森のかけら | 大五木材


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今日のかけら・♯056 【シラカシ/白樫】 ブナ科コナラ属・広葉樹・茨城産

以前に触りだけご紹介しましたが、土佐の〔炎の棟梁〕白土建築工房さんが、松山に絵本屋さんを出すという話。少し時期がずれましたが、いよいよ工事が始まりました。場所は、銘木まつりでお馴染みの、市内三津浜の久万銘木㈱さんの第一倉庫内です。社長の井部勇治君から、白土さんご本人がいらして施工されていると聞いたので、様子を拝見に伺いました。以前一緒にお酒を飲ませていただいた時に、大まかな構想のアウトラインは聞いていましたが、そこは人を驚かせるのが生き甲斐のお方のやる事ですから、普通に収まるはずがありません!やはり実際に見ておかねばという思いもありました。行って見ると、唖然・・・!炎のような趣きの巨木がドカンと立ち上がってありました。その雄々しい姿は、まさに天に向かって吹き上げある炎の如き佇まい。その重量感、質感は威風堂々として圧倒的!

実はこの巨木、先日の銘木まつりの際に展示会場で横に寝かせてあった『樫(カシ』の変木です。寝ていた時にもその存在感は抜群でしたが、こうして立ち上がると更にその異形が輝きを放ちます。中は洞(うろ)になっているところもありますが、これだけのサイズですから、動かすだけでも相当に大変です。白土さんがこれを点てられた時は生憎立ち会えませんでしたが、訊けば立ち上げるまで1日がかりだったとか・・・。それはそうでしょう、いくら古木とはいえ、樫ですからその重量は相当なものでしょう!

樫の気乾比重は0.74~0.83で、日本の木の中でも重量級のひとつです。ちなみに樫の中でも『ウバメガシ(姥芽樫』は、『イスノキ』や『オノオレカンバ』などと並んで、日本で最も重たい木の1つです。『ミズナラ』のような虎斑(トラフ)が現れることもありますが、縦長の筋状の斑点が出るのも樫の特徴です。樫の断面には牡丹柄の杢が現れて非常に面白いのですが、いまだ上手く活かしきれていないので、いつも勿体ないなあと思っています。これだけの老木になるとその表情も一変します。そこに在るだけで絵になる迫力が全身から溢れています。

さて、その傍らでは、炎の棟梁が腕を振るわれている姿が!高知から愛媛を往復されながらの大変な作業です。そうまでしてこの方を突き動かすエネルギーの源はどこから湧いてくるのでしょうか?樫という漢字の由来は、その材質が「堅い」事からきていますが、カシという呼び名も『雄偉(いかし』という意味で、その樹形の雄々しさを指したものであるようです。その材質から白樫(シラガシ)、赤樫(アカガシ)などに分けられます。その強く堅い意思を貫く、白土棟梁にはまさにピッタリのシンボルツリーです!

白土さんのお膝元の高知県は、全国的にも有数のアカガシの産出地と言われていますが、この老木はどちらかはっきりしないようです。一般的には、カシというと白樫を指す場合が多いようです。シラカシは、カシの仲間の中ではもっとも耐寒性があり、暴風林や屋敷林として植えられる事が多いようです。この倉庫の中に立ち上がった巨木の姿からは、屋敷を暴風から守る防風林というよりは、主の如き風格が漂います。まだ仮り立ての状態ですが、きちんと足元が固定されたらさぞ圧巻でしょう。ここからハイスピードで工事が進んでいく事だと思います。正式のオープン日も12月12日(日)に決まったようです。お店の名前は、『えほんの店 コッコ・サン松山店』。詳しい内容については、改めてご紹介させていただきます。2、3日に一度は久万銘木さんに行く用事があるのですが、これからは行く楽しみが1つ増えました。オープンが楽しみです!

 




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