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さて、今日はもう一度『コッコ・サン松山店』の話に戻ります。当日は大盛況で、終始お客さんが絶える事がなかったようで、用意されていた「コッコ・サンくらぶ」の会員カード500枚が全て出尽くしてしまったとの事。お店のある久万銘木㈱さんでも毎年、銘木祭りが開催されていて多くのお客さんがいらっしゃいますが、何やら「質」が違うようです。それは質が高いとか低いとかいう事ではなく、もっと根本的なこと。どちらも商品の対価としてお代を頂くのは同じなのですが、そこに笑顔があるかないかの違い?
安いものでもあれば買ってやろう、見てやろうという業者的な仕事感覚と、面白そうな絵本を探しに行こう、楽しい絵本と出会えるだろうかという趣味、嗜好的な感覚を同レベルで比べるつもりはありませんが、「モノを売る商売」であることに違いはありません。特定の職種(工務店や大工さん)に販売する木材業では、どうしても日々の仕事がルーティン化して、新鮮味や感謝の気持ちが薄れてしまいがちです。しかし、「ありがとう」の言葉の持つ意味合いに変わりはありません。イベントなどで、木の玉プールで無邪気に戯れる子供達の姿や、こういうお客さんの笑顔を見ていると自戒の念を禁じえないのです。思うことと出切る事は違います・・・。シンボルツリーの足元には、精密なジオラマが設置され、ミニ電車が走っているのですが、小さなお子さんが夢中でずっと見入って、その場から離れようとしませんでした。
途中で思わぬ脱線事故があったのですが、彼にとってはさぞ楽しいひと時であったことでしょう。これで彼の心は既に『コッコ・サン』の虜でしょう。どうしても中のジオラマに目がいきますが、その強化ガラスを支えるのは、赤味の美しい生節の『桧』の耳付板です。そして間仕切りには、『カイヅカイブキ』の耳付板が使われています。店舗内にあまりにも個性的ないろいろな木が溢れているので、その存在がすっかり溶け込んでいますが、実に贅沢な使い方。であるけれど少しも嫌みがありません。
この他にも随所に木の醍醐味を体感出切る仕掛けがたくさんあります。これらほとんどが、白土棟梁の頭の中の設計図に拠るものです。どこからこのイマジネーションが飛んでくるのでしょうか。小さな端材を活かすことは私も得意なのですが、大物を建築に取り入れるセンスは、実際に現場で腕を振るう棟梁ならではのものです。とかく木を見せようと張り切り過ぎてうるさくなってしまうものです。それが絶妙の判断で、機能性と存在感を併せ持った「そこにあるべきもの」に収まっているのが素晴らしいところです。
三津地区の銘木屋の倉庫内に絵本屋さんが出来たという事実以上に、その事によって関係者を含め我々周辺にいる者も多くの事を感じ学んでいます。満足そうな笑顔で帰られるお客さんの顔を見ていると、お客さんにモノを売って喜んでいただくことの原点の意味やその関係性について改めて考えさせられます。このお店が材木関係者の意識を大きく変えていくきっかけになる事は間違いないと思います。倉庫内には無垢板も並べられていましたが、家具や端材、クラフト製品などの充実も図られるようです。
また店内にも「木」に関する絵本がたくさん並べてあるのですが、中でも駒形克己さんのコーナーの充実振りが目に付きました。過日、お昼のテレビ番組で「little tree」の事が大々的に取り上げられたりしたので人気も高いのでしょう。その隣には、北海道の写真家・小寺卓矢さんの写真絵本「森のいのち」も!作者の方の顔が分かる、お話した事がある喜びというのも「コッコ・サン」とのご縁で味あわせていただきました。同じ根っこを持つ木と絵本が今まで繋がらなかったのが不思議にさえ思います。
少し前までは、クラフト製品や小物などの木の活かし方として、木そのものをどう見せるか、どう形作って質感を出すかという事ばかりを念頭に置いていましたが、『木言葉書』あたりを作った頃から、「木+α」によって完成する形を強く意識するようになりました。木だけではどうしても足りなかったものが補填されていくと、本来自然界で木が果たしてきた役割という事も改めて認識させられます。ひとりよがりにならずに仲間(異素材)と組むという大切さも学ばせていただきました。まだまだうまく実現できてはいませんが、行く道に光は見えております!さて「コッコ・サン松山店」では、1月22日~2月6日まで、なばとしたかさんの「こびとづかん」絵本原画展が開催されます。うちの息子は開店日当日、この絵本に夢中!「こびとえほんづかん」を買いたかったらしいのですが、ちょっと目を離した隙に他の人に買われてしまったらしく、泣きそうになっておりました。原画展には連れていってやらねばなりますまい。私も楽しみですが。


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