森のかけら | 大五木材


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20110122 温故知新の木づかい①本日、日木青(日本木材青壮年団体連合会)中四国地区協議会の役員会が香川県で開催され出席してきました。私、今年度の安東真吾会長(銘建工業)より、企画担当理事という役職を拝命しておりまして、役員会の際に研修などを企画する役割です。今年度も残り3ヶ月となろうとしているのに、今までほとんど仕事らしい仕事をしていなくて大変申し訳なかったのですが、今回は開催地の香川木材青年経営者協議会樋口さん(太洋木材工業)と一緒に研修を企画しました。ここは、香川県高松市屋島にある財団法人・四国民家博物館『四國村』。四国各地で現存していた古民家33棟を、広大な屋島の南山麓の林や花畑の中に移築復原した施設です。中四国協議会では、過去にも歴史ある建築物などを見学してきましたが、古きを訪ねて新しきを知る・温故知新の精神は我々の仕事に通づるものがあります。

 

20110122 温故知新の木づかい②実は私も訪れるのは初めての事で、少々不安もあったのですが、想像を越える充実ぶりでした。多くの建物が江戸時代の頃に建てられたもので、中には昭和の50年代頃まで実際に住まわれていたものもあるという事です。当然それらの家の主役は『木と土』です。およそ200年前の木造と土壁の家は、解体移築され、壁に使った土もそのまま移し、練り直し出来る限りそのものを使って塗り直したという事です。その中でも目を引いたのが、こちらの円形の建物。宮崎駿さんの映画に出てきそうな可愛いらしいメルヘンチックなデザインですが、これ実は『砂糖の〆小屋』という事です。香川では江戸時代後から粉モノが特産品として有名だったようですが、中でも砂糖作は特に盛んだったらしく、各地のこのような砂糖の〆小屋があったようです。讃岐平野にはサトウキビ畑が広がり、搾汁のための牛が腕木を引いて回すために円形に作られたのです。

 

20110122 温故知新の木づかい③部材をパッケージ化して、移動しては組み建てられたものもあるという事で、その造りもシンプルで機能的。事前に学芸員の方にご案内をお願いしておりましたが、我々だけで見ただけでは理解できない背景を知ることが出来ました。その風情ある姿を見るだけでも価値はありますが、そのバックグラウンドを理解することで、より多くのものを知ることができます。昔の暮らしに息づいた先人たちの知恵とその思いを受け継いでいくのは、『物語る』事です。やはり語り継いでいかねばなりません。

 

20110122 温故知新の木づかい④今年は『国際森林年』という事もありますので、この『四國村』などにもスポットが当たることになるのではないでしょうか。年間4万人ほどの方が訪れられる観光スポットにもなっているようですが、建物が古いがゆえにその維持管理も大変なことであろうと思います。当日も藁葺き屋根の葺き替え作業が行われていましたが、この周辺には職人さんがいないという事で、遠く宮城県の方から来ていただいているという事でした。私が子供の頃、藁葺き屋根の家に住んでいた同級生がいましたが、暮らしを支えていく「家」はノスタルジーと感傷だけで成り立つものではありません。雨漏りや隙間風は当然で、耐震性にも不安はあります。それでもこうして200年間残ってきたわけです。その現実の前には、最新の金物や工法もなんだか小さな事のように感じられてしまうのです。 

 

20110122 温故知新の木づかい⑤今立てられている最新住宅が200年持つとは到底考えられません。一方で素材がむき出しのシンプルなこれらの家は200年の風雪に耐え、何世代もの家族の暮らしを育んできました。これらの家々は特別なものではなく、ごく一般的な古民家であったようです。柱や梁の虫喰い跡に、受け継がれてきた200年という時間が確実に刻み込まれていました。こういう場所に来るとどうしても、「住む事」と「見る事」が別次元のように考えてしまいますが、改めて家の在り方を考えさせられます。快適になることで得たものと失ったものの事。現実的に今こういう家に住むことは出来ませんが、かつてそこには厳然として「暮らし」があったわけです。 それを木や土が支えてきました。自分の仕事は何を、誰を支えられるのだろうか・・・。




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