森のかけら | 大五木材


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20110308 ホワイトセラヤという選択①本日はお二階のご紹介です。こちらには(個人的に)羨望の的・シアタールームがあります。壁や天井は防音仕様になっていて、大音響でも大丈夫だそうです。こんな所でアクション映画でも観れたら素晴らしいことでしょうが、私の場合毎晩ずっと観ていて結局怒られる事になりそうですが...。その羨ましいお部屋の床に使っていただいたのが、北米産のブラック・ウォールナットのフローリングです。90㎜幅のユニフィンガー・ジョイント(縦つなぎ)です。白身が部分的に含まれていますが、基本的には無節ですので、シックな空間を引き立てます。本当はもっと接写して撮ればその美しさが伝わるのですが・・・。今まで、これは!と思わせる(自分だけが)写真が撮れた事もありましたが、やはり写真の腕ではなく、カメラのレンズの力でした!画像から伝わる数倍も美しい質感がお伝えできないのがもどかしい!

 

20110308 ホワイトセラヤという選択②勿論仕上げは、植物性のオイル拭きです。時間とともに浸透していき、木の油分と一体となって美しい光沢を放ちます。ブラック・ウォールナットはクルミ科ですので、やや柔らかめな触感です。見た目に濃い色合いで軽軟な木というのは結構少ないものです。こちらは弊社で塗装させていただいてからの納品です。淡い茶褐色がオイルを吸って濡れ色の濃いチョコレート色に変身していきます。なぜにブラック・ウォールナットはこれほど人を惹きつけるのでしょうか。その何割かには羨望も混じっていそうです。

 

20110308 ホワイトセラヤという選択③このプリベート・シアターで映画や音楽を楽しまれるお施主さんは、当然のごとく大量のDVDやらレコードを所蔵されています。プライベート・シアターなどには縁遠い私ですら300数枚のDVDを所有しておりますので、恐らくその数たるや想像を絶するものがあるのでしょう。その宝物を収納するオーダーメイドの収納棚をご注文いただきました。お手持ちの宝物のサイズに合わせた設計をしていただき、材料のセレクトに移りました。質感や強度、価格面も含めて「適材」を熟慮した結果、今回ご提案させていただいたのが、東南アジア産でフタバガキ科の『ホワイトセラヤ』です。『ラワン』と言った方が分かりやすいでしょうか。2階への設置で、結構な大きさになりますので、より現実的な問題として「荷重」や「組み立て」、「納品」などの事も考慮しなければなりません。こちらが完成した姿。

 

20110308 ホワイトセラヤという選択④施工はいつもの『ウッドワークかずとよ』さんにお願いしました。サイズと搬入経路の判断で、事前に組み立てずに、パーツ化したものを現場に搬入して組み立てる手法を選択。製作を担当してくれた善家君が現場で効率良く組み立ててもらって、途中の工程を撮る暇もありませんでした。現場での作業がスムーズなのは、工場での下準備がしっかりできている証拠でもあります。収納棚といっても善家君との比較でその大きさが分かると思いますが、かなりのビッグサイズです。だからこそラワンの選択でした。オスモのローズウッドで床に合わせて着色しています。ラワンと聞くと、かつて安価な家具に大量に使われた事から安物のイメージを持たれていたら大間違い。今やラワンも高級材です。結局、価格は需要と供給のバランスですから、入荷が減れば自ずと値段も高くなりますが、元々ラワン類は全般的に評価が低すぎたように思います。 

 

20110308 ホワイトセラヤという選択⑤今回使用さえていただいたモノは、20年近く乾燥の出来た、尺上サイズ(幅300㎜以上)ばかり。普通ならば幅剥ぎすべきところをほとんど1枚モノで作れました。それぞれに木には、ある程度の固定概念やイメージが出来上がっていて、OOに使われる木だからとか、材そのものよりもその属性で判断される事が多いのですが、ある場合それが逆要素に働く事もあります。まさにラワンなどはその典型。狂いやねじれも少なく、加工切削にも適した汎用性の高い大径木として考えれば、その評価はもっと上がってしかるべきだと思うのです。尺上材の選択が難しくなってきた昨今、改めてその価値が見直されてくると思います。以前『適材適所』に書きましたが、ラワンとは(フィリピン諸島に産する)フタバガキ科の(三属のうち軽軟ないしやや重硬な木材の)総称と意義付けられていて、産地によって『メランチ』になったり『セラヤ』になったりするややこしさもマイナス評価になったのかもしれません。




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