森のかけら | 大五木材


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20110822  「パイン」なるもの・・・(1)①少し前のブログで、木の節について触れた事がありましたが、その時『この『パイン』というのが非常に曲者ですが、長くなるのでここでは敢えてそこには触れません。』と、パインについては敢えて詳しく触れず、節全般の話の例えとしてのみ登場してもらいました。なぜかというと、単に「パイン」という名の木は無くて、幾つもの樹種の総称だから、それをひとくくりにして「パイン」がどうこうと言うと誤解を招いてはいけないと思い、その日のブログでは、恐らくほとんどの方が「パイン」からイメージされるであろう北欧系のレッドウッドあたりを想定しました。

20110822  「パイン」なるもの・・・(1)②住宅を建築中のお方や、家に関心をお持ちの方でも、ほとんどの方が「そうそう、これがパイン」と自分の持っているパインのイメージと近いと感じるのではないでしょうか。弊社に内装材のご相談にいらっしゃる施主さんの中には、自分のお好みの内装が映った雑誌をお持ちになる方も多いのですが、その際「床はパイン材」と表記された物が多々あります。このイメージでお願いします!という事になるので、実際の「パイン」をお見せすると、「これじゃないです。これ写真と違います!」となる事もしばしば。

 

20110822  「パイン」なるもの・・・(1)③ライトを装備して綺麗に写した雑誌の写真と、現品とでは質感に差があって当然だと思うのですが、理想の家を夢描き何度も何度も穴が開くほど雑誌の写真にイメージを投影されていましたから、現品の数割り増しで期待が膨らんでいます。「こんなにザラッとしていない(と思う)。もっと節が可愛い(ように見える)。色ムラが多過ぎる(色ムラは無く見える)」業界的には、もっともこだわりの少ない材と捉われている「パイン」が、かなりこだわりのある特殊な材に昇華されております。

 

20110822  「パイン」なるもの・・・(1)④その事が決して悪いわけではありません。私は、材の選択は最終的には主観的な趣味嗜好だと思っていますので、「パイン」との相性が良くて、「パインが好き」という方がいて当然だと思います。4mの長尺材が取れるし、価格も割合リーズナブルだし、明るめの雰囲気が好きだという方にとっては理想の材でもあるかもしれません。ただ、雑誌の「パイン」と現実のパインとの違いはしっかり認識しておいていただきたいと思います。実際に家は写真の中で眺めるだけのものではありません。その中で生活していくわけですから、当然傷や汚れも発生しますし、経年変化で床や壁材も齢を重ねていきます。出来上がった瞬間を切り取った止まった写真の中の「パイン」のままではいられません。そこに想像力を働かせていただかねば、折角パインを選んでいただいても満足は得られません。

 

20110822  「パイン」なるもの・・・(1)⑤それは「パイン」だけでなく、全ての材に言える事なのですが、貼りあがった今が最終的な完成ではありません。それから月日を重ね、家族の日々の暮らしの泣き笑いを見守り、その全てが家に溶け込み刻まれていき、その家独特の色合いの染まっていきます。同じ時期に家を建て、同じ内装材を使っても、数十年後にその床や壁は家ごとに違う表情を見せるはずです。生活スタイルが違うから当然かもしれませんが、私は笑顔の耐えない家庭の内装材の方が、より艶やかでより眩しい光沢を放つと思います。新築後何年経っても、家や材に関心を持ち、家庭の会話の中でも家造りの事も語り継がれ、その手入れやメンテナンスにも家族の協力や理解があり、モノを大切にする精神が育まれるそんな家であれば、材が何であれきっと数十年後には、その家にとって唯一無二かけがえのないモノになるのだろうと思います。以前アップした『薫風の似合う100%無垢の家』は、まさにそういう家でした。内装材からもその人となりや暮らしぶりが伺えるものです。この話、もう少し明日へ続きます。




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