森のかけら | 大五木材


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20110823 「パイン」なるもの・・・(2)①森のかけら】においても、「パイン」というカテゴリーに含まれる輸入材としては、「オウシュウアカマツ」、サザンイエローパイン」、「ベニマツ」、「ポンデロッサパイン」、「脂松」などがありますし、他に「パイン」の名を冠するものだけでも「メルクシパイン」、「ラジアータパイン」などがあります。これらを総称して「パイン」と呼んでいるわけですから、「パイン」とだけ言ったのに同じモノが出てこないともめるのは当然。お米屋さんに行って「ライス下さい」と言うのに近い感覚だと思います、材木屋としては。

 

20110823 「パイン」なるもの・・・(2)②「パイン」が好きで「パイン」を選択するというのも個人の趣味嗜好ですから、それはそれでいいと思うのですが、写真の中の「パイン」をあまり過大評価せずに、施工後どう付き合っていくかによって良くも悪くもなるという事を肝に銘じていただきたいと思います。現実的には、北欧やロシアで大量生産される材(決してそれそのモノが悪いとは思いませんが)に、あまり過剰な期待をするのはどうでしょう。世の中には大抵、特定の購買者を対象としています。それをしっかり理解したうえで材を選択するべきです。パイン独自の表情、雰囲気が好きなのであれば、国産の松を使い1枚1枚丹念に検品しながら生産している商品もあります。手間隙のかかる非大量生産ですから、当然価格は輸入材より高くなります。しかし商品の品質についてはかなり差があります。何を求め、何を選択するかはあなた次第ということです。

 

20110823 「パイン」なるもの・・・(2)③内装材などを選択する際に、材木屋としての提案はさせていただきますが、それはその家ごとにケースバイケース。どの家造りにも全てあてはまる完璧な内装材なんてありません。どういう暮らしをされるのか、スリッパなのか裸足なのか、寝転がるのかソファーなのか、手入れはいつ誰がどうするのか、幼児や年配の方が入るのであれば塗装がどのレベルまでするか(転等防止)等々、そんな事の積み重ねからどんな材が向いていてどんな材が不向きなのか、終の棲家を支える部材を決めるにはそれなりの覚悟と時間が必要不可欠です。

 

20110823 「パイン」なるもの・・・(2)④ただ誤解していただきたくないのは、決してパイン製品の品質が劣っていて使うべきではないと言っているわけではありません。「パイン」にはパインの持ち味があり、良さがあります。『適材適所』の言葉通りその材にはその材に合った活躍の場があるという事です。パインの特徴をよく吟味されたうえで使われる分には何も問題ありません。それを、ただ安価だからとりあえずパイン、という選択は如何なものでしょうかという趣旨です。

 

20110823 「パイン」なるもの・・・(2)⑤それで、「やっぱり安物は・・・」などと言ってしまってはパインに申し訳ないです。その材を使う意味があってこそ、材も心意気に燃えてより光沢を増してくれたりするものじゃないでしょうか。そう思わなきゃ、「木は決して建築材になるためだけに生まれてきたわけではありません」から。ちなみに、一般的に流通している「パイン製品」の多くは、フィンランドやノルウェーといった北欧諸国とロシア周辺から出材されるものがほとんどですが、ロシアの大針葉樹林タイガは、世界の森林面積の1/3を占めるといわれています。

20110823 「パイン」なるもの・・・(2)⑥そこはかつて半永久的な森林資源の宝庫と信じられていましたが、今タイガを取り巻く環境は大きく変貌しています。国際環境NGO FoE Japanが発行し、その一部を(財)地球・人間環境フォーラムが日本語訳し作成した『極東ロシアタイガ破壊の現状』という報告書があります。木材の仕事に携わり、「パイン」を扱うひとりとして、こういう現実はしっかり胸に刻み込んでおかねばなりません。だからこそ、材を無意味に無駄に使っては申し分けないと思うのです。極寒の地に生きるパイン、彼らは人間のためにそこに根を張っているわけではありません。強く自戒の念を込めて・・・




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