森のかけら | 大五木材


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昨日アップしたように『北洋材の基地・富山』は、プーチンの気まぐれのような方針転換に揺れています。製材所のように大きな物を生産する仕事には、大規模な設備や場所が必要です。一度生産ラインを変更したりすると容易には元に戻せません。製材の機械というのは、一般の方が思う以上に高価です。想像してもらえば分かりますが、外材の何トンもあるような巨大な丸太が日々転がされ、切断されていくのです。その衝撃たるや凄まじいものがあります。大きな原木が地面に落ちる時のドーンという衝撃音は、腹の中から揺り動かされるような感覚があります。話しが少しずれましたが、それだけ重たい材料を扱うわけですから、製材機械はタフでなければなりません。日々の原木との格闘にはメンテナンスも欠かせません。

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とにかく製材は、簡単にやります、やめますなどとは言えないぐらい金と覚悟が必要な仕事だということです。ただ設備だけの問題ではありません。丸太を運ぶ船の手配や、丸太の荷受け・荷降しをする港湾会社、重い丸太を運ぶ荷役会社、製材後のチップを扱うチップ会社、等々多くの業種が複雑に関わり、次から次へと原木が受け渡され繋がっていくわけです。それに関わる多くの業者とうまく連携が取れなければなりませんし、そこで働く人の家庭も支えているわけですから、勝手にやります、やめますというわけにはいきません。

 

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税率80%が発表された時点で、断腸の思いで製材を廃業されたり、慣れ親しんだ北洋材からの撤退を選択された経営者も多かったと思います。それが1年延期、下手をすると無期限延期?・・・とかなったとしても、今更また元に戻してという訳にもいかないのです。かつてのラワンのように、供給の細った樹種はやがて、市場から消えていってしまいます。工務店やハウスメーカーもカタログやパンフレットに謳っている手前もありますので、再々の樹種変更は好みません。結局、一度外されてしまった樹種は、供給が再び安定したとしても、その樹種にお客が戻ることはほとんどありません。

だからこそ、今回の騒動が木材業界に与えた影響は大きいのです。中にはこの機会に、他の国の税率も同様にあげて、国産材を使うように舵を取ればいいじゃないないかという過激な意見もありますが、日本中の全ての製材所が国営企業になるなら別ですが、あくまで日本は自由経済ですからそれは無茶な意見です。

今回なぜ執拗にこの問題にこだわるかというと、『木を製材する』というもの造りの仕事がどれほど大切で、どれほど立派で、どれほど難しい仕事かという事を知ってもらいたいからです。実は、これほどではありませんが最近、青森県でも「青森ひば」の伐採量を4割減にするという計画案が公表されました。こちらも段階的に減らされてきたのですが、今回の措置で一気に1万立方m程度にまで減らされるようです。そうなると、青森ひばで生計を立てていた製材所は、経営そのものが成り立たなくなってくるところもあります。あまり難しい話にはしたくないですが、木を伐る=悪、木を伐らない=正というような短絡的な感情的な図式ではなく、その背景にあるものも冷静に考えてもらいたいです。




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