきたい。根元の方なので杢も面白くて、昔ならば衝立という出口もありましたが、さすがに今時はこのサイズの衝立が置けるようなエントランスのあるような家もないでしょうから、テーブル座卓が出口になると思います。乾燥は完璧ですので、このサイズとしては信じられないぐらい軽いています。6.4mからこのコブをカットして残った(というかそちらがメインともいいますが)、ほぼまっすぐな耳の一枚板もありますのでパドック好きな方はパドック尽くしという手もありますぞ!




6.4mのパドック、さすがにヒョイヒョイと簡単にひっくり返すことも出来ないので、リフトですくって上まで上げて下から覗き込んでは、あーでもない、こーでもない。昨日書いたように元の方に大きなコブがあって、通常のカウンターとしてはどう考えても収まりが悪い木だったのですが、わざわざ弊社にまで木を見に来られるお店のオーナーですから、これぐらいの変化は全然許容範囲。それどころかもっとパンチのあるのが欲しかったと仰っていただき、いよいよ偏屈材木屋にも店主を超えるような偏屈者が集まってくるようになったと感慨ひとしお!

しかしまあそこは現場の設計上の収まりやバランス、コスト、納期等々複雑に入り組んだおとなの事情という事もありますので、どこかでは着地点を見出さねばなりません。オーナー的にはこの変形に強く惹かれておられたと思うのですが、今回泣く泣く「おとなの事情」というものを汲み取っていただき、もう一枚のあまり変化の少ない方に決めていただきました。変化は少なくとも、もっとも辺材部分なので、樹皮もガッツリ残っていてどういう風に使うかというところでセンスが問われます。

アングルの関係+カメラマンの腕で、なかなかこの巨大なパドックのスケール感が伝わらないのがもどかしいのですが、リフトで上げた板を下から映せば少しは伝わるかも。丸太を太鼓挽きにした一番外側の板なので幅自体はそれほど広くはないのですが、長さ6.4mというところにこのパドックの価値があります。弊社に辿り着く前に既に、板になって10数年以上が経過していたということもあって乾燥は完璧!地べたにおいて、相当に頑張ればひとりで裏返せないことはない程度まで乾いております。

お客さんにしっかり乾燥していますよ~という事をアピールするためのデモンストレーションでよくやる手ですが、最近は腰への負担を考えて禁じ手としていたものの、さすがにこれだけ乾燥が完璧だと個人的に出来るかどうか挑戦したくて、お客さんがいない時に挑んでみました。板がスローモーションのようにゆっくりひっくり返っていく瞬間、何とも言えない快感!そうやってこんな大物が人間ひとりの力でひっくり返せるようになるまでには、どれだけの時間が費やされてきたことか・・・。

逆に言えばそれは「売れなかった時間」とも言えますが・・・。昔みたいに大工や工務店さんが、在庫としてこういう材を買っておいて自社で乾かすということなら生材ででも売れたのですが、今は「たちまち今すぐ現場で使う必要な量を必要なだけ」買われる時代。いかに乾燥材を持っていてタイミングよく販売できるかという事が命題です。偏屈な主が偏屈な木材を売る弊社の場合は、そんな木を受け入れてくれる寛容で偏屈なお客さんといつ出会えるかということになりますが、最近その機会が急速に増えてきたというか、そんな人ばかりになってきた!嬉しいぞ~!続く




大五木材にあるもっとも長い一枚板は6400㎜の『パドック』です。あまりに長いため、狭い倉庫で置いておく場所も制限されます。サイズがサイズだけに滅多に声がかかることも無く、せいぜい一年に2,3回くらい長尺カウンターありませんかと問い合わせが入って、こっちもそういえばアレがあったなと思い出す程度。通常は差し掛けの倉庫の一番奥の奥にしまいこんでいるので、ちょいと見ようと思っても、頭(?)だけを湖面から出したネス湖のネッシーみたいなもので全体像は想像していただくしかありません。

一応奥に片づける前に全身の写真は撮っているものの、あまりに長いので写真からはその大きさがほとんど伝わりません。やはりこういうものは自分の目で直接見ていただく事が肝心。しかしその前には、親のかたきとばかりにこれでもかとギュウギュウに積み上げられた木材があって、リフトで簡単にはねのけて、なんてレベルを超えています。なので、興味本位の方には申し訳ないですがご遠慮願って、このパドックを本気で使いたい、向き合いたいという熱い思いを持った人が現れた時に限って倉庫の奥からお出ましいただいております

そうしたら先日、そんな奇特なお客さんが続けて二人も現れまして、数年ぶりにパドックがお出ましになることになりました。持っていた広角レンズを割ってしまったため、アイフォンのカメラではスケール感が伝わりにくいと思いますが、最大のものは長さは6400、幅は800~1100㎜程度、厚みは125~130㎜。1本の原木から取れた7枚の板があり、1枚は売れたのであと残り6枚。今回は現場の収まりの都合で、その中では比較的狭くて耳に近い板を検討していただくことになり、近いサイズのモノを2枚用意しました

そのうちの一枚は元の方に大きなコブがあって、そこから先は細っているという変形なのでちょっと使いにくい形。しかしこういうモノに興味を持つ方っていうのはむしろこういう変形サイズに惹かれる人が多く、案の定オーナーもこのコブが何とか活かして使えないものかと工務店さんと皆で真剣に思案。ああでもない、こうでもないと何度もリフトで板を裏返したり向きを変えたり、こういう話をしている時が材木屋をしていて一番楽しい時!明日に続く・・・




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