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| ほとんどの材木屋、製材所さんはこれを見て、「廃棄処分すべきゴミ」あるいは「チップ」、なかには「バイオマスの原料」なんて思うひともいるかもしれませんが、いずれにせよ『必要部位を取った処分すべき残り物』という認識だと思います。実はこれ、弊社で『マツの木杭』を取った時の端材です。大五木材における木取りの優先順位の上位については昨日触れましたが、造作や家具を頂点に、その下には【森のかけら】や『モザイクボード』など30~35㎜角仕上がりの自社制作商品の貴重な原料という出口が控えています。 |
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そうして【森のかけら】などの原料(40×40㎜の角材)を取るために更に細かく挽き割ると、残りはこんなペラペラなものになります。【森のかけら】では丸みは使えないので、耳のエッジの緩い部分などはどうしても使えません。そうやって残った、申し訳程度に樹皮に身(肉)がついた部分。これでもまだ焼却炉には行きません。ここから更に厚みが薄い商品、うちの場合だと仕上がりが厚み10㎜の『誕生木ストラップ』を木取りします。樹種によっては別のストラップに。 |
| そうして残ったのがこちらの、触ればそれだけで折れてしまうような本当にペラペラの部分。さすがにここまで来ると、これを割ったり削ることの方が危険なので、これでようやく原料という名前が外れます。それでも少し肉付きよければ焼却炉ではなく、『ここ掘れワンワンお宝発掘』コーナーに移送。これはこの袋の中にあるもの無料なので、クラフトとかされる方どうぞご自由に発掘してもって帰ってくださいね、というコーナーです。残念ながら今の私の物差しでははかりきれなかったモノも、違う人の物差しだと生かせるかもしれないという大五木材の最後のセーフティーネットです。 |
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それでも端材視点で見れば、「その上から目線が人間の傲慢さなんじゃ!まだまだ護摩木だっって、マッチ棒の軸だって、割り箸だって、取ろうと思えば取れるじゃろうが~!骨までしゃぶって使うというならせめてそれぐらいしたらどうじゃ~!」と怒られてしまいそうです。本当はここからもう一段階何かを取り出せればいいのですが、あまり行き過ぎると端材に軒先貸して母屋を奪われかねない(既に一部そうなりつつ場所もある)ので、心を鬼にして端材たちの声から耳を塞ぐか、体中にお経を書くしかないのです、合掌。 |
| 大五木材における木取りの優先順位としては、内装に使う造作や家具などがもちろん最上位。こういうモノは、昔は荒材のまま大工さんの作業場所に運ぶというのが常でしたが、最近はほとんど加工して現場納品となっています。私が大五木材に入社した頃から木を加工切削する基本的な加工機だけは置いていましたが、それはうちで使うというよりも、ここで手刻みに来る大工さんが使うためのものでした。なのでうちで木を本格的に加工するなんていうのは、私が入社してから10年ぐらい経ってからのことでした。それからは時代は移り、木は加工して現場に収めるものに。 |
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プレカットが主流となってからは、手刻みされる大工さんもほとんどいなくなり、加工されたものが現場に届くようになったため、弊社にも大工さんが来られることがすっかり少なくなりました。昔は図面を事務所の机の上に広げて、ラインマーカーで色付けしたりして、縁甲板には何の木を使って、この框は何にしようかと喧々諤々やり取りをしたものですが、今はそれもメールで済むし、大工さんのところに図面が来る段階で既に木材の使用は決まっている。あるいは大工さんのその決定権が持たされていないという現状。 |
| まあそれはそれで仕方がない事で、それに合わせて弊社で木の事を打ち合わせする対象も、大工さんから設計士さん、デザイナーさん、コーディネーターさん、あるいは施主本人へと移り変わってきました。それでこれこれこの木を使いたいという事になると、うちにある加工機に入らないようなサイズのものや高度な技術が必要とされるものは、木工所や家具職人さんの工場に持ち込みます。簡単な加工についてはなるべくうちでやるようにしています。その場合かなりザックリした加工が多く、樹皮があることも少なくありません。 |
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耳を生かしたいというのは、テーブルやカウンターのケースが多いので、そういうのは家具屋さんに頼みますが、シンプルに割るとか耳を落とす程度の作業はうちで行います。【森のかけら】や『モザイクボード』、『森のりんご』などはこうしてうちで適当なサイズに荒割りしたものを、それぞれの木工所に送って仕上げ加工してもらっています。すると写真のような少しだけ「身あるいは肉」のついた引き落としが発生します。私がモッタイナイの精神の権化みたいなものですから、当然まだこれで捨てたりなんかはしません。 |
| 右の写真は、長さ3m~4m、幅150~180㎜、厚み30㎜のスギ(杉)の板。久万高原町にある大孝木材さんで定期的に挽いてもらって、弊社で桟を切って天然乾燥させています。以前の主な用途は屋根の内部や屋根瓦の下に風が吹き込むのを防ぐために、屋根のケラバ(妻)部分に取り付けらる『破風板(はふいた)』でした。それが最近はデザインを重視して妻軒を出さないような家が増えてきて、徐々に『破風板』としての需要は減ってきました。しかし、その頃から弊社では破風板以外での需要が急速に増えてきました。 |

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1つは、破風板同様に以前から少しは需要のあった棚板などの内装材としての用途。以前はこれほど節の多い木をあらわしで使うことが憚(はばか)れて、節の少ない木が使われたものですが、最近はあえて節があったり、色ムラが激しいと、『ナチュラル』という風に評価されるようになり、こういう木がウェルカムで迎えてもらうようになりました。これって最近の若い方の嗜好の変化もあるかもしれませんが、昔だって施主側に強いアレルギーがあったわけではなくて、造り手側の判断で、選択の俎上にすら乗せてもらえなかっただけで、これで問題ないという人も多かったのでは? |
| まあ、それは家全体のバランスの中で考えるべきもので、節のあるような器量の無い材など和室の化粧柱に使えるか~!という時代の中では、そういう扱いだったのかも。2つ目の出口は、リーズナブルな家具の材料。こちらも、節や色ムラに対する拒否反応が無い世代からは、価格も下がるし、節がアクセントになったりするので歓迎されています。以前は白系で節が少なく価格も安かった米栂(ウエスタン・ヘムロック)が受け持っていたポジションが杉に移った感覚。そういう事で、このサイズの杉板の需要は飛躍的に伸びているのですが・・・ |
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そこで気になるのは、これらの木材を本来の用途であった「破風板」と呼ぶことの違和感。破風板に限らず、建築においては使用する部位の名前で木を呼ぶので、同じサイズの木でも屋根に使えば「垂木(たるき)」で、足元に使えば「根太(ねだ)」という風に呼び名が変わります。家具で使うお客さんに対して、つい「破風板を3枚ですね」と言っりするのですが、その言葉にお互いが感じる妙な違和感。シンプルに「5寸幅の板」とか「6寸幅の板」と呼んだ方がいいのかも。あっ、寸という呼び方自体が今の人には馴染まない? |
| 昨日のパドックは、6.4mのロングサイズの『パドック』を「解体」したものの一部ですが、ロングサイズのパドックといえば、春に行った岐阜の市場に出品されていた6.4mのこちら!弊社で在庫している6.4mのパドックは、縁があって10年ぐらい前に入手することが出来たもので、さすがにこれぐいのサイズのパドックはなかなか手に入らないだろうと思って、思い切ってまとめて『おとな買い』しました。普段は小さくて安価なサイズの板を沢山買って、ボリュームで勝負する買い方の私にとってはかなり思いきった仕入れでした(ドキドキ)。 |
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それまでに10年以上も経過していて、乾燥状態が完璧だったというコンディションの良さが、私の背中を押した要因ですが、こういうサイズの木は『注文があるから仕入れる』というのではなく『先を見越して仕入れる』という感じなので、8枚ほどまとめて仕入れたのですが、最初の1枚目が売れるまではかなり不安でした。「材木屋なんだからせめてこれぐらいのモノは持っていないと恥ずかしい」なんて大見得を切って仕入れたものの、ずっと売れなかったらどうしようなんて内心焦りもありました。その後時間はかかったものの半分ぐらいは売れてくれてひと安心。 |
| 今は逆に、全部売れたらどうしようなんて思ったりもしていますが(笑)、そんな時にこのパドックに出会いました。一昨年から今の時代に即して商品構成にするため本格的な在庫の見直しに取り組んでいて、前時代的な商品には別の出口を見つけて再加工したり、廃盤の商品などは見切りをつけて、今後は建築分野以外でも活用できる材という基準で在庫を調整しています。そういう時期でなければ、思わず衝動買いしてしまいそうなほど魅力的なパドックでした。10年前とは逆に、まだ未乾燥だったことが私の心にブレーキを踏ませました。 |
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嗚呼、私もモノの分別がつく歳になったものだと感慨にふけっていたら、一緒に行っていた金沢の御大がそのうちの数枚を落札!その様子を隣で見ていて、思わず私も「いかん、これは買っておかないと!」と衝動で手を挙げそうになりました。危ない、危ない・・・。他人が買ったものはよく見えるとはこういう事で、後から見れば見るほど、買っておくんだったなあと思うものの、冷静になれば買ったとて置く場所にも窮する。在庫している6.4mパドックも倉庫の奥の奥にしまい込んでいて、「ちょっと見たい」と言われても簡単には動かせず |
| 以前ならそれでもやっぱりあの時買っておくんだったとダラダラと後悔したものですが、最近は倉庫の現状やら経営環境の変化をしっかり受け入れ、引きずることはありません。身の丈に合った仕入れが大前提。といいつつ、ここ一番の勝負場まで我慢を重ねます。ところで、いま在庫しているパドックはいろいろ紆余曲折があってから弊社にやって来たのですが、このパドックを見て、もしかして大元の出どころ(製材所)は同じところだったのでは?と思ったりもしました。うちに来る前に謎の期間が10年以上はあるということなので延べ20数年以上も前の話で、真実は闇の中・・・木は語らず。 |
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★今日のかけら・#102 【水目桜/ミズメザクラ】 カバノキ科カバノキ属・広葉樹・宮崎産
| これはあくまでも松山で30数年にわたり木の仕事に従事してきた材木屋としての経験からですが、愛媛とくに松山市においては昔から材木屋の中で広葉樹に対する知見が浅くて、その扱われ方も杜撰でした。歴史的に広葉樹が松山でどういう位置づけだったのか知らないのですが、木材市場でのその扱われ方を見ていると、あまり興味や関心が無かったと思わざるを得ません。愛媛を代表する森林地帯・久万高原町の奥に位置する小田や美川地域は紅葉の名所としても知られるところで広葉樹も豊富ですので、用材としても出材されてきた歴史はあるとは思うのですが。 |
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戦後早くから米材の大型工場などが出来たこともあってか、愛媛では米材をはじめとする海外の大径木が入ってきて、海外の木材輸入ルートが確立されていました。そのためそれほど大きくはない国産広葉樹を手間暇かけて加工するよりは、値段も安く加工も容易な海外の大木の広葉樹に流れたのかもしれません。そもそもがスギ・ヒノキの産地ですから、広葉樹の需要が細かったのだと思いますが、市場に広葉樹が並ぶなんて事もほとんどなくて、稀に高知や岡山など他の地域から仕入れてきたケヤキやサクラが並ぶ程度でした。勿論その間隙をついて広葉樹でうまく儲けていた業者もいたとは思いますが。 |
| まだ当時は私自身が広葉樹に対する関心が低かったこともあるので、実際は広葉樹もあったのにその存在が「見えてはいなかった」だけなにかもしれませんが。まあ、そんな感じでしたので同業者間でも広葉樹の話が出ることも無く、出てきたとしてもそれに対して知見を持っている人が少なくて、先輩の材木屋に訊いてもよく分からない。まだ景気のよかった頃なので、そんな正体のよく分からない木に関わるよりもヒノキの無節の柱をいかに安く仕入れできるかに関心が集まっていた時代でもあったように思います。 |
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競争相手も少なく例え安く買えたとしてもそれが何の木なのかも分からなければ、買ったとて売りようもないので結局スルーされることになり、その悪循環で市場にも出てこなくなったのではないかと思います。ヒノキやスギの見立てでは、ベテランの大先輩方には逆立ちしたってかなわない私としては、実はそういう木ならば勝機があるのではと思ったりしていたものの、まだ仕入れたとしても売るだけの『変態路線の販路』を切り開いてもいませんでしたし、社内でスタッフを説き伏せるだけの『屁理屈』を言える経験値も情熱もありませんでした。今、考えるとモッタイナイです。 |
| それでもそれが何の木か知りたくて同業者の先輩たちに尋ねても明確な回答は得られず。出品した山元ですら「広葉樹」、あるいは「雑木」としか認識していない(それ以上細かく分類表示する意味もなかった)程度の扱いでした。それでも呼び名も無いと面倒なので、サクラっぽい雰囲気のモノはほぼ『ミズメ(ザクラ)』と呼ばれたりしていました。これとこれだと同じミズメ(らしい)でも質感がかなり違うように見えるんですが・・・」、「ミズメにもいろいろあるから(適当)。」樹種にこだわりを持つような時代ではありませんでした。明日に続く・・・ |
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