森のかけら | 大五木材


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昨日、『えひめ情熱人』の取材を受けた話をアップしましたが、その後同番組の担当ディレクター・伊東英朗さんからご連絡があって、なんと当番組史上初の4週連続放送に決定したと!なんという無謀!伊東ディレクターのご乱心!としか思えませんが、下駄を預けた身としてはまな板の上の鯛、いや『まな板の上の雑魚』の心境ですので、いかようにもおさばき下さい。ご乱心といえば思い出すのは、映画『柳生一族の陰謀』の衝撃的なラストシーン。萬屋錦之介が歌舞伎口調で叫ぶ「夢でござ〜る!」の言葉、まさに悪夢?!

現在の放送予定日程は、各回とも火曜日の21時54分からの放送で、第1回が7月25日第2回が8月1日、第3回が8月8日、第4回が8月15日。第2回から第4回はあくまで予定なので変更の可能性ありとの事。弊社の月間通信『適材適所』からこのブログまで20数年にわたり、日々自分を見つめ直す作業を繰り返してきたお陰で、木の仕事に対する自分のスタンスとか、取り組む気持ち、ものづくりの姿勢などについては自分なりに固めてきたつもりなのですが、伊東さんの意地悪な質問(笑)で改めて考えさせられる事がありました。

不惑の歳はとっくに過ぎているのにまだまだ邪心が多くて心が定まりません。まあ定まらないからこそ面白いのではありますが。それで質問に答える形で自問自答しながら延々と喋ってしまったことが、4週連続放送につながったわけですから万事塞翁が馬。植林美談など枝葉の表層だけでなく「幹」の部分もしっかり取り上げて下さいね、なんてメディア批判のような失礼な事をのたまってしまったのですが、好意的に受け止めていただいた模様。もはや伊東ディレクター、底なし沼に片足を突っ込んでしまった様子。

それについてはご本人も「望むところだ」ということだったので、どうやら同族のようです。今回は短い番組だと分かっていたので、具体的な商品については説明できていないのですが、それぞれの商品の背景の物語についても伊東さんは興味を示していただいたので、そういう秘められたエピソード(秘めているわけではないが)などについてもメディアでご紹介できる機会があればありがたいです。マニアックなマイノリティも一定数いればそこに市場が生まれます。けもの道も極めればそこに拾う神あり!




酒飲みの多い高知で、キリンビールが打ち出したCMのキャッチコピーが「高知がいちばん」。この言葉が高知の人々の琴線に触れて、高知におけるキリンのシェアを押し上げていきました。なにしろ離婚率が1位から2位になっても悔しがるという県民性ですから、「いちばん」が大好き。更にキリンのCMの快進撃は続きます。ラジオCMでは「電車が高知に入りましたので、ビールはラガーに切り替えさせていただきま~す」、飛行機バージョンでは「高知上空に入りましたのでビールはラガーに切り替えさせていただきま~す」!

このあたりはマーケティングの本としても非常に面白いのですが、それらの根底にあるのは著者のキリン愛。著者は決断を迫られる際にその基準としているのは、「この会社は自分がリスクを背負ってまで立て直さなくてはならない価値のある会社なのかどうか」。高知では劇的なシェア回復をする一方、アサヒのスーパードライに対抗すべく飲みやすい味に変更したキリンは全国的には大苦戦が続きます。濃い味が好みの高知でも、味の変更は総じて不評で、「こんなたっすいビールは飲めんぜよ」と不評だったのです。

たっすい」とは、高知弁でみずっぽくて飲みごたえがないという意味。その後この言葉はキリンのポスターにも使われ話題にもなりました、「たっすいがいかん!」。著者はダメもとで本社に味の変更を相談します。しかし味の変更は本社マターのことなので受け入れられるはずもありません。ところが、その頃に視察に高知を訪れたキリンビールの社長との間で「事件」が起こります。営業マンたちの日々の頑張りに刺激を受けた内勤の女性スタッフが、「社長はお客様に対して卑怯です」と詰め寄ったのです。

そしてありえない陳情が結果的にキリンの味を元に戻してしまうのです!このあたりのいきさつについては是非本を買って読んでいただきたい。いやむしろ鉄矢さんのラジオを聴いていただきたい。その経緯を聴いたとき、私は鳥肌が立つような感動を覚えました。ひとつの目的のために働くということのチームワークと醍醐味。読み終わった後には、無性にキリンビールを飲みたくなります。このラジオを聴いて、本を読んで以来、そんな支店長のいたキリンビールという会社の社風が好きになり、その後はずっとキリンビール贔屓です。

この後、愛媛支店の話も出るのですが、そこでは激しいアサヒとの営業合戦が繰り広げられます。業界も規模を違えど、自分の信じるものを売る、信念を届けるという志は相通じるものがあります。モーレツぶりは今の時代にはそぐわないかもしれませんが、『人間の能力は無限である』、『現場に本質がある』はいつの時代も変わりなし。そして私が肝に銘じているのは、「戦力の逐次投入は必ず失敗する」と、「ブランドはメーカーのものではなく、お客様のものである」ということ。経営は実行力、言ったことはやる!〔完〕




あなたたちの存在意義は何なのだ?我々はラガーの味を変えてお客さんの信頼を裏切った。信頼を取り戻すことが我々の使命なのだ。その信頼を取り戻すために自分でやると決めたことができないのなら会社にとって必要がない。辞めていただいて結構だ。合意とはそういうこと、仕事とはそういうことだ!」この言葉で社員たちは支店長の本気度に気づき変化が起こります。鉄矢氏はラジオではこの場面を、「それは自分たちで決めたことではないかっ!」という台詞で語られえいましたが、私の琴線はその言葉に震えたのです。

そう、その目標は自分が決めたことではないかっ!出来なかったと諦めるのは簡単だけどそれは、目標を立てた時の自分の気持ちを裏切る行為。私の場合、自分で決めた目標が到達できなくとも、自分が納得すれば済む話ではあるものの、それを是とする弱い自分に負けたことになる。夜遅くまで加工作業をしていて心が折れそうになるとき、いつもその言葉を支えとして自分を叱咤するのです、「自分が決めたことではないかっ」。大学を卒業して大五木材に就職した時から、実質的にはすべて自分で決断してきたためどうしても自分に甘い。

そんな中で、周囲の逆風をはねのけて【森のかけら】や『モザイクボード』などオリジナル商品を作ってきました。そんな時もきっと売れるという信念はあったものの、結果についての責任については甘々で、『まだ売り終わっていないから結果はまだ先のこと』と詭弁を弄してきました。そういう事もあったので、この「自分できめたではないかっ!」という言葉は、いろいろ意味もこめて自分に突き刺さったのです。決めたことは必ずやり抜くと!そう感じたのは高知支店の社員たちも同じであったようでここから劇的な変化が起きます。

入社2年目の営業マンが、「1ヶ月に飲食店を200軒訪問する」と宣言したのです。人口およそ80万人が東西240キロに住む高知において、これはかなり無謀な数字。ところが火がついた彼らの情熱はこれを軽く達成してしまうのです。本ではそのことについて以下のように触れられています。「スポーツの練習と同じで、しんどさを超えると、それが普通だと思える状態になってくるのです。」もともと高知県は、酒飲みの多い四国四県の中でもとりわけ酒好きが多く、人口ひとりあたりのラガー瓶の消費量が年30本で全国1位という土地柄でした。




本日も田村潤著『キリンビール高知支店の奇跡』の話の続き。200ページに満たない本なので、ご興味のある方は実際に買って読んでいただいきたいのですが、簡単に内容を説明しますと、舞台は1995年の高知。隣県が舞台となり、その後もわが愛媛も出てきたことも強く惹かれた理由の一つ。1954年に国内シェア1位について以来永らくその地位を揺るぎないものとしてきた業界のガリバー・キリンビール(シェア60%超!)でしたが、1987年にライバルのアサヒビールがスーパードライを発売した事で事態は一転!キリンの売上は急落!

思えばちょうど私が大学生の頃、コクがあるのにキレがあるという、本来対立するはずの概念をひとつにさせたスーパードライは業界を席捲。苦みのあるキリンに比べて飲みやすいことから私も随分お世話になりました。当時は味どうこうよりも量さえ飲めればという感じでしたので。それに対抗してキリンも1990年に「一番搾り」を発売して大ヒット。しかし1993年に総会屋への利益供与事件、1995年には新製品に雑菌が混入する事件が発生して、60%を超えていたシェアは50%以下にまで落ち込むという急落でガリバー・キリンは苦境に!

そういえば当時はテレビでも両雄のCMがバンバン流れていましたが、喉にビールを流し込んでいた学生の私には舞台裏の戦いを知る由もなく・・・。苦みのある喉越しが売りであったはずのキリンですが、危機感から100年続いた味の方向転換を図ることになります。これがその後キリンをさらなる苦境へと追い込むことになるのです。その頃の高知支店は、全国でも最下位ランクの支店で四国でもお荷物と言われる存在。そこへ赴任した著者は、まずその無気力体質に呆然となります。研修や会議を重ねても一向に結果は出ない・・・。

そういう状況を打破すべく著者が考えたのは、自分たちで目標を設定させそれを地道に実践させるという事。言葉で書くと当たり前すぎて拍子抜けするでしょうが、当時の高知支店の営業マンは12名(うち二人は内勤の女性)。あの広い高知の東西を実質9名でカバーするわけです。しかも宿敵アサヒは勢いがある、同じことをしていては勝てない。ということで彼らなりに高い目標を立てるものの、数字が伸びない。検証してみると約束した問屋訪問も達成できていない。それまで見守ることに徹していた著者が全社員を集めて激を飛ばすのです。




さて本日もラジオ『武田鉄矢 今朝の三枚おろし』の話です。鉄矢氏もの凄い読書家で、読まれる本の量も驚くのですが、その独自の分析力が面白くて、しかも分かりやすい。買って読んでみようと思わせる素晴らしい語り口で、いろいろ勉強になります。聴いた直後は本のタイトルも控えたりして読む満々なのですが、実際に本屋で手に取って活字の塊を目にすると、まあ内容はほとんどラジオで聴いちゃってるしまあいいか・・・という事が多い中で久々に実際に買って読んだのが、田村潤著『キリンビール高知支店の奇跡』。

サブタイトルには、『勝利の法則は現場で拾え!』と書いてあるように、何も知らないといわゆるビジネス書の1冊だと思ってしまいます。著者の肩書も「元キリンビール代表取締役役副社長」なんてありますから、いかにもその筋の経営ノウハウを綴った啓発本の類に思えます。ラジオで知っていなければ私も手にすることはありませんでした。ところが実際はそういったお堅い経営ノウハウの本ではなくて、著者が左遷された(著者がそう書かれている)キリンビールの高知支店で奮闘する様子がなエネルギッシュに描かれた痛快な内容。

まるでドラマの原作のように次々と降りかかる問題に果敢に挑む、地方支店の支店長と当初は諦めモードだった社員たち。鉄矢氏も、今ならありえない話と断りを入れられているように、いかに休むかという事がテーゼである働きかた改革が論じられる昨今では内部告発されかねないようなモーレツ支店長と社員たちの熱い戦いの記録なのです。これが最近の若者にどれだけ受け入れられるか分かりませんが、私はもの凄く感銘を受けました。勤労は美徳であると信じる古い人間だからなのかもしれませんが、読みながら何度頷いたことか。

本を読んで感銘したというよりは、ラジオで聴いた場面や台詞を後追いしながら、その内容が合致しているのを楽しんで、改めて感銘を受けたという感じです。例えるならば原作のある映画を観てから、後で原作を読むといったところ。実際に読んでみると、鉄矢氏がいかに本から換骨奪胎して鉄矢風に味付けしなおしていたのかが分かって面白いのと、言葉でひとに伝える話術の素晴らしさに惚れ惚れしたところです。本の中身についてはポッドキャストかユーチューブで番組を聴いていただいた方が面白いとは思いますが敢えてご紹介すると・・・




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